2015年03月28日

シンガポール建国の父が語った「日本への警鐘」    No2

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問 日本には米国株をバブルとみる向きも多いのですが。

答 もちろん利益に対する期待の方が大きいため実態以上に膨らんだ数字でしょう。しかし同時に、アメリカ人が、いかに市場や市場参加者の認識に企業の価値を決めさせてきたかの証でもあります。 重要なのは、市場からのシグナルを見逃さないことです。例えば、日本企業でもソニーのような企業は、すでにそのことをよく知っているようです。ソニーは組織のリストラを決めましたが、それはただ単に気の利いた新製品を作ることに専念するためではないでしょう。

すべての製品がデジタル化されるという流れを読み、それによって、テレビだろうが、電話だろうが、電子レンジだろうが、冷蔵庫だろうが、あらゆる製品にコンピューターを装備して、1つのセンターから集中的に管理できるようにするためなのです。
ソニーにそうした改革ができるのは、米国で業務を幅広く展開し、米国人と常に交流を行ってきたからだと思います。どこかで読んだ話ですが、1995年に米コンサルタントが、(現社長の)出井(伸之)さんや(現会長の)大賀(典雄)さんなど首脳陣に、その年のアメリカのパソコンの販売台数がテレビを抜いたと話をした時、出井さんは、「ちょっと待った。もう一度言ってくれ」と言ったそうです。

パソコンがテレビより売れているとしたら、パソコンを動かす「デジタル」の世界はテレビより重要だということになります。それで彼は4年間ソニーの置かれた位置を考えて、リストラ計画を発表したのでしょう。東芝や松下電器産業もソニーの後に続いているようですから、日本企業も教訓に学びつつあるように思えます。日本企業にとって難しいのは、ダウンサイジングの速度を速めることでしょうか。だから日本の企業は赤字続きなんだろうと思います。

しかし、これから先、技術がますます速く変化するようになると、労働力を素早く、より重要な分野に移動させなければなりません。(国全体での)労働力の流動化はグローバル化に素早く適応するためには不可欠です。

あらゆる面でトップの座にある米国
問 先ほど米国のシステムに言及されましたが、米国は会計、銀行、企業統治(コーポレート・ガバナンス)など様々な分野で世界標準(グローバルスタンダード)を作り上げています。最近では、インターネット技術と英語も加わりつつあります。こうした流れは不可避でしょうか。そして望ましいことでしょうか。

シンガポールはアジアで随一の国際競争力を獲得した (画像あり)
答 望ましいかどうかは分かりません。ただはっきりしているのは米国があらゆる面でトップの座にあるということです。彼らは自分でルールを作るだけの経済力を持っており、実際にルールを作りました。 もし米国市場に参加したければ、彼らのルールに従うしかありません。米国は世界最大の資本市場を持っているため、欧州や日本の企業がニューヨーク証券取引所に上場するには米国の会計基準や情報公開基準に従うしかなく、英語で財務諸表を作成しなければなりません。

それが現実です。 さらに米国は、ほとんど偶然にですが、インターネットという大きな武器も獲得しました。ネット上の公用語が英語のため、莫大な量の情報が母国語で入手できます。これは他の言語にはないことです。英語に堪能でない人はその分不利になってしまいます。 インテル会長のアンドリュー・グローブ氏の話はご存じですか。彼は前立腺ガンを患っています。米フォーチュン誌に彼のことが出ていましたが、彼は自分の病気の治療法を決めるのに、まずインターネットで前立腺ガンの最新研究をダウンロードし、医者と治療法について話し合ったそうです。

この医学データはすべて英語でのみ手に入るものなのです。英語ができなければ、同じ情報を手に入れるためにおそらく10倍も時間がかかるでしょう。このインターネットというまぐれ当たりのおかげで、アメリカ人は大きな優位性、競争上の優位性を獲得したのです。

どこへ行くにもパソコンを持参
問 リー上級相はインターネットやパソコンについてずいぶん詳しいですね。ご自身でも使われるのですか。

答 (かたわらのノート型パソコンを指さして)私はどこへ行くにもこのパソコンを持って行くんです。というのも、常に連絡を取っているからです。このインタビューの直前にもeメールで2つほど返事を出しました。 もっとも使い始めたのは、ほんの5年前ですがね。当時から、若い大臣たちはお互いにeメールでメッセージのやり取りをしていたんですよ。私への連絡事項はファクスから流れて来ていたのですが、それだととても遅い。返事を出すにも手書きですしね。それで遅ればせながら若い人たちの仲間に加わったわけです。

 

 

posted by タマラオ at 07:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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