2015年08月05日

マグロが回転寿司から消える日がやってくる!? Mo2

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戦後、世界中のマグロが築地に集合!マスコミが“江戸の文化”を全国区に
さて、時代は下り、漁の技術も進歩していく。江戸時代に生まれたマグロ漁だが、昭和初期には大きく発展する。アメリカ向けのツナ缶の輸出が好調だったからだ。芸術家で美食家としても知られる北大路魯山人は「鮪を食う話」という随筆のなかで「米国では鬢長まぐろのサンドイッチを発明してこれが流行した」と書いている。戦後になり日本人が豊かになると国内での消費が増えはじめる。冷凍技術の進化を背景に世界中のマグロが築地に集まるようになった。

マグロをはじめ『魚離れ』を水産庁の人は喧伝するが、ここ数年をのぞいて魚の国内消費自体は割に堅調に推移している。ここ数年の減少は経済的な理由によるものもあるだろう。大きく変わったのは消費の割合だ。かつて、家庭で消費されていた魚は、外食など外で食べるものになった。例えば一昔前ならこんなに回転寿司は多くなかったから、実感として理解できる。今回、規制が検討されたクロマグロは高級寿司の世界の花形だ。

以前、ある北海道の寿司屋が東京に進出したのだが、その理由は「築地からマグロを仕入れるため」だそうだ。いいマグロを仕入れるためには仲買との付き合いが必要で、そのための東京進出だという。マグロは本来的には東京(江戸)の文化だ。関西人の魯山人は「まぐろは下品で食通を満足させるものではない」と言っているが、他の地方ではいいマグロは手に入らない。関西では秋に規制の対象になったヨコワ(幼魚)を食べる習慣があるものの、マグロは珍重されてこなかった。

今は関西でもマグロは人気だ。戦後のメディアの発達などにともない東京の文化が全国に広まり、さらには回転寿司などの普及があいまって、マグロは日本中で食べられるようになったのではないだろうか。

海外のレストランは「マグロ外し」へ 日本の料理人は“持続可能性”を考えているか

マグロ資源が枯渇しかけていることは前述したが、僕が気になっているのは寿司店だけではなく飲食店の動きが鈍いことだ。国外ではレストランのメニューからマグロを外す動きがある。世界57ヵ国の高級ホテル・レストラン475軒が加盟する組織「ルレ・エ・シャトー協会」は2011年に加盟している飲食店やホテルのメニューからクロマグロを外すように要請しているし、有名シェフのアラン・デュカスも資源量が充分にある魚にフォーカスしたレストランを計画しているそうだが、食文化を守り、また楽しむ上で持続可能性は無視できなくなってきている。

TEDカンファレンスに登壇したシェフのダンバーバー(TED『魚と恋に落ちた僕』)やアーサー・ポッツ・ドーソン(TED『持続可能なレストランへのビジョン』)をはじめ、諸外国では環境への配慮をはじめ、生産と消費の橋渡し役として料理人は期待され、また活躍しているが、翻って日本の状況は暗い。サスタナビリティまで考えて食材を選んでいるレストランがどれだけあるだろうか、というと心もとない。

以前、料理の専門誌を読んでいて、ある鼎談が目に止まった。料理人とそれ以外のジャンルから識者を招いての鼎談だったのだが、その席で料理人が「サスタナビリティってなんですか?」と発言していたのだ。言葉すら知らないという現状。困ったことに、この方はそれなりに著名なシェフなのだ。問題はマグロだけではない。資源が心配されている魚は他にも多い。鯖だって取り尽くす勢いだし、秋刀魚にだって外国船の乱獲やレジームシフト(数十年単位で潮の流れが変わる現象)による影響など不安要素はある。

 

 

posted by タマラオ at 06:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記