2015年08月12日

中国株バブル崩壊で見せた共産党政権の狼狽ぶり No2

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http://diamond.jp/articles/-/75135

強引な対応策は一時しのぎにすぎない
6月12日、上海総合株指数は約5166ポイントの高値を付けた後に下げに転じ、7月8日までに約32%下落した。“上がるから株を買う”から、“下がるから株を売る”という逆回転が始まったのである。その間、中国政府はなりふり構わぬ株価対策を講じた。6月28日には4度目の金利引き下げを行い、29日には年金基金に株式運用を認める方針を発表した。しかし、それでも株価の下落に歯止めがかからず、株価押し下げの要因となり得る新規上場を停止し、証券大手などによる株式の買い支えの方針を打ち出した。

さらに、中国人民銀行は、証券市場に潤沢な資金を供給することを明言し、国有企業や大手企業に株式の購入を求めた。さらに、7月9日には証券当局の高官が、「悪意のある空売りを厳しく取り締まる」との姿勢を明言した。極めつけは、株式の取引停止を申請可能にする制度を導入した。これは、企業自身が「自社の株式が売られて株価が下がりそうだ」と考えると、当局に申請して株の取引を停止することができる仕組みだ。

この制度によって、中国株式市場では一時、上場企業の約半分は取引することができなくなっていた。株式売買を大きく制限する措置で、市場の本質的な機能を不全化する行為だ。これらのなりふり構わぬ対策によって、7月9日〜13日はとりあえず、株価は10%以上反発した。しかし、これで問題のすべてが解決したとは言えない。投資家の中には、売りたくても売れない株式を保有せざるを得なくなっている人もいる。

そうした投資家は、停止措置が少しでも緩めば保有株式の売却に走ることが想定されるからだ。ということは、政府の強引な方策は一時しのぎにすぎず、今後、株価が不安定な展開を続ける可能性が残っていると見るべきだ。

共産党の政権基盤が盤石でないことが浮き彫りに
今回の一連の株価動向とそれに対する政府の対応策を見て、より明確になったことは、中国の株式市場の未成熟さだ。同国の株式市場は主要先進国の株式市場と異なって、投資理論などに基づいて効率的な投資を狙う機関投資家の存在が極めて少ない。逆に、相場の勢い=モメンタムに動かされやすい個人投資家が中心であるため、どうしても株価の振れ幅の大きなマーケットになりやすい。一方、市場の動きをコントロールすべき当局が、本当の意味で市場の本質を理解していない懸念がある。

それは、一連の首をかしげたくなるような力技の政策発動を見ても分かる。これによって、中国の株式バブルの問題が完全に片付いたとは考えにくい。それらを総合して考えると、同国の株式市場は未成熟と言わざるを得ない。世界第2位の経済大国の株式市場と監督当局がそうした状況にあることを、われわれ自身が十分にリスク要因として頭に入れておくことが必要だ。もう一つはっきりしたことは、中国政府の対応のまずさだ。

習近平主席の表情を見ていると常に自信に満ち溢れているようだが、実のところ、共産党政権のコントロールがすべての分野に及んでいるわけではないのだろう。6月中旬以降、株価が下落する局面では、政府の狼狽ぶりと強引な政策が目立った。その背景には、株価が大きく下落して多くの人々に不満が蓄積すると、政府の政策運営に支障が出る懸念があるのだろう。あるいは、さらに進んで共産党政権を維持するのが難しくなることも考えられる。

中国の友人に尋ねても、「景気が落ちていることや異民族のテロなどで、共産党政権に対する人々の信認は低下しているかもしれない」と指摘していた。その意味では、共産党政権は盤石の政権基盤を持っているとは言い難いのかもしれない。今回の株価動向はそうした状況を浮き彫りにしていると言えそうだ。

 

 

posted by タマラオ at 06:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記