2014年08月12日

海を渡るおじいさんのトラクター No4

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リーマン・ショックで会社が大ピンチに
──2008年に全国の農家から直接農機具を買い取るサイト「農機具買取ドットコム」をオープンしました。個人の農家から直接買い取るというのも、画期的なことだったそうですね。
幸田 前から、そういうことはいつか誰かがするだろうなと思っていました。自動車やバイクの中古市場と同様に、個人から直接買い取る会社が必ず出てくるだろうと。自分たちがやってみたいという気持ちはあったんですが、農機具店を飛び越えて農家さんから直接買い取ってはいけないなと思って控えていたんです。そうしたらリーマン・ショックが起きてしまった。リーマン・ショックの影響で超円高になり、会社は赤字になりました。

1ドル120円ぐらいだった頃は、国内で高く仕入れても外国に高く売ることができましたから、どんな値段でもかまわずに買いまくっていたんです。だけどリーマン・ショック後は1ドル70円前半にまで落ちて、窮地に陥りました。 仕入れを見直さなければもうやっていけない、というところまで追い詰められて、国内に目を向けざるを得なくなった。そこで、一般の農家さんからの直接買い取りと国内向けの販売を始めたんです。

──まさにピンチをチャンスに変えたということですね。
農家から寄せられる「ありがとう」の声

──会社の敷地に大量の農機具が並んでいるのを拝見しましたが、どれも相当古いですね。
幸田 あれらはすべて海外に輸出する農機具です。海外に出しているのは、基本的に日本の流通には乗せられない機械なんです。作られてから20年、30年経っていて、もう部品も手も入らない。今までは捨てられていたようなものばかりです。 確かに見た目は古いですよ。こんなの売れるんだろうかって思いますよね。けれども農機具って実は年に1〜2回しか使わないものが多いんです。だから見た目は古くてもコンディションはいい。そういうのを海外のお客さんは修理して、新品のようにきれいにして販売しているんですよ。

──日本の農機具は喜ばれるんですか。
幸田 非常に喜ばれます。日本製は性能が高くて故障が少ないですからね。あと、日本製というのは、やはり今もブランドなんです。特に東南アジアでは憬れの目で見られていますよね。

──お客さんに喜んでもらうことは商売の基本ですね。
幸田 農機具を買い取らせていただく国内の農家さんも、すごく喜んでくださいます。毎日のように「ありがとう」というお礼のハガキが届きます。 そのお気持ちはすごくよく分かるんです。お金じゃないんですよ。農機具は農家のおじいさんやお父さんが何十年も連れ添って使ってきたんです。それを処分してしまうのではなく、第二の国でまた次の人に使ってもらえるというのは、やはりすごく嬉しいことなんだと思います。そういう声を聞くと、やっぱりこの商売をやっていてよかったなと感じますよね。

 

 

posted by タマラオ at 05:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記