2014年06月29日

世界が真似できない「日本の卵」の凄さ No4

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「雄鳥は普段、訳に立たないんだけど、いないと雌鳥の落ち着きがなくなるんです」と料理をつくってくれた美智子さんが説明してくれる。「大昔の話ですけど、野外に鶏を放していたのね。そしたら雄鳥がいない日は一晩で野鳥にやられてしまったことがあったの。あんな雄でも雌を守っていたのかもしれないなぁ、なんてって思って」ちなみに雄はたくさんいすぎても喧嘩をはじめるので、少ない方がいい、とのこと。このあたり、人間社会に照らし合わせするとどうだろう?

「農園から届けられる段ボールのなかに卵が入っているとやっぱり喜ばれますよ。野菜セット、食卓が豊かになるよね」魚住農園から卵だけを購入することはできない。他の有機農家と同じように「提携」という方法をとっているからだ。

提携とは日本の有機農業の初期からある考え方で、市場経済に振り回されがちなモノカルチャー農業ではなく、他品種少量栽培の有機農業に適したやり方を模索していくなかで生まれた。農業生産物を一般の市場に流すことなく生産者と消費者が直接つながる。その結果、生産者は収入の安定を図れるし、消費者は様々な旬の生産物を味わえるというメリットがある。また経済から食べ物を切り離すシステムでもある。

「先日のBBCからきた方も提携という言葉はご存知で、関心を持たれていました。どうやら日本的な考え方のように映るようです。提携というのは消費者に自分の農園を持ってもらうことです。普段は都会に暮らしていてもたまにはこうして来てもらって、里山の景色に触れるのもいいでしょ?」魚住さんはそういって笑う。「一年に一度、サポーター(提携している消費者)の方に手伝ってもらって、山の落ち葉拾いをします。落ち葉を発酵させて腐葉土にします。それは苗木を育てるのに使い、そのあと畑の土になるわけです。皆さんに集めてもらったこの落ち葉はお金で買うことができません」

ハウスのなかでは葉物野菜が育っていた。おいしい野菜を育てるには水と肥料を与えすぎないことが重要になる。その点は有機農業も慣行農業も同じだが、窒素過剰にならないように適切な量を調整することが技術だ

大規模化で「日本らしい味」は作れない “日本オリジナル”の模索へ
経済が世界的に行き詰まっているなかで、どうしたら幸せに暮らせるかを人々は真剣に考えはじめている。どこまでを経済という流れに預けるのがいいのか、それとも切り離すか。どうすればみんなが──ニワトリも含めて──幸せになれるのだろう。

「私は近代的なものや、経済そのものを否定しているわけではありません」と魚住さんは言う。「農業には機械を使いますし、消費者に野菜を運ぶ宅配業者のトラックだって必要です。ただ今のような消費者と生産者、あるいは自然との繋がりがすべて絶たれている現状には疑問があります。有機農業運動にはそうした社会を変えていく力があると思うのです」もう一度、冒頭の疑問を繰り返してみる。卵とはなんだろう?答えは簡単だ。卵とはニワトリが産み出した新しい命だ。

 

 

posted by タマラオ at 06:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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