2015年06月30日

世界の部品供給基地としての地位は不動 No1

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DIAMOND 注目は日本電産、TDK、ロームの3社

――メリルリンチ日本証券調査部副部長 久保田真史
1988年国際証券(現三菱UFJモルガンスタンレー証券)入社、海外投資情報室にて海外機関投資家向けの情報提供業務に従事。1990年同社企業調査部アナリストに転じ、産業用エレクトロニクス、民生用エレクトロニクスを担当。1995年5月INGベアリング証券(現マッコーリー証券)東京支店入社、民生用エレクトロニクス、電子部品セクターを担当。2000年4月より同社テクノロジーチームヘッドとして電子部品セクターを担当。2003年6月メリルリンチ日本証券入社。

日本の電子部品メーカーは依然として、世界的にも高い競争力を維持している。円安も競争力の維持に貢献している。今後は、需要先としては、AV機器に替わってスマートフォン、自動車車載市場をどう開拓するかが課題となる。個別企業では日本電産、TDK、ロームの3社に注目する。

依然高い日本の電子部品メーカーの競争力
世界のテクノロジー市場の中で、日本企業が今後も継続的に高い競争力を発揮できる分野の一つが電子部品市場であると考える。日本の電子部品メーカー各社は多くの製品・分野で圧倒的な世界トップシェアを有し、世界の部品供給基地としての立場を不動のものとしている。スマートフォンやタブレット等成長市場においても、日本の電子部品なくしては生産不可能と言われるほど日本製電子部品メーカーの存在感は大きい。

特に円高是正の動きが進展している現状では、価格面での国際競争力も増していると考えられ、日本の電子部品メーカー各社が世界市場で更にシェアを伸ばす可能性は高い。韓国・台湾メーカー等アジア勢の台頭もあり、競争力の低下が懸念されてきた日本の電子部品産業であるが、実際には多くの分野でシェアを伸ばし、高収益性の維持に成功している。さらに今後電子部品需要が大きく拡大することが期待される自動車市場では、電子部品にも高い品質や信頼性が求められ、日本の電子部品メーカー各社がその技術優位性を大いに発揮することが可能となってこよう。

日本の電子部品メーカーの競争力の源泉としては、@高い素材技術、A顧客ニーズに対する細かな技術対応力、B海外生産等を含めたコスト競争力、等が挙げられる。特に高い素材技術は、新規参入に対する参入障壁を高くしていると言える。またカスタム製品市場での顧客ニーズに対する対応力は、顧客との信頼関係を強化し、競合メーカーへのシェア流出を防ぐ防御壁となっている。

素材型電子部品メーカーの代表例としては、村田製作所(MLCC=積層セラミック・コンデンサ、セラミックフィルター等)、TDK(MLCC、インダクター等)、京セラ(セラミックパッケージ等)が挙げられよう。またカスタム性の強い部品市場で高い競争力を発揮している企業の代表としては、日本電産(HDD用スピンドルモータ)や日東電工(液晶パネル用偏光フィルム、タッチパネル用ITOフィルム)等が挙げられると考える。

韓国・台湾メーカー等アジア勢に対抗するためには、コストのみでは勝負にはならない。つまり組立加工型の電子部品市場においては、日本企業がシェア低下を余儀なくされることも念頭に置いておく必要がある。一方、コスト競争力に加え、高い素材技術やカスタム製品市場で高いシェアを有する電子部品メーカーは、今後も世界市場で勝ち残っていく可能性が高いものと考える。

 

 

posted by タマラオ at 07:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記