2014年11月21日

村人を殺す工場の排ガス No3

018.JPG
絶大な公権力の前では非力な村民たちは何することもできず、強制的な土地収用に従うことを余儀なくされたのだった。こうした経緯を経て建設された桐梓煤化工の工場が2012年1月に試運転を終えて操業を始めると、次に油草村を襲ったのが工場から排出される有毒ガスだったのである。多数の村民が肺疾患や白血病、がんなどで早死にするとして桐梓県政府に窮状を訴えても、相手にされず、油草村の村民たちはただ耐えるしかない実情にある。

桐梓煤化工は今や桐梓県の経済を支える柱石であり、排出される有毒ガスによって油草村の村民が早死にすることなどは些細な問題に過ぎないのである。「政府は自己の業績が全てで、庶民の生死は考慮の外であり、役人は自己の出世のためだけに任務を果たし、自己の懐を温めるために勤務する」とは、良く言ったものである。俗に「“寧可?死, 不願餓死, 寧可薫死, 不願窮死(食
物を食べてむせても良いが、餓死はしたくない、裕福ならガス中毒で死んでも良いが、困窮で死にたくない)”」とも言う。

これらの言葉は現在の中国の現状を言い表している。過去数十年にわたって、中国の地方政府の多くは経済発展を最大の目標として掲げ、その代償として環境資源を犠牲にして来た。この結果、生態環境は日に日に悪化し、現在の救いようのない劣悪な環境状況をもたらした。これは地方政府が経済成長という近視眼的な物の見方に捉われ、生態環境を破壊し、庶民の健康を破壊したことに他ならない。

庶民の生死は考慮の外
中国政府“衛生部”の“陳竺”前部長は英国医学雑誌「The Lancet(外科手術で使う両刃のメス)」の2013年12月号に寄稿した文章の中で、中国では空気汚染により毎年50万人以上が早死にしていると述べた。また、英国放送協会(BBC)は2014年3月25日の放送で、“中国国務院発展研究中心”と“世界銀行”が共同で発表した報告書に基づき、空気汚染が引き起こす“過早死(早すぎる死)”と健康問題は、中国に毎年1000億元(約1兆7600億円)から3000億元(約5兆2800億円)の損失をもたらしていると報じた。

2014年9月20日に北京市で開催された生態問題に関する会議の席上、環境問題の専門家は、「中国経済の発展は環境と国民の利益を犠牲として得られたGDP成長によるものであり、国土に蔓延する深刻な汚染は全ての中国国民から逃れる場所を奪い、全国で6分毎に1人ががんと診断されている」と述べた。中国政府“環境保護部”が発表したある研究報告によれば、2013年に調査を受けた中国の74都市中で、環境保護部が規定した「“環境空気質量標準(環境空気品質基準)”」に適合したのはわずか3都市に過ぎなかった。

こうした現実を前にして、中国各地では汚染をまき散らす化学工場に対する抗議活動がますます活発化している。報道管制の厳しい中国ではこの種の抗議活動が報じられることはあまり多くないが、メディアが報じた大型抗議活動の例を挙げると以下の通り。

 

 

posted by タマラオ at 05:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/105805258

この記事へのトラックバック