2015年09月22日

デング熱感染者が出た代々木公園は今   No1

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http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/082600030/090100003/

今年の代々木公園には「蚊がいない」と評判です。 昨年は70年ぶりとなるデング感染者を国内で初めて出し、一時期は立ち入り禁止となった代々木公園。殺虫剤が撒かれた後も、しばらくは人が寄り付かなくなっていたあの代々木公園が、です。事実関係を確認するために、本当に蚊が減っているのかを調べてみました。 東京都では2001年から「感染症媒介蚊サーベイランス」を実施しています。以来、毎年6月から10月までの期間、公園や霊園・植物園など蚊が生息する都内16施設で、蚊を捕まえては、その数を調べたり病原体の有無を調べたりしてきました。

さらに、今年からは、代々木公園、日比谷公園、上野恩賜公園など、都内にある9つの大型公園をサーベイランス施設として追加。全部で25カ所の蚊についてモニタリングしています。 まずは従来の16施設における昨年までと今年の蚊の数。去年と今年ではほとんど数が変わらず、各観測地点での蚊の補足数は数十から数百匹。何もしなくても、時期がくると一桁オーダーで蚊の数が変わるのが興味深いですね。 <感
染症媒介蚊サーベイランスの結果>

一方、こちらが代々木公園を含む新たな9施設の蚊の数。ほぼすべての観測地点と観測時点で、その数は「ゼロもしくは一桁」で推移しています。<デング熱・チクングニア熱媒介蚊サーベイランスの結果>
どうやら、「今年の代々木公園に蚊がいない」のは事実。 しかも、日によっては“ディズニーランド並み”のようです。  まさか、代々木公園は本当にディズニーランドを見習ったのでしょうか。 

東京都ペストコントロール協会会長の玉田昭男氏によれば、「それは昨年の9?10月に薬剤を散布し、越冬する蚊を駆除したから」。 蚊の発生を防ぐには、成虫が卵を産む秋口の蚊を駆除して、翌年の蚊の発生を防ぐことが非常に有効です。新たなサーベイランス地点に加えられた9つの大型公園は、いずれも「昨年、秋に薬剤を散布した場所」。

発生してから駆除するのもいいですが、前年の殺虫剤に勝るものはありません。 しかし、都としては、デング熱など病気を持った蚊が見つかった場合のみ、薬剤を散布するというスタンス。今のところ、蚊が多い従来の16施設での薬剤散布の予定もありません。日本にいる100種類以上の蚊のうち、デングを媒介するのはヒトスジシマカ。北海道と青森を除く日本中に生息する、あの白黒の「ヤブカ」と呼んでいる蚊です。 

「酔いにまかせて夜更けの公園で女の子を口説いていたら、彼女の足も自分の腕も蚊に刺されまくった」そんな経験があり、都内の公園でデング熱感染者が出たというニュースを聞いて、内心ヒヤッとした人もいるのではないでしょうか。 本コラム(「デング熱の処方箋・その1」)でもお伝えした通り、蚊が引き寄せられるのは、体温・汗・呼気の3つ。体温もテンションも高く、息も荒いとくれば、夜の公園でカップルが蚊の格好のターゲットになるのは仕方のないことですが、そんな時にもうひとつ知っておきたいのは、蚊によって異なる性質です。

夜の暗がりなら安全?
蚊には大きく「イエカ」と「ヤブカ」の2種類があります。 夜、耳元にブーンと来てヒトの血を吸うのは、夜に活動性の高い「イエカ」の仲間。 ヒトスジシマカなど「ヤブカ」の類は、昼間から夕方の日中に活動性が高く、昨年、代々木公園で最初のデング熱患者となった学生さんがデングウイルスを持つ蚊に刺されたのも日中の出来事でした。 ――「ヤブカ」は原則、夜にヒトを刺すことはない。 ならば、私も「公園に行くならカップルはできるだけ暗いところでやって」とアドバイスしたいところです。

しかし、専門家の中には「電灯の下など明るいところではヤブカも刺す」という人や「生き物だから断定はできない」という人もおり、殺虫剤の開発等とは直接関係の無い蚊の生態については、驚くほど分かっていないことが多いらしいのです。結局、夜更けの公園であなたを刺したのは、デング熱とは関係のないイエカ?  それとも、灯りに引き寄せられて現れ、昼
間と勘違いして刺したヒトスジシマカ? その答えは簡単に出そうにありません。 現時点で注目すべきは、デングの蚊ではなく、「デングのヒト」の方です。

 

 

posted by タマラオ at 06:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記