2015年04月02日

原油安で大打撃!丸紅と住友商事を分析する No2

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まずは、中長期的な安全性を示す自己資本比率(純資産÷資産)を見てみましょう。
丸紅の貸借対照表(9ページ参照)を見ると21.5%。
http://www.marubeni.co.jp/ir/reports/earnings/data/MARU_1412_tanshin_jpn.pdf
住友商事(5ページ参照)は29.5%。比較的高い水準です。
http://www.sumitomocorp.co.jp/files/topics/28294_ext_01_0.pdf

続いて、短期的な安全性を調べるための流動比率(流動資産÷流動負債)を計算しますと、丸紅は117.5%、住友商事は155.9%。商社の場合、120%前後あれば十分ですから、2社ともに安全水域に入っていると言えます。今期に減損損失が出たとしても、その後も大きな損失が続くということでなければ、短期的・中長期的な安全性には全く問題ありません。そもそも、商社は市況商品を扱っていますから、こういった価格変動の可能性があることはある程度織り込んだ経営をしているはずです。確かに今回は、原油がここまで急速に下落するとは思っていなかったでしょうが、他の事業でバランスが取れるようにポートフォリオを組んでいますから、当面、安全性が揺らぐことはありません。

これから原油価格はどうなる?
では、2社の先行きを考えてみましょう。そのためには、巨額損失の原因である原油価格の動向を見極める必要があります。なぜ、今、原油価格が下がり続けているのでしょうか。直接的な原因は、世界最大の産油国の一つであるサウジアラビアが、原油の減産に応じないことです。ではなぜ、サウジが減産に応じないのか。その理由は主に三つあると言われています。一つは、米国で産出される安価なシェールオイルに対抗するためです。

シェールオイルは、年々シェアを拡大し続けてきました。ただ、シェールオイルは発掘コストが高いため、原油価格が下がれば、新規開発が抑え込まれるとサウジは考えているのです。続いて、短期的な安全性を調べるための流動比率(流動資産÷流動負債)を計算しますと、丸紅は117.5%、住友商事は155.9%。商社の場合、120%前後あれば十分ですから、2社ともに安全水域に入っていると言えます。

今期に減損損失が出たとしても、その後も大きな損失が続くということでなければ、短期的・中長期的な安全性には全く問題ありません。そもそも、商社は市況商品を扱っていますから、こういった価格変動の可能性があることはある程度織り込んだ経営をしているはずです。確かに今回は、原油がここまで急速に下落するとは思っていなかったでしょうが、他の事業でバランスが取れるようにポートフォリオを組んでいますから、当面、安全性が揺らぐことはありません。

これから原油価格はどうなる?
では、2社の先行きを考えてみましょう。そのためには、巨額損失の原因である原油価格の動向を見極める必要があります。一方で、市場は中国をはじめとして、新興国の成長鈍化などから世界的な原油の供給過剰が続いていました。そういった中、石油輸出国機構(OPEC)総会で減産の有無が審議された時、サウジが「ここで減産すれば、シェールオイルにシェアを奪われる」と猛反発したのです。

そして、シェールオイルの産出が増えると、サウジを含むOPECの「石油市場をコントロールする力」が落ちることにも繋がります。サウジはこれを阻止したいという思惑もあります。二つめは、過激派組織「イスラム国」やイランへ流れる資金を減らすことです。彼らの資金源は原油です。もし原油価格が高止まりしていますと、その利益で、武器の輸入が増えたり、イランでの核開発が進む恐れがあります。サウジや近隣諸国の体制維持、そして中東の安定のためにも、こうした動きを防ごうとしているのです。

三つめは、米国の中東への関心を維持させることです。もし、このままシェールオイルの生産量が増え続けますと、米国が自国だけでもエネルギーを賄えるようになってきます。すると、米国はエネルギー資源の中東への依存度が低下するわけです。米国と友好関係を結ぶサウジとしては、こうした状況に至ることを非常に恐れています。サウジの周辺には、米国と敵対関係にあるイスラム国、核開発問題を抱えるイランがありますから、彼らを牽制するためにも米国の存在は絶対に必要です。米国の関心が薄れれば、中東情勢が不安定になる恐れがあるのです。

 

 

posted by タマラオ at 06:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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