2015年02月10日

海外向け医療ビジネスの皮算用 No2

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徳州会のような日本的な「ミドルコスト・ミドルサービス」は、著名な個人医にかかるほどの余裕はないが、公的医療に満足していない欧州の中流層に受ける可能性がある。「アジア内需」として日本の医療機関に新たなチャンスとなりそうなのが、中国やインドなど大人口国での中流層の急膨張だ。中国は13億人の人口のうち、1億5000万人程度が世帯年収250万円以上の中流層とされる。中流層はマイカーやマイホームを手に入れた今、「食の安全」や「医療」「老後」に関心を移しつつある。無農薬有機野菜を買うように安全で高度な医療を求め始めているのだ。

中国では医療も「日本」がブランド
そうした中流層の特徴は「メード・イン・チャイナ」への不信感だ。資生堂の化粧品でも中国生産品は買わず、わざわざ日本に旅行に来て買ったものを使用するように、医療についても日本の病院や医師に対する信頼や評価が高い。
すでに北京には日中友好病院の国際医療部のような日本人医師の駐在する病院もあるが、日本レベルの医療はまだ提供できていない。中国の中流層向けの医療サービスの潜在ニーズは極めて高いといってよい。

中国の病院は「中医(中国医療=漢方)」と「西医(西洋医療)」の折衷的な医療が多いが、中流層には中医不信が強い。さらに、「西医」であっても使う薬品が中国製の場合、まがいものが含まれるケースがあるため、なかなか信用しないのが普通だ。「日本の病院が西医中心で、日本から調達した薬品を処方することができればかなりの高額でも患者はいとわないだろう」と中国の医療関係者はみる。中国においては「日本」ブランドが今後の病院展開などで有効なのだ。

インドも中流層向けでは中国に近い市場性を持っているが、中流層の厚みや医療サービスへの支出は中国に比べ、まだ5〜10年は後れているとみていい。インドをはじめアジアの途上国向けには、より上流層の患者にターゲットを絞っていくのが経営的には適切だ。日本の病院設計や建設、運営のノウハウを生かし、現地にない近代的な病院を展開すれば、現地の公的医療保険の適用外でも患者を集めることができる。課題は日本からの医師などスタッフの派遣をどれだけ限定し、人件費などのコストを抑制できるかだ。

レントゲン写真やMRI、CTスキャンなどの解析が現地では難しいものは、インターネットを活用し、日本の病院で専門家に診てもらうなどITの活用が実は経営上、重要なカギを握ってくる可能性がある。日本の医療機関の海外進出は、ようやくスタート台についたばかりだが、グローバル市場で高レベルの医療サービスのニーズが拡大しているのを見れば、大きなチャンスがある。問題は海外で外国語を使って診療活動をしたり、スタッフのマネジメントができたりする人材の育成だ。商社や製薬会社の協力、大学との連携も欠かせない。

 

 

posted by タマラオ at 05:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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