2014年10月28日

中国の新たな負け組    No2

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次の場面になると、男は首にギブスをしており、鼻の骨が折れている。 ジューさんは、自分が吊絲であるのは、工場労働者の息子だからだと話している。彼は富裕層2世を意味する「富二代」でもなければ、権力を持つ政府高官の息子を意味する「官二代」でもない(その2つの階層が概して重複することを、吊絲たちは見逃していない)。ジューさんと仲間の吊絲たちは、コネかカネがあれば、もっと良い大学に行き、もっといい仕事に就くことができたかもしれないと感じている。

平均以上の賃金をもらっても「負け組」と感じる理由
手取りの年収が8000ドル近いジューさんは、多くの中国人から見れば、楽々と中間層に向かって歩みを進めているように見えるだろう。上海の張江高科技園(張江ハイテクパーク)で働く人の中では低賃金の方だが、もっと稼ぎのいい人でさえ自分のことを吊絲と見なしたり、「IT労働者」と自称している。 彼らの給料は上海市内でも平均より高い(上海は2012年の1人当たりの年間平均可処分所得が4万元と、中国の都市部で3番目に高かった)が、成功者に見えるためにかかる費用は法外に高い。

豪華なマンションや格好いいクルマには全く手が届かない。彼らは、背が高く、金持ちでハンサムな「高帥富」になり、肌が白く、金持ちで美人な「白富美」の女性と結婚することを望めない賃金奴隷なのだ。 急速に発展している経済国では、これは極めて当たり前のことのように思えるかもしれない。しかし、北京の政府系シンクタンク、中国社会科学院の社会学者、張翼氏は、相対的な貧困を感じる吊絲の感情は、中国で拡大するある貧富の差から生じた厄介な結果だと話している。

張氏は、香港の衛星テレビ局、鳳凰衛視(フェニックステレビ)のウェブサイト上で吊絲を特集した特別インタビューで、下層階級の人たちは完全に疎外されていると感じていると結論付けた。彼らは、地位が少しでも上がり始める前よりも、いっそう希望が持てなくなっていると張氏は述べている。だが、この状況にもかかわらず、吊絲がマーケティング機会を提供していることに変わりはない。結局のところ、ターゲット市場を定義するのが難しいとしても、彼らの数は大金持ちの数よりもずっと多いからだ。

シューベルト・ヨウ氏は飲食店情報サイト「大衆点評網(dianping.com)」上でクーポンや団体割引サービスを提供して小規模都市の低所得者層(月給が150〜450ドル程度)を取り込もうとしている。ヨウ氏は、上海や北京のIT労働者が、真の吊絲であると考えてはいない。 だが、彼ら自身は、自分のことを吊絲であると考えていることが調査で示されている。昨年、在北京の調査会社、易観国際(アナリシス・インターナショナル)は、幅広い層のオフィスワーカーに、自分が吊絲であると考えているかを尋ねる調査を行った。

プログラマーとジャーナリストの9割以上、そして飲食業、サービス業、マーケティング関係に従事する約8割の労働者が自らを吊絲と考えていると答えた。自分が敗者であると考える回答者が最も少なかったのは、政府か共産党に勤めている公務員だった。

 

 

posted by タマラオ at 07:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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