2015年03月14日

香港の子育て環境 No2

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今も社長として組織を引っ張る立場だ。 「昨年、娘が子供を産んで仕事を辞めようと考えていた。すると職場の同僚から『あなたの能力を活かさないのはもったいない』と言われ、復帰を決意した。替え難い能力があるのならそれを発揮すべし。家事や育児には代行できる人がいるというのがこちらの考え」と語る。香港では、外国人家事労働者に任せるという習慣が根づいており、香港に住む日本人もその環境を積極的に活用している。

香港に長く住まないと受け入れられないかというと、そんなことはない。Cさんは3年前、夫の転勤を機に2歳の子供とともに日本から香港へやってきた。日本では都市部に住み、職場復帰を試みるも認可保育園の抽選に外れて認可外の保育所に預けることになった。だが、費用がかさむため、職場復帰を断念して子育てに専念していた。香港に来てからは、外国人家事労働者の存在を知り、エージェントを介してフィリピンから来た家事労働者と契約。2年前から日系企業の事務職として仕事を再開できた。

「子供を預けることに不安はあった。同じ空間に外国の家事労働者がいるという点で違和感を覚えたが、時間が経つに連れて気にならなくなった。適度な距離感を覚えるのがコツ。今は彼女に家事のすべてを任せている」 香港在住の日本人にも受け入れられている外国人家事労働者。この制度を日本にも持ち込もうという動きがある。

安倍内閣「外国人家事労働者受け入れ」を検討
安倍晋三内閣は女性の就労支援を表明し、対策の1つとして外国人家事労働者の受け入れを検討し、注目が集まっている。昨年4月、安倍首相は自らが手掛けた経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議において、女性の就労機会の増加のために家事などの分野で外国人労働者の受け入れを検討するよう指示を出した。10月には外国人家事支援人材の受け入れも含めた国家戦略特区の改正法案を閣議決定した。

昨秋の臨時国会では、解散によって法改正は実現できなかったが、今国会で成立する可能性がある。従来、家事労働者として就労ビザが認められるのは在日本の大使館向けなど、一部に限られていた。その規制を緩和して海外から家事労働者を招き入れるというものだ。家事支援会社に就職し、業務を特定して来日する外国人に入国や在留の資格を与える。 

人口減少で労働力が減る分を補うには、女性の社会進出は必須だ。だが、現状は育児や家事により、女性の社会進出が妨げられている。それを打破すべく、外国人家事労働者を受け入れられる特区を創設するというものだ。 しかし、香港やシンガポールといった外国人家事労働者受け入れの先進国では一般化したものでも、日本で定着させるにはいくつかの障壁があると感じる。大きく言えば法律とインフラ、そして受け入れる国民の意識という3つの壁がある。

就労ビザと永住権問題
香港では外国人家事労働者に対して、特別な就労ビザが認められている。家事労働者として入国を許されるのであって、転職の自由はない。家族の帯同も禁止だ。2年後に契約が更新されればビザの延長が認められるが、更新されなければ2週間以内に新たな雇い主を見つける必要がある。見つからなければ、本国へ帰らなければならない厳しいルールがある。さらに、彼女たちに認められていないのが、永住権だ。香港では7年間暮らしていれば永住権が認められる。だが、それが彼女らには認められていない(※1987年以降)。

過去にも、20年以上家事労働者として従事したフィリピン人女性2人が、永住権を求めて政府に訴えたことがある。一審では認められたものの、2013年に香港の最高裁判所に当たる終審法院が訴えを退け、外国人家事労働者たちには永住権を認めないことが明確になった。永住権を付与すると、家事労働者が本国から親戚などを呼び集めかねない。そうなると狭い香港は一気にパンクしてしまう。日本が外国から家事労働者を招き入れるのであれば、ビザや永住権などをどれだけ明確に定められるかが課題になってくる。

 

 

posted by タマラオ at 07:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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