2014年06月14日

日本3大発明の1つ「亀の子たわし」100年間も愛され続ける理由   No2

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『亀の子たわし』の誕生は1907年まで遡る。ことのはじまりは初代西尾正佐衛門が発案した靴拭きマットだった。それまでの縄を編んだだけのマットと違い、針金にシュロ(棕櫚)をまきつけたそれは道路が舗装されていない時代、靴についた泥を落とすのに都合が良かった。この足拭きマット、はじめは評判を呼んでよく売れたが、体重の重い人が載ったり、何回も使用しているうちにシュロの毛先が潰れて使い物にならなくなってしまうため、その後は期待したほど売れなかった。

「これはいかんなぁ」という折、正佐衛門は妻が返品されてきたマットを切りとり、シュロが巻きつけてある針金を折り曲げたもので、障子のサンを掃除している姿を見た。 「これだ!」昔からたわしのように使われていたのは藁や縄を束ねたもの。針金で巻いたシュロなどという今から見ればお馴染みの「たわし」はそれまで存在していなかったのだ。正佐衛門は、掃除道具は女性が多く使うものだから、と妻の手の形にあわせて試作を繰り返した。

しかし、形は出来たが、名前が決まらない。日がな一日、考えていると子どもが亀と遊んでいる場面と出くわした。「たわしはカメに似ている。それにカメは水に縁もある。亀たわし、いや、かわいくするために子をつけて『亀の子たわし』というのはどうだろう。亀は万年ともいうし、縁起もとてもいい……というわけです」──亀に似てるからっていう理由もすごいですよね。外国人の方が見たら、亀だって思うんですかね?「……いや、思わないでしょうね」

これ、なんだと思います?実は玄関に置いておく靴ふきとして開発 されたタワシ。しかし、日本人はやはり動物の形をしていると踏み にくいらしく、ガーデニング用品として買われていく人
が多いとのこと苦笑されてしまったが、それが100年続くネーミングとなったわけだから、よい名前には違いない。なんといっても一般名詞にまでなり広辞苑にまで収録された商品名というのはそうない。なぜ、西尾正左衛門はこのネーミングを思いつくことができたのだろうか。

『声に出して読みたい日本語』で知られる斎藤孝先生は『ロングセラーの発想力』(ダイヤモンド社)という本の中でこんな風に解説していた。「おそらく、氏の頭の中は束子のことでいっぱいだったのだろう。そうでなければ普通、カメを見ても束子には見えない」……いずれにせよこういった経緯で『亀の子たわし』の誕生とあいまった訳である。めでたし、めでたし……でも、現実は「漫画はじめて物語」のようには終わらない。その後、正左衛門の西尾商店は『亀の子たわし』を世に送り続けるのだが、その間も様々な出来事が会社を襲うのである。

「まず、質の低い模倣品、類似品が続出したことです。うちの会社は売上の半分を訴訟に注いでいた、という時期もあったようです。例えばお馴染みのこのパッケージ。外から中身が見えません。(現在は後ろからは見えるように改良されている)買うときに中身が見えない商品というのは普通ありえませんが、こんな風になったのにはそのあたりにも理由があるんです」特許侵害に苦しんだ『亀の子たわし』はある時、訴訟で戦うのをやめ、広告による認知の徹底に方針転換する。

もう〈品質で信頼を勝ち取るしかない〉と、この時期からブランドとしての『亀の子たわし』が定着し、現在に至るのだ。「近年では百円ショップなどの登場によって、中国製などの類似品が出回りました。でも……やはり質が低いですね。こんなこと言うのはあんまり好きじゃないんですが、食べ物に近い場所、あるいは食べ物に使える代物じゃないと思います。匂いを嗅げばわかりますよ。粗悪な製品は油臭かったり、薬品臭かったりする。

 

 

posted by タマラオ at 06:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記