2014年11月09日

中国はなぜ日本を超える経済大国になったのか? No5

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実際、中国は北京オリンピック後、不況になった。しかもタイミングの悪いことに、アメリカのバブル崩壊、いわゆる「リーマン・ショック」まで重なった。そのせいで2008年の中国は、経済成長率が6%まで落ち込み、失業率も4%を超えてしまった。経済成長率は、21世紀に入ってからはずっと10%を超える高度成長中だっただけに、この落ち込みはデカい。しかも失業率4%って日本並みだ。そこで中国政府は、2008年から「4兆元投資」という不況対策を始めた。

これは日本円にすると約64兆円規模という、信じられないスケールの大規模公共事業計画だ。加えて中国人民銀行(中国の中央銀行)が、中国にしてはかなり大胆な金融緩和(貸出金利を「7%→5%ちょい」ぐらいに下げた)を数年続けたせいで、中国の銀行は人民銀行から数年間「毎年8兆元前後」の金を借りまくった。この流れ、日本人なら胸騒ぎがするね。そう、バブルの予感だ。実際中国では、この後一気に不動産バブルが起こった。

マンションや別荘が売れまくり、豪華なテーマパークやショッピングモールが急増した。この流れは経済発展の遅れていた内陸部にも波及し、産業も何もないショボショボな町にいきなり場違いな豪華マンションやモールが出現し、あっという間に廃墟(=鬼城)と化したりもした。この辺は日本のバブルと似ているが、スケールが違う。さすが中国だ。他にもこの時期は、ちょうど中国でもIT化・モバイル化の波が押し寄せていた頃だったから、それらを使って一気に株式ブームにも火がついた。

確かにスマートフォンやネットは、株式投資とメチャ相性がいいもんね。あとよく耳にしたのが「理財商品」。これは銀行や中国版ノンバンク(地方融資平台。銀行規制をかいくぐる組織だから「シャドーバンキング」という)が扱う“短期・小口・高利回りの金融商品” だ。その中身は後述するけどサブプライム・ローンと同じ、あのアメリカ
バブルを弾けさせた元凶である、貸出債権を小口に証券化したようなものが多い。

“アメリカバブル崩壊の元凶” なんて聞くと、ああやっぱりバブルの国は危なっかしい投機に浮かれているなと思うかもしれないが、よくよく考えたら「短期で小口な商品」は、リスクヘッジ(回避)した結果生まれてきた、安全な商品のはずだ(「長期で大口」の方がどう考えても傷が深そうでしょ)。そう考えると、サブプライム・ローンがアメリカ経済をおかしくしたのは、単に低所得者向けのローンというものがヘッジしきれないほどリスキーだっただけであって、理財商品のすべてがヤバいということではない。

しかし、中国のマズいところは、銀行員がこの理財商品を「100%安全です。儲かります」と言っちゃうところだ。これはダメ。国民性なのかモラルの欠如なのかはわからないが、100%儲かる高利回りの金融商品なんてない。“低利・堅実”の金融商品・国債ですら、その国がデフォルト(債務不履行宣言)すればアウトだ。100%儲かるなんて、そんな魔法みたいなものがあるなら、今頃、隣国は13億人の富裕層であふれ返り、歯医者の待合室で金歯の順番待ちしながら「今度は本州でも買いに行きますか」とかウシャウシャ相談しているはずだ。

そんなわけだから、たまに理財商品の失敗があると、中国では大騒ぎになる。でも中国人は、こんなことではへこたれない。まだ世の中からは、バブルの臭いがプンプンしてくるからだ。そもそも中国にノンバンクができているあたり、まだまだ中国全体から金への執着心を感じる。バブルは気持ちいいくらい人間を欲望に忠実にする。今の中国は、すがすがしいほど醜い。それは間違いなく、かつての日本と同じ姿、つまり世界一の“拝金国家”の姿だ。

 

 

posted by タマラオ at 07:34 | Comment(3) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
中国はなぜ日本を超える経済大国になったのか?
の一連の記事を拝読させていただきました。

今、興味を持ち始めている内容でしたので勉強になりました。

ところで、No.2、No.4が抜けているように思われますが、私のたどり方が悪いのでしょうか?
Posted by patrick at 2014年11月11日 03:46
patrickさん、はじめまして
大変失礼しました。No2は、 http://blogs.yahoo.co.jp/genyou25/38805853.html
No4は、http://blogs.yahoo.co.jp/genyou25/38808117.html
をご覧ください。
Posted by タマラオ at 2014年11月11日 05:29
回答ありがとうございます。

拝読させていただきます。

Posted by patrick at 2014年11月12日 20:30
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