2015年08月24日

急激な円安進行が日本経済にもたらすリスク No1

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http://diamond.jp/articles/-/72773

円安がわが国にもたらすのは プラス面ばかりではない
米国金利の先高観などを背景に、足元で円安・ドル高が急速に進んでいる。5月下旬には、約12年半ぶりの水準となる1ドル=124円台に至った。円安傾向が続くと、自動車等のわが国の主力輸出企業の業績は一段と改善することもあり、株式市場は安定した展開が続いている。一方、急激に円安になると、海外から輸入する製品などの価格が上昇しやすくなる。食料品など原材料を輸入に依存する業界などでは、コストアップ要因につながることが懸念される。

コストアップ要因を価格に転嫁できる大手企業には、それほど大きなマイナスは及ばないだろうが、製品価格を上げにくい中小企業などには大きな痛手になるはずだ。また一般消費者にとっても、輸入製品が急激に上がると財布のひもを締めざるを得なくなる。わが国のGDPの約6割を占める個人消費の伸び悩みが顕在化すると、ようやく回復してきた景気の腰を折ってしまうことも考えられる。

もう一つ無視できない点は、大手企業など円安のメリットを享受できる分野と、国内市場中心の中小企業などデメリットを受けやすい分野で大きな格差が生じることだ。原油価格が低位に安定している現在、
円安傾向はわが国全体にとってみればプラス要因として働くものの、その恩恵を受けにくい分野が存在することは十分に頭に入れておくべきだ。

急激な円安・ドル高の背景には ヘッジファンドのキャリートレード
各通貨間の交換レートである為替は、短期的には金利の動向が大きく影響する。世界の投資資金は、基本的に、金利の低い通貨から金利の高い通貨に流れる。そのため、金利が上がりそうな通貨に対する需要は高まりやすくなる。
大手投資家であるヘッジファンドなどは、相対的に金利の低い通貨で資金を調達し、それを為替市場で高金利の通貨に替えて運用することが多い。有体に言えば、金利差を取るためのオペレーションだ。“キャリートレード”と呼ばれる手法である。

彼らは、“キャリートレード”を時に数百億円単位で行うこともある。その取引量は、年間を通して世界の為替市場の半分程度を占めると言われている。そのため、彼らのオペレーションがどうしても為替市場を動かしてしまう。円とドルの金利の動きを考えると、日銀の黒田総裁が頑張っている間、恐らく円の政策金利が上昇することはないだろう。一方、米国のイエレンFRB議長は、今年中に政策金利を引き上げる可能性が高いことを示唆した。ということは、円とドルの金利差は、今年中にさらに拡大する可能性が高い。

そのビジネスチャンスを、海千山千のヘッジファンドが見逃すはずはない。今年、彼らの多くは、ユーロ売り・ドル買いのポジションで損失を被ったようで、年明け以降の成績はあまり芳しくないと言われている。その損失を取り戻すべく、ヘッジファンドや為替ディーラー連中は、ここへ来て一斉にドル買い・円売りに走った。その勢いはかなり迫力があり、世界の主要為替市場ではドルが買い込まれる展開になった。それに加えて、国内の輸入決済資金を手当てしなければならない、一部のメーカーなどもドルを買いに加わり、ドル上昇を加速する結果となった。

 

 

posted by タマラオ at 06:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記