2015年01月26日

安い海外農産物の攻勢をチャンスに変えたオランダ

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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42466

日本のスーパーでもお目にかかる、赤、黄、緑の巨大なピーマン。原産国がオランダであることが多い。また、花屋の店先へ行けば、オランダ産と記された球根や「アムステルダム直送」などという札がついた生花が美しくアレンジされているのを見かけることもあるだろう。

オランダを農業輸出額世界第2位にした推進力とは
日本の九州とほぼ同じ面積しかない小国のオランダは、不毛といわれる岩塩混じりの土壌を持ち、北海からの強風が常に本土へ吹き寄せ、曇天がほぼ1年中続くという、お世辞にも農業に適しているとは言い難い国である。北ホラント州の農地。この地から、農作物が世界へ向けて輸出される   ところが、農産物の輸出額は、なんと米国に次ぐ世界第2位(約773億ドル:CBS・オランダ中央統計省2013年度調べ)なのだ。

輸出額が特に多いのは畜産製品(肉、乳製品)、トマトやピーマンなどの野菜、そして生花球根、植木などの園芸植物である。 2008年のリーマンショックの影響で生じた経済危機による不況から回復の兆しがない悲観的な状況であるにもかかわらず、農作物の輸出額に限っては、順調に伸び続けている。 特に生花の出荷率は、昨年の同時期と比較すると、約3%も増加している(CBS・オランダ中央統計省2014年度調べ)。

農産物輸出額世界第2位の地位をこの国にもたらしたのは、「スマートアグリ」の導入によるところが大きい。農業従事者たちがコンピューターを使い、ビニールハウス内の温度、湿度、二酸化炭素の濃度、そして地中の温度などをITによって管理する方法だ。10色以上の色を持つといわれるピーマンを育てる農家。管理はすべて、スマートアグリによるコンピューター制御で行われる   実はこのスマートアグリが従来の農業にとって代わることになったのには、理由がある。

1980年代終盤、スペイン、ポルトガル、ギリシアなど、南欧の気候風土を生かし大量生産された安価な農産物がオランダへ大量に輸入されるようになり、国産物の売れ行きががた落ちしたことがあった。 従来のオーソドックスなオランダの農業法では、量産の面からして、とうてい太刀打ちできない。そんな中、農業従事者たちがたどり着いた考えは、国産農産物を効率よく大量生産させることだった。そのためには、不毛に近い土壌、悪天候等のマイナス要素をプラスに変えるための方法を編み出さねばならない。

搾乳もコンピューター機能をフルに活用した方法を用いている。写真は、最新システムを導入した酪農家のもとで体験学習をする小学生たち。 そこで農業従事者たちは協同組合を結成する。この組合で、経験を基にお互いのアイデアを交換しつつ、試行錯誤を繰り返しながら、結果としてIT技術を用いた農作物の徹底的管理法の導入に踏み切ったのだ。 オランダのスマートアグリは、農業従事者たちがオランダ東南部・ワーヘニンゲン大学の研究者たちの助けを借りながら、自ら開発し導入したものである。導入に伴う資金調達も、大手金融機関からの工面によるものだ。

つまり、スマートアグリ導入は、国の提案によるものではなく、農業従事者たちの経験と研究が実を結び、実現に至ったものと言えよう。 その結果として収獲量が増大し、輸出量が世界第2位となったことが農林省に正式に認められ、昨年から農業従事者への資金支援が政府によって約束されることになった。

生花の生産から販売・流通までを支えるIT化
オランダといえば、チューリップを思い浮かべる方も多いだろう。国花でもあるチューリップに代表されるような、生花の輸出量を世界一の座に押し上げたのも、やはりスマートアグリによるものだと言える。

園芸はもともとオランダの主要産業のひとつだった。
特に生花、球根、植木の輸出量は、過去10年の間に軒並み上昇傾向を辿っているが、政府はそれを見越して、園芸を専門とする農家の協同組合に対し、援助資金調達をすでに1990年に開始していたという。 これにより、生花の生育や流通システムのIT化が一挙に進むことになったわけだ。  生花店にて。花や観葉植物は、暗く長いオランダの冬の間、部屋を明るくするインテリアとして欠かせない存在でもある

 

 

posted by タマラオ at 05:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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