2014年11月20日

村人を殺す工場の排ガス No1

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http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20141111/273667/?n_cid=nbpnbo_rank_n

2014年11月6日の早朝、貴州省“遵義市”の管轄下にある“桐梓(とうし)県燎原鎮”の“油草村”で、同村“天馬組”の村民“趙水丘”が「がん」で死亡した。享年51歳だった。趙水丘は油草村で生まれ育ち、地方へ出稼ぎに行ったこともなく、長年にわたって農業に従事していた。これより先の10月18日には、油草村“紅籽(こうし)組”の“牟朝江”が65歳で死亡したが、死因は白血病であった。油草村で過去2カ月間に村内の化学工場が排出する有毒ガスによって死亡したのは7人で、牟朝江は6人目、趙水丘は7人目の犠牲者だった。

排出基準の達成実現のはずが…
桐梓県は貴州省の省都“貴陽市”から北に約200kmに位置し、16の“鎮”と8の“郷”からなる。2012年末の戸籍人口は71万5319人であり、このうち農業人口が86.5%を占めている。桐梓県に属する燎原鎮は人口約1万8700人で、油草村を含む7つの“村”で構成されている。その油草村にあるのが問題の化学工場“桐梓煤化工(石炭化学工業)”である。

桐梓煤化工は国有企業である“貴州赤天化集団”傘下の企業として2007年5月に設立された“貴州金赤化工有限責任公司”によって建設されたもので、その総投資額は約48億元(約845億円)。2007年7月28日に工場建設の起工式を行い、4年の歳月を経て工場が完成し、2012年1月10日に試運転に成功したのだった。桐梓煤化工の主要製品は、合成アンモニア(年産:30万トン)、メタノール(年産:30万トン)、尿素(年産:52万トン)であり、副産物として硫酸アンモニウム(年産:10万トン)、硫黄(年産:2万トン)が生産される。

この工場はエンジニアリング会社“北京化福工程有限公司”が、地元の貴州省で産出される“煤(石炭)”を原料とし、「石炭・水スラリー気化技術」を採用して建設したものであった。この工場は貴州省の重点建設事業である「三大石炭化学工業基地」の一つで、環境保護に力点を置き、資源とエネルギーの高率利用、廃棄物と汚染物の環境保護的処理と排出基準達成の実現を確保したはずのものだった。なお、桐梓米化工の原料となる石炭の年間消費量は、“原煤(原炭)”150万トンとされる。

ところが、桐梓煤化工の操業が始まると、毎日排出される大量の有毒ガスが油草村をむしばみ始め、工場の工員や工場周辺の村民が肺疾患やがんに侵されるようになったのである。桐梓煤化工の工員が語ったところによれば、2000人の工員がいる同工場では排出される有毒ガスによってすでに多数の工員が死亡しており、これら死亡した工員の遺体は人目につかぬよう密かに工場から運び出されているという。

会社側は工員たちがこの事実を口外しないように、かん口令を敷いて外部への情報漏えいを防いでいるのだという。一方、工場周辺の村民は毒ガスを吸い込んだことによる中毒で、一時期には20日間に3人が死亡したこともあったが、彼らは全員が50〜60歳であった。

 

 

posted by タマラオ at 07:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記