2014年10月24日

中国ビジネス最前線    No2

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会社が従業員との間の労働契約を合意解除する場合、日本企業は「従業員をどう満足させるのか」という課題と直面する。経済補償金は、「10年勤続であれば10ヵ月分、5年ならば5ヵ月分(の基本給を支給)」と法定基準額があるが、中国ではそれに“色づけ”するのが常識とされ、ナイキが江蘇省にある靴の生産ラインを撤退させる時には「法定基準額+1ヵ月分」という形で処理した。

日系企業にとってもまた、その“色づけ部分”をどう扱うかが焦点となる。少なすぎれば暴挙に出られ、多すぎればさらに「もっと出せ」と足元を見られるからだ。北京大成(上海)律師事務所で高級顧問として活躍する高居宏文氏のもとには、日系企業から多くの撤退案件が寄せられる。高居氏は「会社の利益よりも事なかれ主義で通そうとする日本企業」を懸念し、その問題点を次のように指摘する。 「『プ
ラス2ヵ月』もしくは『法定金額の20%プラス』が中国の相場です。

この相場前後に収まっていればリーズナブルといえる。財務状況が悪ければ『プラス1ヵ月』の提示でも御の字。けれども、暴動という面倒を回避するために、弁護士事務所や地方政府は『多ければ多いほどいい』と提案することもある。日本の大企業ほど、これを鵜呑みにしてしまうのです」また、この“色づけ”には、現地の総経理職に就く日本人の、微妙な心理が働いているとも語る。 「“色づけ部
分”を引き上げる張本人は日本人総経理、そんな傾向も出てきています。

暴挙に出られるよりは、『ありがとう、総経理』と言われたいのでしょう。従業員に対して『本社からいい条件を引き出すから』と、半ばヒーローを演じようとするために、すっかり従業員の代理的存在に陥るケースもあります。本社の事なかれ主義も問題。暴動の発生を恐れ、結局『総経理が決めよ』と判断を押し付けてしまう。本社から突き放されれば、日本人総経理は中国人従業員のご機嫌を取らざるを得ません。複数の案件からはそんな構図が浮き彫りになります」

撤退に当たって取るべきアプローチは?
では、日本企業は会社清算に当たって、どのようなプローチがベターだと言えるのだろうか。高居氏は5つのポイントを挙げる。すなわち、@日本企業のような民主的解決は避ける、A計画・時期・金額は秘密裏に決める、B一度、案を示したらそれを曲げない、C提示から合意まで一気呵成に行う、D従業員を団結させずできるだけ分散させる、というものだ。「民主的解決」は数年前、某家電メーカーが清算時に採った手法だが、従業員との「話し合い」が仇となり、補償金額がどんどん吊り上げられた。

また、一方で、案を出したなら最後まで踏ん張るのが得策だ。 「初志貫徹しようとすれば対立を生み、従業員からの袋叩きを覚悟しなくてはならないでしょう。しかし、たとえ従業員に囲まれ軟禁されてもせいぜい2日が限度、iPadやゲーム機など楽しめるものを持ち込んで気長に対応するのが肝心です。要は、“提示金額は変えない”という態度を徹底して貫くこと、そうすれば従業員も根負けして合意解除に応じます」と、高居氏は主張する。

 

 

posted by タマラオ at 08:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記