2015年04月26日

地元の人も知らない「平塚漁港」はいかに知名度を上げたか No2

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湘南ひらつかビーチパークで開催される「ビーチdeさばき方教室」。ビーチでさばく。まさに湘南スタイル!!! 「僕も漁協に入るまではさばけませんでした。でも、漁師さんから大
量にもらった魚を扱ううちに、カンタンにさばけるようになったら魚を食べる頻度が増えました」と伏黒さん。「それに、さばけると一気に楽しくなるんですよ」(伏黒さん)これは伏黒家で実証されている話である。奥さまも、結婚前までは、まったく魚をさばいたことがないうえに、さほど食べてもいなかったそうだ。

しかし、毎日家にやってくる魚をさばきはじめて以来、魚料理に開眼。伏黒家の魚度数は一気にアップ。いまやレシピサイトにオリジナルの魚レシピをせっせと投稿する日々。子どもたちも魚が大好きだ。さらには夫婦で「まるごとの魚」の奪い合いが始まった。「洋風料理を作るために魚をさばきたい」奥さんと「美しい刺し盛りを作るために魚をさばきたい」伏黒さんとの間で「僕がさばく」「わたしがさばきたい」と「家庭内さばきバトル」が勃発しているらしい。

「平塚の魚をまるごと買ってさばいて楽しむ、が平塚市民のスタイルとして定着したらもっと地元の魚の消費は増えるに違いない」。かくして企画されたイベント名は「ビーチdeさばき方教室」。「『漁港でさばき方教室』ではなんだか夢がない(笑)。魚と縁遠い若いひとたちにも、散歩がてら来てもらえたら」と、こだわってつけた名前だ。その名のとおり「湘南ひらつかビーチパーク」で海を望みながら、獲れたての地魚のさばき方を学び、その場でソテーなどにして楽しむ。なんとも「リゾート」なさばき方教室は、若い女性からファミリー層などにも大人気。リピーターも多いイベントになった。

さばくのが楽しくなった市民からは当然、こう言われる。 「さばきたいから平塚の魚を買いたい」ところが、漁協には直売所がなかった。そんな折、県水産課の「漁業者による直販支援事業」立ち上げをきっかけに、県下JAの大型農産物直売所で朝どれ鮮魚を定期的に販売することが決定。漁師たち自身が、魚を持って「浜を飛び出す」ことになったのだ。 漁協オリジナルブランド「須
賀湊の開き干し」。太刀魚といわし

かくして、鮮魚を持参して厚木市「JAあつぎファーマーズマーケット夢未市」に出店。大漁で値がつかない魚や、市場の流通にのりにくい規格外の魚もあっという間に売り切れる大人気に。好評につきJAと連携をはかり、扱い店舗も拡大。新たな収入確保、PR効果も実感できる結果となった。それもさることながら、漁師たちが、これまで見えてこなかった消費者に接して、対話のある販売が実現したことはとても大きかった。「もっと平塚の魚を食べてほしい、美味しい食べ方を知ってほしい」というモチベーションがアップしたのだ。

町に出て意欲が増した漁師の経験を踏まえて、若手中心に「こうなったらやはり、浜でも自分たちの魚を販売したい」という声から、スタートしたのが平塚新港荷さばき施設での「地どれ魚直売会」。お客さんに獲れたての魚を、もっとも活きのいい状態で美味しく食べてもらいたいと、なんと大きな「いけす」に入れて、生きたままの状態で販売。平塚は釣り客も多いため、遊漁船を持つ組合員からのアイデアだった。

ピチピチの魚はビニール袋に入れて持ち帰ろうすると「活きが良すぎて、跳ねて道路に飛び出してしまう」ため、お客さんのクーラーボックス持参が定着したほどだ。直売会は、話題を呼んで平日午後にもかかわらず、いけすの前に行列ができる大盛況。賑わいを見せている。

釣る専門だった漁師さんが販売まで “負けず嫌い”な漁師魂に火をつけた!
「地どれ魚直売会」。毎月第4金曜日、14〜15時30分に開催 活魚以外にも定置網で朝、獲れた鮮魚、釜揚げしらすなどの加工品が並ぶが、すべて販売するのは漁師たち自身。当初は「俺らは釣るのが商売で売るのは商売じゃねえ」と言っていた親方たちも、盛り上がるイベントを見て、結果「らっしゃい!」と「いちばんノリノリで大きな声をあげています(笑)」(伏黒さん)。販売は苦手だと思っていた漁師たちも頑張った。

 

 

posted by タマラオ at 06:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記