2014年07月29日

日産の設計革命、脱プラットホーム共有化戦略 No3

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CMFではこうした上位統合の概念を捨て、車体重量が近い車同士で部品の共通化を進めていくことも大きな特徴であろう。 CMFではこれまで「聖域」とされていた電子の共通化に力を入れ
たことでも注目される。「プラス1」の部分に当たる電子制御のモジュール開発のことだ。電子制御は、同じ日産社内でもブラックボックス化され、車種間で電子部品の共用化がいつまでたってもできなかった。

「機械屋」中心の車体設計から見れば、電子部品のスペックや通信方法は口が出せない世界だったが、ここにメスを入れ、電子制御ユニットのインターフェースや通信のルールといった「電子のアーキテクチャー」を決めた。たとえば、速度調整やエアコンコンプレッサーの制御は、日産ではエンジンの電子制御ユニットで対応していたが、ルノーは別のユニットが制御していたのを統一化した。

このCMFを推進していくと、車の構造がモジュール製品であるパソコンと似てくる。しかし、違う点もあるし、そこが自動車メーカーの競争力を握る点である。  パソコンはモジュール部品間のインター
フェースを公開しているが、CMFは公開しない。自動車の場合、モジュール間の相互作用が安全や騒音に強く影響するため、シミュレーション技術などを駆使して最も適切な組み合わせを実現させることが自動車メーカーのノウハウである。

加えて、共通化を推進していく開発プロセスで、どこが固定部で、どこを変動部として残すのか、ルノーも交えて関係部署が徹底的に議論している点も興味深い。固定部がコストを意識して共通化する部分で、変動部が車の味を出して他社製品との差別化につながる商品力に直結する部分である。固定部を多くすれば特徴のない車となり、変動部を多くすれば、CMFの意義が失われてしまう。

筆者が興味深いと言ったのは、車の構造は一見パソコン的になるが、仕事の進め方はより「擦り合わせ的」になっているからだ。日産車の開発では大きく3つの機能がある。プラットホームを開発したり標準技術を作ったりする車両計画と、個別の車種を開発するチーフビークルエンジニア(CVE)、サスペンションや電子制御といった個々の部品開発の3つだ。この3機能が、開発の源流段階で固定部と変動部をどう区分けするかを徹底的に詰めた。

車両計画は標準化を推進することで固定部を増やしたい流れに陥る傾向にある。一方でCVEは特徴ある車を世に送り出すために変動部を多くしたい。部品開発は車の構造が複雑化したことで細分化されている。ややもすれば、意見の食い違いで調整がつかない。しかも、日産だけではなく、これにルノーの開発も加わるから複雑さが増す。  こうした時に、ルノー日産アライアンス
CEOオフィス室に所属する山本部長らが調整役となる。

他社とのベンチマーク、これから出てくる新しい技術や規制、長期の製品戦略を考慮し、固定部と変動部を決めていった。 「変動部はこれまでは完全フリーでCVEの裁量に委ねられていま
したが、変動部であっても予め決めた技術や部品のバリエーションの中から選ぶ方がいいケースもある。一方でそれをやり過ぎると、固定部を増やし過ぎるのと同様に車の魅力が低下するかもしれない。どこまでなら大丈夫なのかを見極めることも自動車メーカーのノウハウです」と山本部長は言う。

 

 

posted by タマラオ at 06:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記