2015年03月13日

香港の子育て環境 No1

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http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20150217/277608/

国境を越えて見る光景は、その地で暮らす人々にとっては当たり前のものであっても、不慣れな来訪者には驚きをもって迎え入れられる。今年1月から香港に赴任し、まさにその光景に出くわした。 場所は香港島の経済の中心地である中環(セントラル)。金融機関の多くが拠点を構え、高級なブティックが立ち並ぶこの地は、東京でいう丸の内エリアのようなものだ。昨秋に香港の大学生が行政長官の選挙制度改革を訴えて道路を占拠した場所としても記憶に新しい。

階段は人が歩くのが困難に……
その中心街が、日曜ともなると異国の女性たちに「占拠」される。占拠というと大げさだが、一見すると誤解してしまうほどの混雑ぶりだ。高層ビル群をつなぐ回廊に段ボールを敷き、座り込んで食事をしたり、談笑したりする光景が広がる。
彼女たちはホームレスではない。その多くがフィリピン人で、家事労働者としてのビザを得て、香港にやってきている。香港では家事労働者を阿媽(アマ)と呼び、住み込みで働く人も多い。

彼女たちにとって、日曜日と祝日は唯一の休日となる。とはいえ、日曜日は雇い主にとっても休日である場合が多い。家族とゆったり家で過ごす際には、彼女たちは家から出されてしまうケースもある。あるいは、同郷の仲間と共に休日を過ごすために町で集まるのだ。 中環の銀行は自国に送金する人や両替を希望する彼女たちであふれかえる。そして、お金をかけずに時間を過ごすために集まって談笑したりトランプゲームをしたりする。

3駅離れた銅鑼湾(コーズウェイベイ)では、また違った光景が広がる。駅から歩いてすぐにあるビクトリア公園はイスラム教徒の特徴であるブルカをかぶった女性で埋め尽くされる。かつてはフィリピンからの家事労働者が中心だったが、近年はインドネシア出身者が急増。統計数値によると、2011年にはインドネシア人女性が14万8013人で、フィリピン人女性の14万766人を上回っている。インドネシアから来た家事労働者の憩いの場が、ビクトリア公園だ。

ビクトリア公園にはインドネシアからの家事労働者が集結する
銅鑼湾は若者が集まる繁華街で、東京でいえば渋谷や原宿のような場所。隣接する公園という意味では、代々木公園が埋め尽くされているようなものかもしれない。ブルカをかぶるムスリム(イスラム教徒)の女性が目立つ

人口700万人で30万人の外国人家事労働者
香港には30万人近い外国人家事労働者がおり、ほとんどをインドネシア人とフィリピン人が占める。その歴史は英国統治時代の1973年から今に続いている(※1973年以前は中国の広東地域出身の女性が中心)。日本で家事労働者を雇うのは「一部のお金持ち」という印象だが、香港では中流家庭以上であれば珍しくない。広く一般的に受け入れられている。 気軽に家事労働者を雇うことができる理由、それは料金の安さだ。

月額にして約4000香港ドルで、円安になったとはいえ日本円にすれば6万円程度。夫婦が共働きすれば不可能な額ではない。 外国人家事労働者の受け入れが一般化することで享受できる最大のメリットは、女性の社会進出だろう。1990年代には40%台だった女性の労働参加率は年々上昇し、2001年には50%を超えた。2013年には54.5%と、生産年齢人口の半数以上の女性が働いている。住み込みで食事や洗濯などの家事はもちろん、子供の面倒も見てくれる家事労働者の存在は大きい。

日本ではいまだに、「子育て=親(特に母親)がすべき」という固定観念が強く残っている。食事を母親が作らない、あるいは夕食まで親がいないと、「子どもがかわいそう」「悪い影響を与える」「親が自分勝手」という厳しい視線が周囲から注がれがちだ。だが、香港では家事労働者を雇って任せることに、うしろめたさなどない。それは香港に昔から住む住民だけでなく、海外から移住してきた人はもちろん、日本から来た人にも当てはまる。

「家事労働者なしの生活は考えられない」
実際、香港で生活する日本人に話を聞いてみると、「家事労働者なしの生活は考えられない」と皆が口をそろえる。1980年代に香港に移り住んだAさん(50代)は語る。「朝起きたら朝食ができていて、出社して帰宅したら夕食が用意され、子供は宿題を終えている。夕食の片づけを任せられるので、その間を子供と遊んだり話したりする時間に充てられる」 Bさんも80年代に香港へ移り住んで働くママ。3人の子供を持つが、家事労働者を雇いながら仕事を続けてきた。

 

 

posted by タマラオ at 05:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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