2015年09月11日

浅野屋3代目 浅野まきさん No4

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浅野さんのリクエストを、全員が頭をひねって商品化したのだ。銀座の和菓子屋、曙4代目の細野佳代さん(参考記事は、こちら)も、「自分の目標があると、『こうしたら、うまくいくのでは』と社員にしつこく何度も伝えることで、達成できるものです」と言っていた。2人の跡取り娘のマネジメント手法は、よく似ているようだ。 「父は、やれと言ったらトップダウンで指示する。私の場合は、しつこくみんなにリクエストするのです。協調的なのでしょうか」

浅野さんの代になってから商品開発にも力を入れ、店の棚に並ぶパンの数は格段に増えた。今は定番が30種類。店頭には常に60〜80種類の商品が並ぶ。 情報共有の際に一番大事なのは、「悪いことほど、早めに報告すること」だそうだ。「お釣りの計算ミス、商品入れ忘れなどのクレームは、どんな小さなことでも、メールで全員が情報共有するようにしています。メールなら、言った言わないというトラブルもない。もちろん現場でも話をしますが、すぐにメールを全員に送ります」

父の時代は、良いことはすぐ上に報告するが、良くないことは報告が遅れることが多かった。浅野さんの代になり、風通しがよくなったのだ。 情報共有にこだわるのは、日々の改善意識があるためだ。売り上げの数字は毎日上がってくる。時間当たり、どれだけの人が何を買ったかすぐに分かる。非効率的な部分を正せば、売り上げは確実に上がる。 「軽井沢の繁忙期には、1日何千人ものお客様がいらっしゃいますが、冬は100人以下になることも。

どうすれば全店舗で効率よく売り上げられるか、常に改善を考えています」と浅野さん。浅野屋は対面販売だ。現場の失敗から学び、情報を共有し、具体的な改善点を整理してマニュアルに落として共有する。例えば銀座松屋店は、リニューアルで店舗面積は小さくなったが、収益は上がった。 「レジの場所など店内レイアウトを変えるとか、袋やトング(パンを挟む道具)などの販売用ツールをどこにしまうかなど、小さな工夫を積み重ねていくのです」

東京ミッドタウン店の3台のレジは可動式で、客数に合わせて移動できる。これには浅野さんは設計段階から加わり、「番重(パンを入れるプラスチック製コンテナ)が何枚積めるかにこだわった」という。パンの焼き上がり時間をずらし、焼き立てを提供できるよう、ストックできる番重の枚数が効率化とサービス向上につながる。 今までの店舗での試行錯誤が、自由が丘店と東京ミッドタウン店には生かされているのだ。効率を考え抜かれた店内レイアウトなら、製造も販売も確実にやりやすくなり、顧客満足度につながる。

「1回来ていただいたお客様に、残念な思いはさせたくない。『常に正確に早く』が基本です。こういった訓示を朝礼で唱和したりはしませんが、スタッフがミスをしたら、そのたびに必ず確実にやり直すように指導します」 ブランディング戦略としては、父の時代から「軽井沢レザン」などでイメージ構築していた「軽井沢色」をいっそう強く打ち出す。「軽井沢シリーズの一環として、量り売りのパンは軽井沢ショコラ、軽井沢キャラメルなどブランド化しています。東京ミッドタウン店のブラッスリーでも、信州豚のグリル、軽井沢ベーコンや星野温泉の地ビールを出しています」

パンを運ぶ男性が浅野屋のロゴマーク
浅野屋のシンボルである「おじさんマーク」も、キャラクターとして生かすため、パンの袋にデザインした。ブランドマーク袋を持った人がいれば、認知度アップにつながる。自由が丘店開業時には、白地に赤のマークのトートバッグをノベルティとして配った。「東京ミッドタウン店では、ノベルティのバッグは黒地に金にしました。シックにしたかったのと、今年は“シャイニー系(光り物)”が流行ですから」。さすが浅野さん。おっしゃるとおり、ファッション業界では、2007年の靴やバッグはゴールドが流行なのだ。

 

 

posted by タマラオ at 05:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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