2014年06月28日

世界が真似できない「日本の卵」の凄さ No3

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米と魚、それに野菜を食べて育つニワトリたちは、純日本風の食生活である。すべて国産品だけでつくられた献立なんて、贅沢なのかもしれない。この日はキャベツなどを与えたが、放り込むとニワトリたちは喜んで(いるように僕には見える)ついばむ。「大型の養鶏場だとクチバシを切ってしまうところがあるけれど、やっぱり餌をついばむにはクチバシがあったほうがいい。カブや大根などの固い野菜でも、クチバシがあればニワトリたちは問題なく食べてしまいます。

あとはミネラルを摂取させるために落ち葉などを発酵させた腐葉土も与えます」毎日、与える野菜のお陰で、ニワトリたちの体調は整う。野菜を食べることで、フンの匂いも和らぐのは、人間と一緒だ。ニワトリの足下にはもみ殻と腐葉土が敷かれているが、動き回るニワトリたちがそれを踏んでかき混ぜる。結果、落ちたフンなどがあわさって、発酵が進み、自然に分解される。だから鶏舎に悪臭はない。

「自然分解できる範囲の飼育数というのが重要。ニワトリたちがつくってくれる堆肥は作物を健康に育ててくれます。ニワトリも循環、自然のサイクルの一部なんです。卵はその副産物といっていい」日が差し込み、風が通るようになっている鶏舎。快適な環境がニワトリのストレス軽減に重要なのはいうまでもない 重要なのは薬を飲ませることでも、無菌状態に置く
ことでもなく、ニワトリを健康でストレスのない状態にすることだ。薬を投与しているわけではないので、サルモネラ菌による汚染の心配もないわけではない。抜き打ちの検査もしているが、目立ったトラブルはない。

サルモネラ菌とニワトリのストレスには相関関係がある。ストレスをかけないことがニワトリの免疫力を高めているのかもしれない。小屋の奥には産みたての卵があった。大きくなったニワトリの卵は大きく、若いニワトリの卵は小さく固い。ひとつひとつ違う形であり、新しい命なのだと思わされる。スーパーでパック詰めを買っているだけではなかなか気づかないかもしれない。

有機農業を通して豊かになる方法とは? 生産者と消費者が直接つながる「提携」も
「トウモロコシを使った大量飼育。また、農薬や化学肥料を使った単一品種作物の大量生産は経済的には正しいのかもしれない。でも、そうした方法が環境問題をはじめ、様々な弊害を産み出してきたには事実です。もう少し豊かになれる方法があるんじゃないか、と思います」有機農業の第一人者として、現在の状況にも苦言を呈する。「有機農業が流行って有機認証マークがついた商品がたくさん流通すればいい、というわけじゃない。

それじゃ、グローバル経済のなかに野菜を放り込んでいるだけ。そうすれば価格競争の同じ過ちを繰り返すだけですよ」生産地をまわって感じることだが、有機農業、慣行農業と一言でくくることは難しい。驚くほど多様な生産現場のなかで、消費者は情報の少ないなか、よりいいものを選ばなければいけなくなりつつあるように思う。話を伺っている途中も、ニワトリの鳴き声が聞こえる。卵を産むわけではない雄鳥も何羽か小屋のなかにいるからだ。

 

 

posted by タマラオ at 06:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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