2015年01月24日

「失われた20年」は、実は「成長痛の20年」でした      No5

022.JPG
倒産法の改正
第2に、倒産法が2000年頃改正されました。以前は、経営が危うくなった企業には、メーンバンクによる救済に頼らざるをえませんでした。しかし今では、民事再生法や改正後の会社更生法に基づいて、企業を再建することができます。この2つの現代化された法律により、メーンバンクの、企業再建における独占状態を止めることができました。 銀行主導で再建が進められると、最終的に企業がローンを返済できるよう、財政上の問題を解決しようとします。

しかし、2000年代から始まった競争社会において、企業を再建するためには、財政的再建より、ビジネスモデルの改善の方がより大事になりました。これは、新しいビジネスモデルなしに、国際競争に勝つことができなくなったからです。
そして、新しいビジネスモデルを考えるのは、銀行の得意分野ではありません。そこで、新しい民事再生法や会社更生法の改正により、企業が自分たちで最善の選択肢を決められるようになりました。

さらには、昔のメーンバンクによる経営再建よりも幅広い種類のビジネスモデルを使って、リポジショニングができるようになったのです。

労働市場における変革
第3に、労働法が改正されました。これは面白い要素の多い話であるため、また別の回でお話したいのですが、簡単にまとめると、終身雇用が変わり、非正規労働者が増えました。社会にとっては、解雇されることがないシステムは魅力的です。しかし、ビジネスの観点からすると、リポジショニングのために、柔軟性が必要です。 以前は、リストラが厳しく制限されていたため、利益の見込めないビジネスからの撤退は困難でした。このため、企業規模は拡大し、たくさんの無駄を抱えることになりました。

しかし、2003年ごろになると、リストラ、そしてビジネスからの撤退がしやすくなり、国際競争に勝てる戦略を練ることが容易になりました。もちろん、これは社会にとっては、成長痛のように痛い変化です。しかし、日本が市場本位の経済で国際競争に勝つためには、必要な変革でした。

選択と集中
では、ニュージャパン企業はどうやって、昔ながらの経営規模と安定性を重視した習慣から、利益率とポジショニングを重視した習慣に切り替えたのでしょうか。この変革期における日本のビジネスのキャッチフレーズは、「選択と集中」です。まず、企業は計画的に、競争できるビジネスを「選択」し、ほかのビジネスから撤退します。それから、研究開発費用や、製造に関わる資源をすべて、そのビジネスに「集中」させるのです。オールドジャパン企業はこれを得意としません。

日立製作所はまだ800以上もの子会社を抱えており、東芝やパナソニックも数百もの子会社を持っています。この中で、収益性が見込める子会社は実はさほど多くありません。 現在の国際競争で勝つためには、ビジネスの「集中」が必要です。それは、色々なビジネスで競争をしてしまうと、それぞれの分野で力強いライバルと競争しなければいけないからです。そのため、努力をすべて一番得意なビジネスに集中させ、その分野で競争した方が効果的なのです。

 

 

posted by タマラオ at 08:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記