2015年08月11日

中国株バブル崩壊で見せた共産党政権の狼狽ぶり No1

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http://diamond.jp/articles/-/75135

未成熟な投資家層と市場を理解していない政府
足元で、ギリシャ問題と並んで中国の株式市場の動向が世界中の注目を集めている。人民銀行の金利引き下げなどの影響もあり、同国を代表する上海総合株指数は6月12日までの一年間で約2.5倍にまで跳ね上がった。まさに“株式バブル”の状況だった。バブルは永久に続くことはない。その後、上海の株式市場は下落に転じ、一時は下落に歯止めがかからない状況となった。株価の急落に対して、共産党政権はなりふり構わぬ株価下支え政策を打ち出し、7月9日〜13日、株価はようやく10%以上反発した。

今回の中国株式市場の動向の背景には、個人投資家が取引の約8割を占めるという特性がある。主要先進国の株式市場には、大きく分けて二通りの投資家がいる。一つは機関投資家で、投資理論などの専門知識を持ち、それなりの合理性を持って運用に当たることが多い。もう一つのカテゴリーは個人投資家で、彼らの多くは、どちらかというと機関投資家のように理論には精通していない。その時の相場の雰囲気などに影響されることもある。

中国の個人投資家は、最近、口座を開設して投資を始めた人たちが多いと言われている。彼らは、株式投資で儲かると思えば、資金を借りてでも投資を行う傾向が強いという。同国の経済専門家の友人にヒアリングすると、「一種のギャンブル感覚で株式の売買をしている」と嘆いていた。そうした売買が多いと、今回のように、どうしても株式市場は上下幅が大きくなる。もう一つの注目ポイントは、株価急落に対して、共産党政権が慌てて、なりふり構わぬ“力任せの対策”を打ったことだ。共産党政権は本当の意味で、市場の機能を理解していないのかもしれない。常に自信に満ちているように見えた、中国共産党政権の狼狽ぶりがよく分かる。

政府の株価押し上げ策が バブルを発生させた
今年1〜3月期、4〜6月期の中国のGDP成長率はともに7%だった。ただし、この数字を鵜呑みにしている専門家は少ない。同国経済の総責任者である李克強首相でさえ、実際はさらに下振れ要素があると発言している。重要な経済指標である電力消費量や鉄道の貨物輸送量などを見る限り、中国経済の現状はかなり厳しいと捉えるべきだ。そうした実体経済からすれば、株価が大きく上昇することには疑問符が付く。それにもかかわらず、株価は1年間で2.5倍にも上昇した。

その不思議を解く重要な鍵は二つある。一つは中国政府の政策だ。政府は景気下支えのため、矢継ぎ早に利下げを行うと同時に、株価を押し上げる方策を取った。昨年11月、上海と香港の株式市場は取引の相互乗り入れを可能にした。これによって、従来、制限されていた香港や海外投資家の中国本土への株式投資と、本土の投資家の香港株式投資が解禁された。そうした措置は、中長期的に投資家層を広げる方策として相応の効果がある。

一方、短期的に資金流入が活発になることで、株式市場が活況を呈する場合がある。今回の緩和措置は、中国株式バブル発生の引き金の一つになった。そうした市場環境の変化に加えて、投資の習熟度がそれほど高くない国内の個人投資家が、一緒のギャンブル感覚で株式売買を行った。しかも、人民銀行の金利引き下げによって、資金を借りて投資を行う“信用取引”のコストが大きく下がった。個人の信用取引の拡大が、上昇し始めていた株価をバブルの水準まで押し上げる重要な要素となった。

投資に精通した機関投資家が多ければ、個人投資家の動きを幾分かは抑えることができたかもしれない。しかし、中国の株式市場では、そうした思慮深い投資家の割合は低かった。

 

 

posted by タマラオ at 06:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記