2015年07月23日

人口激減の救世主“海のギャング”の魅力 No3

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うつぼを食べる習慣が広まったきっかけは、そもそも「物々交換」だったらしい。須崎市池の浦の漁師たちがクエ漁に出かけたついでに網にかかっていたのが、うつぼ。クエといえば高級魚。かかれば一攫千金の魚だが、まったく獲れずに、雑魚のうつぼばかりかかる日もある。そこで市場で売れないうつぼを持って、農業で潤っていた土佐市戸波(へわ)へ向かった。米と物々交換してもらうためだ。しかし、うつぼを見たこともなかった戸波のひとびとは言った。「こんなヘビみたいなもの食えるか!」正しいリアクションである。そこで、須崎
では、うつぼを棒にぐるぐる巻きにしてたき火で焼いて食べる風習があることを教えた。さっそく試してみた戸波の人々は、「これはうまい!」と、うつぼを好んで食べるようになったという。そして、次第に高知県全エリアで、うつぼグルメがブレイク。当初は雑魚扱いだった、うつぼは、どんどん価値があがり、いまでは「高級魚」になってしまった。ちなみに、日本各地ではおおむね、うつぼは雑魚。高知だけの珍現象である。

「じゃあ今度家で料理してみようかな…?」そんな軽い気持ちじゃ食べられない大問題が!
そんなに美味しいならばもっと食べられてもいいはずだ。釣りをする友人は「うつぼは、よくひっかかるけど、そんな外道は海に戻す」と言っていたのを思い出した。今度持ってきてもらって料理してみようかな。「とんでもない!」と森光さん。「家ではムリです」。じつは、うつぼが他県でほとんど食べられていない理由がここにあった。うつぼをさばくのは大変な作業なのだ。さばくのが大変な魚といえば「ハモ」があるが「その比じゃありません」(森光さん)。

高知県でも流通しているのは、さばいたあとの加工品。生のうつぼがスーパーに並んでいるわけではない。ごく限られた、高い技術を持った職人や料理人の技によって、うつぼは「食べること」が可能になっているのだ。うつぼ学会員たるもの、うつぼをさばけねばなるまい。森光さんも「うつぼさばき名人」に弟子入りして修業した。名人のなかには、その技術を公開しないひともいるらしい。撮影も禁止されることがあるくらいの企業秘密。「秘伝の技」なのだ。

なにせ、1匹をさばくのにかかる時間はベテランの職人でも約20分はかかり、さばけるようになるまでには2年以上の月日を要し、さばけるようになってもブランクがあると「あれ……?」と、さばき方がわからなくなるくらい至難の業なのだ。

「コンスタントにさばいていないと、1時間近く格闘することになってしまうほどです。そりゃもう大変です」と森光さんは語る。うつぼを食べる風習はないけれど、獲れはするので有効利用したい、と須崎に視察にやってくる団体もいるという。しかし、なかなか難しいらしい。要はさばく技術を身につけるのが大変だからだ。そして、この大変な技術を有する職人が、須崎市内には多く存在する。


衝撃!うつぼをさばく秘密兵器は“あの家電”だった うつぼ。やっぱりグロテスクで怖いです…「怖そうな顔をした、ヘビみたいなグロテスクな生きもの」 普通の人にとってはそんなイメージが強い存
在、うつぼ。しかし、高知県人はみな「あんなに美味しいものはない」と口を揃えるほど、高知の老若男女に愛されている。その「局地的うつぼ愛」は前回お伝えしたとおりだ。「そんなにおいしいなら今度、家でさばいてみようかな…」とつぶやいていたら、高知県須崎市の水産加工会社「みなみ丸」のオーナーでもある森光貴男さんから思わぬ答えが返ってきた。

「とんでもない!家ではムリです。さばけるようになるまでには2年以上の“修行”が必要です」(森光さん)ますますミステリアスになるうつぼ……一体どんなさばかれ方をしているのだろうか。高知県須崎市にいる熟練のさばき技を持つ職人を尋ねることにした。

 

 

posted by タマラオ at 06:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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