2014年11月23日

熊本発のブランド魚「田浦銀太刀」 No2

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そして、決まった名前は「田浦銀太刀」。やはりしっかり、「キラキラネーム」だった。いきなりタチウオ業界へ「宣戦布告」 釣り上げられたタチウオ。その輝きは眩しすぎる!ブランド
化のために、鮮度維持の研究や扱いの徹底をはじめたものの、実際のところ当時は組合員全員にその意が届いていたわけではなかった。「そこまでやってもタチウオの値段が上がるとやろうか」という懐疑的な声も多かったという。しかし、ちょうどそのころ、熊本県が「くまもと四季のさかな」にタチウオを認定。

「田浦銀太刀」に白羽の矢があたり、熊本ブランドとして大々的にPRしようという話になった。ならば、宣材がなくては話にならない。県水産振興課のコーディネーターの指導のもと、田浦銀太刀のポスターを作成することになった。
キラキラの輝き、頭から尾までかけて途切れなく続いた背びれが美しくうねったバツグンに美しい、田浦銀太刀の「ポートレート」が撮影された。「ものすごく撮影には時間をかけた力作です」と野口さん。

たしかにカッコいい。“ギンギラギンのスター誕生”である。
その素晴らしい姿を強調するために、いさぎよくポスターは真っ白に。このテのポスターにありがちな「きれいな海」や「水揚げシーン」や「漁師の姿」も一切排除。さらには墨文字で大きく踊るように、勢いよくしたためられた「田浦銀太刀」の文字。かなりのインパクトだ。こうなったら、キャッチコピーもこの迫力に負けないものが必要だという話になった。そこでコーディネーターから提案されたコピーは、たしかに迫力があった。が、組合員一同、迫力がありすぎて、たじろいた。

「そ、そこまで言ってよかっだろか」「こんくらい言いきらんと、このポスターでは目立たない!」と説得され、「そう言われればそうかもしれないと思いまして……」(野口さん)と、かくしてその“衝撃的”なコピーは採用。ポスターにでかでかと掲載。
「これ以上の太刀魚あったら、出てこい!」 田浦銀太刀のポスター。しゅっとしたタチウオの艶姿に強気なコピー!いきなり「タチウオ業界」への宣戦布告。「ああ、言っちゃったって感じですよね…」と野口さん。

とはいえ「ここまで言ってしまったら、とにかく、徹底的にやるしかなかったんです」。究極の有言実行である。しかもポスターは大好評。あちこちから「貼りたい」とひっぱりだこで、組合には1枚しか残らなかったほどだ。万が一、「これ以上」が出てきちゃったら大変だ。そもそも味には絶対的な自信のある田浦のタチウオ。コピーの名に恥じないタチウオを世に送り出すための漁師たちの取り組みが本格化した。

不知火海に輝く「泳ぐ日本刀」 ベテランのタチウオ漁師・岩田栄治さん。最近まで、研修生にタチウオ漁の指導も行っていた 田浦のタチウオ漁は早朝4時頃から行われる。タチウオ漁歴
30年以上のベテラン漁師・岩田栄治さんの漁船は静かな入り江から不知火海の沖へと向かう。「ほかの場所のタチウオも食べたことがあるけれど、このあたりのタチウオは別格。外海とは味が違います。ほんなこつ、うまかとです」と岩田さん。タチウオは通年漁獲される。

「このへんでは1年中、よく食べますね。わたしは塩焼きがいちばん好きですね。あ、でも大きかものを煮つけにしてもおいしかですね。かき揚げもよかですよ」田浦のタチウオはひき縄漁で漁獲される。1本の釣り糸に、サンマを細長く短冊状に切った餌や疑似餌を仕掛けた60本程度の釣り針を取り付けて、水に投げ入れる。そして、船を出して釣り糸をひき、魚が泳いでいるように見せかけてタチウオをおびきよせる。タチウオにエサを噛み切られないように、船に対して釣り糸は45度の角度を保って進行する。

 

 

posted by タマラオ at 06:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記