2015年07月01日

世界の部品供給基地としての地位は不動 No2

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2014年の3つの注目投資テーマ
2014年における電子部品業界は、健全な需給バランスを背景に堅調なファンダメンタルズが期待できる反面、受注前年比伸び率のサイクルという観点では、年後半にかけての減速が想定される。弊社集計対象企業の月次受注・売上高をベースに作成している電子部品受注インデックスは、2014年1月に前年比11.6%の増加を記録。昨年8月以降の10%前後の伸びを維持した。しかし今後4〜6月期は、(1)国内自動車市場の一時的な減速、(2)スマートフォン新製品の端境期等を理由に、受注の前年比伸び率は減速が想定される。

また7〜9月期以降についても、大幅に円安の進んだ為替を含め、前年のハードルが高くなるため、前年比受注伸び率が大きく上昇することは想定し難い。電子部品メーカー各社の株価パフォーマンスが受注前年比伸び率と高い相関を示すことに鑑みれば、電子部品セクター全体の株価上昇余地も限定的となるものと想定できよう

そうした状況下、2014年における電子部品セクターの投資テーマとして弊社が注目しているのは、(1)低価格スマートフォン・タブレット市場の拡大、(2)自動車を中心とするパワーエレクトロニクス市場向け電子部品需要増、(3)構造改革やM&A等個別利益成長要因、の3点である。

従来、電子部品需要拡大を牽引してきた高機能スマートフォン市場の成長性に減速感が生じ始めている現状では、中国市場を中心とする低価格スマートフォン市場拡大からメリットを享受できる企業を投資対象として考えたい。また今後新興国市場でもスマートフォンの機能向上の動きが本格化する可能性は高いと考えられ、日本製電子部品に対する需要拡大に結び付くものと期待される

また自動車市場向け電子部品需要は、ハイブリッド車市場拡大や安全・環境規制強化の動きを背景に大幅に増加。自動車市場は完全に電子部品主要アプリケーションの一つに育ちつつある。自動車用電子部品市場での勝ち組となるためには、高い技術力に加え、長年に渡って築いてきた顧客との信頼関係が大きく意味を持つ。自動車メーカー向けビジネスの参入障壁の高さや契約期間の長さは、電子部品メーカーの生産計画が立て易くなるメリットも含んでいる(表1)。

さらに構造改革やM&A等のアクションが、受注サイクルに左右されない独自の利益成長要因となるものとして期待されよう。 電子部品セクターにおける現在の注目企業としては日本電
産、TDK、ロームの3社の3社を挙げたい。
日本電産に対する投資論点は、(1)HDD(ハードディスクドライブ)スピンドルモータを中心とする精密小型モータセグメントの高収益性、(2)車載及び家電・商業・産業用モータ事業の中・長期成長性、(3)M&A等を通じた積極的なグループ戦略の3点。

特に車載及び家電・商業・産業用モータ事業は、車載市場における燃費効率改善や白物家電等の市場における省エネニーズの高まりを背景に、今後高い利益成長性を示す可能性が高い。HDD市場減速が従来業績面での懸念材料であったが、HDD関連事業に対する収益依存度は既に大幅な低下を示している。会社側が掲げる中期計画(16年3月期営業利益1800億円)に向け、今後もM&A実施等積極的な経営戦略の実施も期待されよう。

TDKに対する投資論点は、(1)構造改革を通じた受動部品事業の収益性改善、(2)HDD磁気ヘッド事業の高収益性維持、(3)電池事業拡大の3点。
受動部品事業は、構造改革効果に加え、車載市場向け売上構成比が上昇していることで、今後安定した利益水準の上昇が見込まれる。高周波部品等依然赤字に苦しむ事業はあるものの、更なるコストダウン実施や売上トレンド改善に向けた取り組みの成果発揮等、収益性改善に向けた動きは着実な進展を示している。HDD磁気ヘッド依存型の収益構造から、受動部品収益性改善を利益拡大ドライバーとする事業ポートフォリオへの転換が期待される。

 

 

posted by タマラオ at 06:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記