2015年09月17日

なぜ「寝かせた肉」はおいしいのか?    No2

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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44699

やわらかさや香りが熟成肉のカギ
牛肉のラベルには「A4」や「A5」などと記されているが、これは国産牛を枝肉で取引するときの規格による格付けである。国産牛には和牛と交雑牛、乳牛があり、格付けは、むだなく肉が取れる割合である歩留まり等級のA〜Cと、肉質等級の1〜5の組み合わせで分類されている。 「格付けは、おいしさの指標ではありません。たとえば、黒毛和牛は一般的に骨が細いので歩留まりがよく、等級はAとなります。肉質等級は脂肪交雑の仕方、つまり霜降りかどうかなどで決まるので、どんなにおいしくても赤身肉ならランクは下がります。

あくまでも好みの問題なんですよ」と中島さんは言う。枝肉の格付け。歩留まり等級は、Aが標準より歩留りがよく、Bは標準、Cは劣るもの。肉質等級は、脂肪交雑、肉の色沢、肉のしまりときめ、脂肪の光沢と質から評価する。 そもそも肉のおいしさは何で決まるのだろうか。

「うまみという味のベースに加え、肉のやわらかさや脂肪と一体となった舌ざわりが牛肉特有のおいしさをつくります。それに香りも重要な要素です」と、肉のおいしさを研究する日本獣医生命科学大学教授の松石昌典さんは話す。松石さんらは、和牛のおいしさに関わる甘いコクのある香りを見つけ、「和牛香(わぎゅうこう)」と名付けた。和牛香は、脂肪と肉が接する部分、つまり霜降り部分で生成するという。 例えば、霜降り和牛は赤身の中に脂肪が入り込んでいるので、肉はやわらかい。

高級な霜降り和牛なら、霜降り部分には約50%も脂肪が占めるので、口の中で肉はとろけ、それと同時に好ましい香りが広がり、格別のおいしさを感じるのである。 ところが、熟成肉のやわらかさや香りは、別物だという。「熟成肉のおいしさは、うまみが増すこともありますが、独特のやわらかさや熟成肉特有の複雑な香りの要素が大きいです」 先に述べたように肉は解体直後に硬くなり、その後やわらかくなるが、熟成肉では、長時間熟成させることでその程度が大きくなり、さらに、やわらかさが増す。

「長く熟成させると筋肉の構造が大きく緩んでくるのです。すると、霜降り和牛とは異なる、ふわっとするような、独特のやわらかさになります。また、複雑な熟成肉の香りには、微生物の働きによる発酵臭が含まれています。ただし、熟成肉の香りは好みが分かれるようです」と、松石さんは説明する。

ブームに終わらず定着するには
日本人の牛肉の消費量は、高度経済成長期から増加を続けてきたが、いまは横ばい状態だ。そのため、多くの食肉関係者は熟成肉に期待を寄せている。食肉加工メーカーであるスターゼン広報IR室室長の海老原俊司さんも「熟成肉という新しいジャンルができれば、消費者の選択肢が広がる」と話す。 「ただし、熟成肉は普通の牛肉とまったく取り扱いが異なります。肉の特性を熟知していないと事故につながりますから、加工業者も消費者も正しい理解が必要です。素人が熟成肉をつくろうなどしては危険です」と前出の中島さんは釘をさす。海老原さんも「信頼できるお店で熟成肉を食べたり購入したりしてほしい」と話す。

熟成肉のブームはいつまで続くのか、そして、熟成肉は私たちの食生活に定着するのだろうか。熟成肉の今後のゆくえが気になるところだ。 最後に中島さんが「熟成肉では、たれやソースはあま
り使わず、塩味でじっくりと肉の旨味を味わってください」とアドバイスしてくれた。そこで、熟成肉の塩味のステーキを試してみることにした。街に出ると、ドライエイジングビーフの専門店には人がいっぱい。さらに、別のバルも予約で満席で、人気のほどがうかがえた。

そこで、デパートの地下食品売場へ行ってみると、ドライエイジングビーフ協会の認定証を掲げた専門店に、赤身とサーロインステーキの2種類の熟成肉が並んでいた。筆者がデパート地下食品売り場で買い調理した熟成肉。部位はサーロイン。 購入した肉からは、経験したことのない甘い香りが漂う。焼くと香ばしい香りに変わった。「これがナッツの香りか」と思いつつ口の中へ。確かにやわらかいし、口の中に残る味も、いままでのステーキと違うものを感じた。

熟成は、安い赤身肉でもおいしく食べることができるよい方法だ。ただ、熟成肉を食べてみたが期待外れだったという声も聞く。確かな品質の熟成肉が出回るなら、肉のジャンルの1つとして確立しそうだ。

 

 

posted by タマラオ at 06:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記