2014年03月24日

快進撃・アップル社支える「日の丸工場」の底力   No2

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「この仕事を受けた理由は、いずれIT関係の時代がくるんじゃないかという考えもありました。ただ、当時はパソコンといえばウィンドウズ。アップル社の名はあまり知られてなかったと思う」 01年11月、日米欧で同時発売されたiPodは、いうまでもなく大ヒットし、「目に見えて量産体制に入った」。参入する磨き職人も急増した。

「磨き屋さんは『自分の技術が一番』という我の強い人が多く、また人数が増えた分、ばらつきが出て不良品が増えた。これではダメだから、最低限のレベルを保つためにマニュアルをきちっとつくって教えた。これで歩留まりが非常によくなって、新たに参加しやすくなった」 3年経つと、いよいよ人手が足りなくなって、素人の派遣社員に一工程ずつ指導、投入することも検討したという。

「東陽さんは中国の工場で研磨を始めた。我々も30人ほど、市の助成金を頂いて現地を視察しましたが、大勢の人が1〜2工程ずつ流れ作業でやっていた。職人ではなく工員という発想。そうやって、鍋でも何でも燕の製品のほとんどは中国でもつくられるようになってきたんだね」 約2年をかけて、iPodの研磨はすべて中国へ移管された。「その間、5年半で計6000万個を磨いたときいています」。

現在、シンジケートでは富士重工業のジェット機の翼の研磨も手掛ける。国内大手の薄型携帯電話の仕事も入っていたが、一人一工程の量産品は、若い職人の技術向上が望めないとの理由から、受注をやめる決断を下したという。
磨き職人は高齢化に加え、きつい仕事だとして、若年層からは敬遠されているという。しかし、コピーしかできない工員ではなく、よりいいものを追求する職人であり続けることが、しぶとく生き残る道だと彼らは確信しているようだ。

売上高の約7割がアップル社向け
大阪・池田市に本社を構える銭屋アルミニウム製作所は、その名の通り自動車やIT関連のアルミ製品が主力。リストに掲載された企業の中でも売上高に占めるアップル社の比率が約7割(民間調査会社調べ)と格段に高い。アップル社の快進撃に牽引され、11年9月期の売上高は162億円と、2期前に比べ7割増で過去最高となった。取材については「すべてお断りしています」と慎重だ。金属加工業界に詳しい人によれば、銭屋アルミニウム製作所。

社名の由来は、江戸末期の鎖国体制下で米露や香港とひそかに交易したという豪商、銭屋五兵衛。グループ会社のつくる浮標・標識灯は独壇場だ。鍋づくりの特殊な技術を生かし、自動車や電車の部品を手がける。「戦前、創業者が堺市で個人商店を立ち上げたのが始まり。アルミ製の鍋ややかんなどの大手だったが、IT関連製品などのビジネスに移行。パソコンやデジタルカメラの金属ケースなどを手掛けるようになった。プレスの優れた技術を持っていて、基本的に軽圧業者から板を買ってプレスをかけ、製品化している」

グループ会社の一つ、ゼニライトブイは、現在の浮標(ブイ)の原点とされる標識灯を開発。「国土交通省や海上保安庁、大手ゼネコンにも納めている」(民間調査会社調査マン)という。日本アルミニウム協会(本部・東京都)の大阪支部によれば、「大阪・関西地域のアルミ関連企業は中堅企業が多いのが特徴」という。アルミ加工には、板をつくる圧延工程と、アルミサッシに代表される押出工程(プレス加工)の2種類があるが、関西のメーカーでは、板製品・押出製品ともに独自の技術を売り物とする企業が目立つ。押出の場合は、金型の技術と強く結びついているのが特色だ。

「日本の金型技術、特に精密加工の分野は非常に高水準で、中国・韓国・台湾の先を行く。大阪・関西地域の多くの企業は、そういうレベルの高い精密加工を行っている」(同)  銭屋アルミもその一つというわけだ。

 

 

posted by タマラオ at 04:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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