2014年10月08日

金融街を占拠せよ@香港 No5

148.JPG
中国政府の変節
中国がこの道に進む必然性はなかったし、今日でもない。1997年の返還後の数年間、中国は実に巧みで洗練されたやり方で香港を扱っているかに見えた。出版の自由は維持され、司法は立法府や行政府からの独立を保っていた。中国政府は、心を揺さぶる天安門追悼集会が毎年6月4日に開催されることすら容認している。香港のベテラン民主活動家、マーティン・リー(李柱銘)氏は4年前、中国が香港に自由の維持を大幅に認めていることについて「うれしい驚き」を覚えていると筆者に語ってくれた。

ところが今年に入って再会した時、李氏の見方は完全に変わっており、中国政府は香港の民主主義を否定して司法の独立性も低下させるつもりでいるようだと警鐘を鳴らしていた。この4年間にいったい何があったのか。ひょっとしたら、北京の共産党が以前よりも強引かつ不寛容になったのかもしれない。あるいは、香港に本物の民主主義が芽生えるようなことをするつもりなど全くなかったのかもしれない。 今後数日間、世界の人々の目は香港市街に注がれることになるだろう。

しかし、中国本土の一般市民の反応も重要になる。中国政府が最も恐れているのは、民主化を求めるデモが本土に広がることだからだ。中国政府は、中国の公式メディアやインターネット上で香港からの報道をブロックしようとしている。抗議行動が続けば、中国本土の市民と香港の市民との間にある潜在的な敵愾心も利用しようとするかもしれない。 香港では、本土の市民が粗野な侵入者として描写されることが時折ある。

そして本土では、香港の市民が植民地時代を懐かしむ、愛国心のない甘やかされた子供として描写されることが時折ある。 香港の抗議行動がエスカレートしたら、中国のナショナリストのメディアは、香港市民は真の中国人以下の存在だという考え方を持ち出してくるかもしれない。その場合、香港に対する中国の公式的な反応は、ウクライナでのデモに対するロシアの反応を想起させるものになるかもしれない。

ロシアによるクリミア併合と同様の悪影響も
ロシアと中国では、ウクライナ人と香港人はおとなしくしている限り兄弟として受け入れられる。しかしいったん歩調を乱せば、あっという間に評価が逆転して西側の帝国主義の手先だと指弾されかねない。 もちろん、香港は中国の主権が及ぶ地域の一部だがウクライナは独立国だという違いはある。しかし、香港の抗議行動に暴力的な結末がもたらされれば、ロシアによるクリミア併合がロシアと西側の普段の関係を破壊した時とほぼ同様な確実さで、中国と西側諸国との関係も崩れることになるだろう。

中国政府は今、次の一手を考えているところだ。香港のために、中国のために、世界経済のために、そして国際政治の安定のために、正しい対応を取ることが極めて重要だ。

 

 

posted by タマラオ at 06:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記