2014年08月22日

エイズよりはるかに怖いエボラ出血熱、蔓延の兆し No2

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死体に触っただけで感染する強いウイルス
しかしエボラは患者の血液や唾液、排泄物、分泌液などから飛沫感染する。なかには患者の葬儀に参列した全員が感染したという報告もある。 これは遺体に触れて弔う習慣がある地域があるためで、この例からも分かるように、皮膚に触れただけで感染する感染症である。 さらに7月、米国人2人がリベリアで感染している。キリスト教の慈善団体である「サマリタンズ・パース」に所属するケント・ブラントリー医師と宣教師ナンシー・ライトボルさんは、防護服はもちろん、手袋、マスク、ゴーグルを着用していたにもかかわらず感染している。事態はかなり深刻なのだ。

ここでエボラについての基本事項を記したい。
病名の由来は、最初の男性患者の出身地がザイール(現コンゴ)のエボラ川付近であったことからエボラ出血熱と呼ばれるようになった。これまでは主にコンゴやスーダン、ガボンなどで発生している。 ガボン北部に生息するニシローランド・ゴリラの死体からエボラウイルスが検出されたことがあり、ゴリラや猿を食べた人たちがウイルスに感染したとの説がある一方で、コウモリによる感染も有力視されている。

エボラウイルスに感染すると、3週間以内の潜伏期間を経て発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛、下痢、嘔吐などの症状が出る。病状が進行すると、鼻や歯肉、皮膚、消化管などからも出血し、吐血、下血へ移行して半数以上の患者が死に至る。回復した場合でも後遺症が残ることが多い。 いまだに効果的な治療薬もワクチンも開発されていない。医学誌には動物実験でのワクチンと薬剤の効果が発表されているが、人間への臨床でしっかりしたデータが示された治療法はまだ確立されていない。

これまで、エボラのような絶大な感染力を持つウイルスの出現は散発的に終わることがほとんどだった。 と言うのも、人間を抹殺した後、ウイルスも死滅する運命を辿るからだ。エボラは死亡した遺体であっても他者に感染する力を持つが、アフリカの小村で発症した場合、村人全員の命を奪った後はウイルス自体も行き場を失ってしまう。種の保存という能力が低いだけに厄介なウイルス

ギニアのエボラ出血熱、伝統の葬儀で感染拡大か NPO  感染は拡大の一途〔AFPBB
News〕
ウイルスは動物のような脳を持たないが、一般的に生命体として生存し続けようとする本能がどこかに備わっていると思われる。 しかしエボラウイルスはその性状を欠落させているかに見える。種の保存という能力が著しく弱い。過去の流行が散発的だったのはそうした理由からだろう。 細菌との大きな違いは、ウイルスは必ず宿主に取りつくということだ。細菌のように2倍、4倍、8倍と自ら増殖する能力はない。 動物や植物の体内に入り、そこで爆発的に増え続ける。

宿主と共存するウイルスもあるが、エボラなどは宿主である人間の命を奪ってしまう。 筆者は日本人のエイズウイルス研究者を10年以上も追って拙著をしたためたことがある。エイズはウイルスが発見された1980年代、患者によって潜伏期間に差はあっても全員が死亡する感染症と位置づけられていた。 だが治療薬がいくつも登場して多剤併用療法が一般化し、ウイルスに感染してから30年経っても日常生活を送れるようになった。

薬剤は飲み続けなくてはいけないが、ウイルスを抑え込むことが可能になったのだ。何十年も発症させないでおくことを「治療」と呼ぶのであれば、エイズは恐れるに足りない感染症になった。 これまでエボラが散発的にしか発生してこなかったのは人類にしてみると幸いだった。その致死性の高さゆえ、エボラウイルスが長期的に蔓延することはないと思われていたからだ。

だが今回の流行は2月からすでに半年が経とうとしている。ナイジェリアで亡くなったソイヤーさんが乗った飛行機の乗客が、他国に移動し、そこで発症しないことを祈るだけである。

 

 

posted by タマラオ at 05:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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