2015年06月25日

日立が開けたパンドラの箱 No1

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http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20141001/271972/?n_cid=nbpnbo_bv_ru&rt=nocnt

「年功序列廃止は管理職だけでなく一般社員にも拡大するはず。他の産業にも同じ流れが波及し、終身雇用制度が終わる契機となる。日立の経営陣や人事部がそこまで意図しているのかは不明だが、パンドラの箱を開けてしまったのは間違いないでしょう」 人事コンサルタントの城繁幸氏は、日立製作所が9月26日に発表した、年功序列を廃止した管理職向け賃金体系の導入について、このような感想を述べた。

現在は相談役となっている川村隆氏が2009年以降に進めた経営改革の中で、日立は2011年6月に「グローバル人財マネジメント戦略」を策定。同戦略の一環で2012年度に国内外の日立グループ社員約25万人分の人事情報をデータベース化。2013年度には、国内外の管理職約5万ポジション分の役割の大きさをグローバル共通の尺度で格付けするなどの施策を着々と進めてきた。年功序列廃止の賃金体系の導入は、これまで構築してきたこれらのツールや評価制度を、いよいよ報酬に連動させるフェーズに入ったことを意味する。今回の管理職向け処遇制度の改訂は、一連の川村改革の総仕上げなのかもしれない。

優秀な海外人材などを採用しやすく
今回の新制度の対象は、日立製作所における国内管理職の約1万1000人。課長級以上のこれら管理職は、勤続年数や年齢に関わらず、ポストや成果に応じて月給や賞与が決まる仕組みになる。従来の日立の管理職の賃金は、勤続年数や過去の実績などに応じて決定する「職能給」と、部長や課長などの役職に応じて支給される「職位給」で構成されていた。

10月以降の新制度では、職能給と職位給の区分けがなくなり「役割・成果給」として一本化され、年功序列の要素が一切なくなる。ポストが上がったり成果を出した人の給与が上がる一方で、そうではない人の給与は下がるため、新制度移行後も人件費の総額は従来と変わらない見込みだという。

狙いは優秀な人材を採用しやすくすること。役割や責任の重さ、業績への貢献度合いを報酬と明確に連動させ、優秀な若手の抜擢や、国籍を問わず優れた人材の中途採用をしやすくする。日立は2012年度時点で41%だった海外売上高比率を、2015年度に50%超に引き上げる経営目標を掲げる。そのためには、海外売上高を1兆円程度増やす必要があり、優秀な人材確保へ向け、世界共通の人事体系の導入が必須と判断した。

日立は、米ゼネラル・エレクトリックや独シーメンスなど、世界の重電大手の人事制度を参考にしながら、今回の管理職向け賃金体系を作り上げたという。今後は日立本体だけでなく、国内外のグループ会社の管理職にも適用を広げる方針だ。 まずは管理職だけを対象とするが、一般社員まで広げるかどうかは、「今後議論をしながら検討していく」(中畑英信・執行役常務)。幅広い経験を積む必要がある一般社員の段階で、役割や目標に基づく賃金体系がふさわしいかどうかは議論が残るところだという。

興味深いのは、日立以外の電機大手も時を同じくして、年功序列を廃止した賃金制度へ移行する検討を始めていたことだ。パナソニックやソニーも、年功要素を廃止した賃金制度の導入を検討している。

 

 

posted by タマラオ at 06:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記