2015年01月20日

日本に多大な利益をもたらす製品      No3

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それはスマホです!
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140508/264160/

どうしてこれが意外なのか
iPhoneと、日本のグローバル・サプライチェーンにおける役割に関する研究発表をするたび、多くの日本人の方に驚かれるだけではなく、信じてもらえないこともあります。これには2つ、大きな理由があると思います。 まず、素材や部品のメーカーの存在を知らないことが理由です。多くの人にとって、アップル、ソニー、パナソニック、サムソンなどのブランドは馴染み深いでしょう。これはテレビやパソコンなどにブランド名が必ず明記されており、毎日目にするからです。

これに対し、パソコンのハードディスク・ドライブや、液晶ディスプレイを作ったメーカーの名前を目にすることは滅多にありません。ましてや、その液晶ディスプレイに使われる素材を作ったメーカーともなれば、更に難しいでしょう。そういう意味では、日本の企業の付加価値を実感しにくいのは仕方がないのかもしれません。

利益率より経営規模を優先する日本人
しかし筆者の話を信じてもらえない最大の理由は、多くの日本人が”オールド・ジャパン”的な考え方を持ったままであるからだ、と思います。これについては、次のコラムで詳しく話そうと思うのですが、簡単にいうと、多くの日本人には、大企業に憧れる傾向が昔からあるからです。それはつまり、利益率より経営規模を優先する、ということです。日本の大企業の多くは多角化、つまり、様々な種類の商品やサービスを提供しています。

例えば、日立製作所はつい最近まで800以上の子会社を持っており、発電所からドライヤーや掃除機まで、電気に関わるすべてのものを生産していました。 掃除機など、家庭で毎日使われる商品も生産していたため、誰もが日立の名前を知っています。その半面、素材や部品を生産している企業は知名度が低く、比較的小さな企業である場合も多いため、日本人にとって、こうした企業が世界で活躍していると信じることは難しいのでしょう。

過去20年間で世界の経済は劇的に変わりました。先ほどのU字曲線からわかるように、部品を組み立てるだけの分野では利益率はとても低くなっています。1970〜80年代の日本企業の競争優位は、消費者向けの高品質な商品の大量生産、つまり組み立てとデザインにありました。 そこに、韓国、台湾、そして中国が追いついてきました。日本の企業は、U字曲線の中で”組み立て”にあたる分野から移動しなければ、利益を上げられなくなってしまったのです。

U字曲線上の「川上」に移動せよ
パナソニックやソニーは最近、消費者向け商品のビジネスを打ち切ると発表しました。ソニーはVAIOを、パナソニックは携帯電話を、もう生産しないというのです。この発表を聞いた多くの人々はこれを、“失敗”、“敗北”、“損失”、などと捉えます。しかし、これは経営戦略の観点からすると、とても賢い一手です。日本は部品の組み立てなどの単純作業を低コストでできるという優位性を失ったため、この分野で
利益を得ることが難しくなりました。国際競争に勝って成功するためには、U字曲線上の違う点に移動しなければいけません。

製造企業にとって、大抵これは川上に移動することを意味します。つまり、高い技術を要する付加価値の高い素材や部品を生産することにより、利益率を上げるのです。パナソニックが最近、アップルに部品を提供する企業に加わったことは、”勝者”への一歩を踏み出した、ということではないでしょうか。 嬉しいことに、多くの日本企業が、同じような変革を始めています。

 

 

posted by タマラオ at 05:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記