2014年07月06日

じつは世界の寿司ブームを支えていた!?      No2

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大山食品では黒酢や米酢をはじめ、果汁を混ぜた飲めるタイプの酢など様々な製品をつくっているが、それらはすべてこの土地の恵みと言っていい。ところで本物の黒酢作りは「畑」で行われることはご存じだろうか?「畑」といっても作物を育てるわけではない。南斜面にある畑には雨よけのアルミ傘をかぶった大きな甕がずらりと並び、太陽の光を反射してまぶしいくらいだ。黒酢を育てるのは南国の太陽の力なのである。

畑と呼ばれる場所。太陽エネルギーを利用してるわけだから、エコ。昔ながらの日本の技術は今の時代にこそ見直されるべきかも。「この甕は元々、焼酎をつくるのに使っていたものを譲り受けたものです。こうした甕をつくっているところももうほとんどないので、なくなってしまうと困るものですね。ちなみに焼酎の甕はいいんですけど、漬け物屋さんの甕は乳酸菌が住み着いているので、酢作りには使えないんですよ。

この瓶のなかで綾産の有機玄米と地下水、黒麹、種酢を入れて、発酵させます。昭和5年の創業以来、なにも変えていません」甕の口は米袋でふたをし、そこに五円玉を置く。五円玉の色の変化で、内部の発酵状況を見極めるそうだ。

「銀行さんには怒られちゃうかもしれないですけどね」
大山さんはそう言って、静かに笑う。酢作りの工程は実にシンプルだ。甕に種となる酢を入れ、米麹と蒸した玄米、水を入れ、その表面に振り麹で蓋をし、真っ赤に焼いた炭を投入してすぐに紙蓋をする。そうしてただひたすら待つのである。待つこと6ヵ月。屋内タンクに移してさらに6ヵ月間待って、ようやくできあがる。機械速醸法という方式で1日でつくることのできる酢も世の中にはある時代に、昔ながらの味をつくるのにはやはり時間がかかるのである。

「通常だと1年や2年、寝かせるものですが、今は試験的に5年寝かせたものをつくっているところです。かなりいい感じに、熟成が進んでいます」気の長い話だが、プレミアムな酢ができるのが楽しみではある。ところで甕で仕込む前に焼いた炭を入れるのが大山食品独特の製法だ。

──それにはどういう理由があるんですか?
「それがよくわからないんですよ。色々調べたんですが、ほかにそういうところをやっているところはない、と。炭は多孔質で微生物にいいとか、場を良くするとか、色々とあるんだと思うんです。でも、昔からやっていたからとにかくそれを守っていこう、と」理由はわからないというが、とにかくそうした製法を受け継ぐことで、大山食品の黒酢の味は守られている。鹿児島の黒酢に比べるとすっきりとした味わいだが、成分分析を見ると酢酸以外の成分の多さに驚くだろう。なにより旨味成分となるアミノ酸が非常に豊富で、直接飲めるのはもちろん料理に使うのにとてもいい。

 

 

posted by タマラオ at 07:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記