2014年07月02日

知られざる黒子、「わらべや日洋」の素顔 No2

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苦労して開発したレシピも他社と共有
わらべや日洋が開発した商品が全国展開される場合、九州など自社工場がない地域ではどのように商品は作られているのだろうか。実は、わらべや日洋が開発したレシピを基に、他のメーカーが生産を分担している。 セブンの傘下には「日本デリカフーズ協同組合」という組織がある。1979年に設立され、現在、セブンにおにぎりや弁当、サンドイッチ、総菜、デザートなどを納入しているメーカー約80社が加盟する。

この協同組合が、セブンが発売するすべての商品のレシピを管理する。つまり、わらべや日洋が開発したおにぎりや弁当のレシピも、セブンの指導の下でこの協同組合で共有されているのだ。 セブンは、安定調達の観点から1つの商品を2つのメーカーに作らせている。そのため、わらべや日洋が開発した商品も、協同組合を通じて常に複数のメーカーが生産している。

自社工場がない地域や、商品がヒットして自社工場だけでは生産を請け負いきれなくなった場合も同様で、セブン側がほかのメーカーの工場に生産を割り振っている。こうした生産体制を機能させるために、セブンに商品を納入するメーカー同士がレシピを共有することが不可欠なのだ。全国で均一の味にする必要があるため、毎週、メーカー同士の擦り合わせが実施されているという。

競争を強いる「エリアの陣取り合戦」
消費者が全国どこでも同じ味のセブンのおにぎりが食べられるのは、この協同組合の存在によるところが大きい。だが、メーカーにとっては、それは厳しい競争を強いられる仕掛けでもある。 レシピが協同組合で管理されるということは、いわば独自の開発ノウハウがライバルメーカーに真似される可能性にさらされることを意味する。だが、それを恐れて商品開発を怠れば、他社が開発した商品の生産が割り振られるのを待つだけになってしまう。そうなれば、協同組合内での生産シェアは上がらず、工場の稼働率向上もおぼつかない。

だから、ライバルに先んじて生産の優先権を獲得しようと、商品開発に必死になる。 わらべや日洋の妹川社長は、「(セブン向けに商品を供給するメーカーは)エリア取り競争を展開している」と話す。セブンは現在、約1万6000店舗を持ち、今年度は1600店舗の出店を計画している。セブンの店舗拡大に応じて、どのエリアに工場を建設するかという競争が、メーカー間で繰り広げられているのだ。

例えば、わらべや日洋は6月9日、同社で26番目となる工場を、埼玉県さいたま市で稼働させた。チルド商品の最新工場で、投資額は約26億円。従来の工場の約2倍の投資金額となった。一方、わらべや日洋の新工場が稼働する3日前、兵庫県小野市ではハム・ソーセージ最大手の日本ハムが、セブン向けにチルド商品の工場を新たに稼働させた。セブンが注力するチルド商品の受注を獲得しようと、東と西でエリア獲得合戦が起きているわけだ。

 

 

posted by タマラオ at 05:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記