2014年10月09日

香港の雨傘革命      No1

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中国共産党は、天安門事件以来最大の困難に直面している。今回は、あの時よりも賢明な判断を下さなければならない。

香港の民主派デモ、警察が催涙弾を発射 香港の民主化要求デモで、雨傘をかざし警官隊のペッパースプレーを遮る参加者たち
世界史上、最も多くの血が流された10の紛争のうち、2つは世界大戦だった。残り8つのうちの5つは、中国で起きたか、中国に端を発したかのいずれかだ。1つの国の中でこれほどの規模の虐殺が起き、これほどの頻度で国が血に染まるのは、ほかの国には理解しがたい。 

19世紀半ばの太平天国の乱では、2000万人を超える死者が出た。その10年後の漢民族とイスラム教徒の衝突では、さらに800万〜1200万人が犠牲になった。20世紀には、毛沢東政権下で2000万〜3000万人が死亡した。一部は殺され、多くは統治の無情さと無能さの結果生じた飢饉の犠牲になった。中国共産党の指導者たちが必死に権力にしがみついているのは、間違いなく自分たちのためだろう。

だが、彼らがあれほど頑なに、偽の民主主義に代わって本物の民主主義を求める香港のデモ隊の要求をはねつける理由は、中国の暗い歴史からも説明できる。 中国の習近平国家主席とその仲間たちは、共産党による支配こそが、国の安定を保証する唯一の道だと信じている。党が手を緩めたら、この国は無秩序と災厄に陥ると恐れているのだ。確かに、専制政治は短期的には国の安定を保てる。だが長期的には、中国自身の歴史が示している通り、安定を維持することはできない。国の安定を保証する唯一の要素は、国民が政府に満足していることだ。そして中国では、共産党に対する不満が高まっている。

悪い兆し
デモ参加者が警官隊の催涙スプレー(と日差しと雨)を遮るために携えている傘にちなんで「雨傘革命」と名付けられた今回の香港の抗議活動のきっかけは、中国政府が8月末に、香港の次期行政長官選挙の候補者を、共産党支持者が大半を占める「指名委員会」により絞り込むと決めたことだ。 抗議活動の参加者たちは中国政府に対し、香港が英国から中国に返還された1997年に交わされた「民主主義を維持する」という約束を守るように要求している。

香港ではどんなことでも大抵そうだが、抗議活動は驚くほど秩序立っている。警官隊と夜間の衝突があった翌日には、学生たちが街路に散らばるペットボトルを集め、リサイクルに回していた。 一部のデモ参加者にとって、民主主義は基本的な理念に関わる問題だ。また別の参加者は、中国本土の中間層の人々と同様、住居や教育、自身の仕事の先行きを心配している。彼らが代議制を求めるのは、現在の政治の形に不満があるからだ。その動機が何であれ、香港の抗議活動は、共産党を悩ます問題を体現している。

今回の抗議活動は、カイロやキエフで独裁者を倒したここ数年の暴動を思わせるだけでなく、25年前に天安門広場に集まった学生による抗議活動も思い起こさせる。 天安門広場の学生たちに発砲するという判断は、秩序の回復には効果があったものの、同時に不信を生んだ。その不信は今でも、中国に対する世界の扱い、そして中国国民に対する中国政府の扱いの隅々に浸み込んでいる。

 

 

posted by タマラオ at 06:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記