2014年02月17日

こんな人生の歩き方  No10

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ファッションに興味があって東京で服飾デザイナーになる勉強をした後藤が、なぜイラストレーターになったのか。 「デザインの勉強はすごく充実していました。気持ちがイラストレーターへ向いたのは、就職活動のときです。普通なら卒業してアパレル企業に就職するのですが、洋服のデザインは現実に服になって人々が着るというのが、なんだか残念な気がしてきたのです。 服飾デザイナーはどんな素材を使ってどういう用途の服を作るかという服作りの仕事です。

夢を形のあるものにする。でも洋服にすることを前提としないデザイン画やイラストなら、そこに描かれた夢が夢のままです。その点に何より魅力を感じました。それでイラストだけに的を絞ろうと思ったのです」 この思いは決して一時的なものではなかった。周りは正攻法をとってアパレル関係に就職したが、後藤は違う道を選んだ。アルバイトをかけもちしながら、家でイラストを描きまくる日々を送った。仲間も師もいない霧につつまれた道だった。

後藤のイラストの技術の高さと、「とにかく、一刻も早く仕事をつかみたい」という募る思いは、大きな幸運を呼び寄せた。 ある日、有名セレクトショップ、バーニーズ・ニューヨークの日本支店に自ら売り込みに行った。同店は、ショーウインドーのディスプレイで常に注目を集めていた。後藤は以前から足しげく通ってショーウインドーを眺めては「ここに自分のイラストを飾れたら」と憧れていたのだった。 自分の作品を見てほしいという売り込みというのは、とかく敬遠されがちだ。

それが名の知れた企業なら、なおさらのこと。しかし、同店ディスプレイの担当者は後藤に幸いにも会ってくれた。 そして、後藤のイラストの風合いとぴったり合う洋服を近く飾ることになっているので、まずは描いてみてくださいと後藤にチャンスをくれた。1カ月かけて仕上げた作品は担当者の期待通りで、見事に採用された。後藤さんのデビュー作。新宿と横浜のバーニーズ・ニューヨークのショーウインドーを、後藤さんのイラストが埋め尽くした

東京からニューヨークへ飛び出す
大作でデビューした後藤は、実は大きな目標を持っていた。それはニューヨークに行って、仕事をつかむことだった。 時間が前後するが、まだ在学中で洋服のデザイナーか、雑誌や広告などを飾るイラストレーターかと悩んでいたころ、後藤はニューヨークに住むイラストレーターのルーベン・トレド(妻のイザベル・トレドもファッションデザイナーとして有名。参考: Isabel and Ruben
Toledo)に手紙を送った。 トレドは当時すでに超売れっ子で、創刊したばかりの雑誌『ヴォーグニッポン』にも作品を載せていた。

後藤はトレドを知った瞬間から強く惹かれていて、彼の作品集をいつも傍らに置いていたほどファンだった。 「周りに全然相談相手がいなくて、そんなときに『ヴォーグニッポン』を見て、あっルーベンさんが描いている! って思って。そんな大御所に意見を聞いてみるのは大それているとか、全然考えませんでした。自分の将来を決めなくてはと必死だったのだと思います」 トレドは非常に誠実だった。数週間して後藤に返事をくれたのだ。

 

 

posted by タマラオ at 05:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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