2014年11月28日

職人の技術は不可能を可能にする No1

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http://diamond.jp/articles/-/61595

日本は「木の文化」、西欧は「石の文化」とよく言われるが、木の良さが最近見直されている。建築のジャンルではかつての鉄とコンクリートの時代が終わり、木造の再評価が世界的に進んでいる。料理にも同じようなことが起こっていて、エルブジなどに代表される一時期の行き過ぎたものから、自然に回帰するような流れがある。業界外の人には気づきにくいことだが、器にも流行がある。例えばかつてフランス料理といえば、装飾が施された丸い陶磁器の皿に盛りつけられるものだった。

それがモダニズムの流れに従うように装飾が落とされ、民主的でフラットな白い皿に料理は盛られるようになった。そして、数年間だけ四角い皿が流行った後、やがて自由な造形の皿が用いられるようになった。このところはこれまでの冷たい印象のある陶磁器の器から、木や石などの温かみのある素材に関心が集まっている。なかでも木は自然をダイレクトに感じられる触り心地の良さと、温かさがあるので、心の落ち着きを求める現代人にぴったりだ。

北海道の木工の街で生まれた紙のように薄くて軽い「木のコップ」
以前、この連載で『折箱』を扱った際にも言及したが、日本の森林資源量は年々増加し続けているものの、利用率は40%に過ぎない。6割の森が放置されているわけで、日本はその資源を有効に活用できてはいないのだ。普段の生活のなかから木は遠ざけられた。極端な例かもしれないが、朝起きてから眠るまで一度も木に触れることなく時間を過ごすことだって可能である。そうした暮らしのなかで普段、森林について考える機会などない。

木工の街として知られる北海道、旭川にある高橋工芸は『Kami』シリーズなどで名前が知られる会社だ。現代の生活様式に溶けこむ製品をつくり、北海道産の落葉広葉樹であるセンの木でつくられたコップは特に有名で、セレクトショップなどで見かけたことのある人も多いかと思う。手に持ってみると誰もがその軽さに驚く。透けて見えるのではと思うほど薄いが、華奢な印象はない。実際、割れにくいそうだ。僕らがお邪魔させていただいた工房は、驚くほど小さく古い建物だった。ここで製造された商品が並べられている洗練された都会のセレクトショップとのギャップはかなりのものだ。

高橋工芸はもともと、家具の脚(飾り柱)などを手がけていた。やがて、家具の需要の低迷に伴ない、1980年台からカップやシュガーポットなどの制作をはじめる。大きな転機となったのは紙のガラスのように薄い木製品Kami Glassを発表した
ことだ。「あるバイヤーさんからそんな商品があったら面白いよね、というご意見をいただいて。やらないでできないというのは嫌なのでとりあえずやってみよう、と」代表取締役社長の高橋秀寿さんはいかにも職人肌という印象の方だ。

 

 

posted by タマラオ at 05:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記