2014年04月25日

サラリーマンに農業は無理なのか  No2

178.JPG
「いいものをつくって、自分の収入を増やしたい」という農家の“本能”が発揮されれば、つらい作業にも向き合える。今年4月からは新たに就農希望者を受け入れ、5年後に独立させる仕組みもつくった。いま7人が独立を夢見て研修中だ。

サラリーマンに農業は可能か――。山田のように脱サラし、会社員の時に培ったノウハウで成功する道は、かつてなく開けている。山田が加工から販売まで手がけ、九条ネギというブランドをフルに生かして成長した発想の根っこにはアパレル時代の経験がある。だがその下で働く社員がやる気を持てるかどうかはべつの話だ。

大手電機メーカーのサラリーマンから農業の世界に入ったソイルパッションの深川知久氏
こうした例はほかにもたくさんある。2009年に静岡県で就農した深川知久は、もとは大手電機メーカーに勤めるサラリーマン。有力生産者グループの野菜くらぶ(群馬県昭和村)を知り、その仲間に入る形で農業の世界に入った。「仕事は休日返上で、不安もある。でもリターンはすべて自分に返ってくる」。  規模拡大も順調だ。面積は20ヘクタール。すでに1人
でこなせる広さではなく、農業法人のソイルパッション(菊川市)を立ち上げ、社員を4人雇っている。

そこで抱えた悩みが、2〜3年で作業をおぼえると、社員が独立してやめてしまうことだ。これが農業者の“本能”だろう。自分でつくってもうける醍醐味は人の下ではなかなか味わえないのだ。  深川はそれでも、これか
らもずっと一緒に働いてくれる社員がほしいと思う。そこで考えているのが、分社化のような形にして成果を給与に反映させる仕組みづくりだ。「農業だから安月給でもいいという時代ではない。やったことに待遇が連動し、社員が5年先、10年先まで見通せるようにしたい」と話す。

法人の農業進出が増えても成功例が乏しい理由
2009年の農地法改正で、農地を借りる形でなら参入が自由になってから、1000を超す法人が農業に進出した。それでも目立つ成功例がないのは、株式会社による農地の購入がまだ認められていないからでは断じてない。初期投資がかさみ、しかも天候に左右されやすい農業で、短期的に利益をあげるのが難しいことが第一。それと関係するが、働き方も会社員と同じではうまくいかない。  高齢化と放
棄地と担い手不足の三重苦に悩む農業にとって、外からの参入が増えることは再生のきっかけになるだろう。

いまの農業に欠けるのは効率的な経営管理。経費と利益すら把握できないようでは「もうかる農業」などおぼつかない。だから企業参入は再生の大きな柱になる。だが「自然」という農業特有の課題は企業にも立ちはだかる。  カイワレ
やトマトやパプリカのように、工場のような施設でつくれるなら、規則正しい働き方も可能だろう。だが多くの作物はいまも「お日さま」という無償のエネルギーに依存する。人の思い通りにならない自然といかにうまくつき合うかが、今後も農業で成功するためのカギをにぎる。

資本力のある企業の参入は、これからの農業には間違いなく必要だ。では企業の持つ様々な経営資源をどう農業にアレンジするか。山田が目指す生産者のグループ化を、もっと大規模に進めるのも1つの手だろう。いまのところ成果に乏しいが、IT技術を本格的に農業に活用することも可能になるかもしれない。いずれにせよ、「農業は遅れている」という先入観だけ抱いて参入すれば、多くの企業はやけどを負う。

 

 

posted by タマラオ at 06:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/93971140

この記事へのトラックバック