2014年05月12日

企業カラー    No1

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ファナックの黄色くないロボット 企業カラーを逸脱した理由   日経ビジネス  2014年4月22日   佐藤 浩実   
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20140421/263209/?n_cid=nbpnbo_bv_ru

マクドナルドは赤字に黄色、吉野家はオレンジ、ローソンは青…。外食チェーンやコンビニエンスストアについて考えるとき、それぞれの店が使っている色が思い浮かぶことは少なくない。青い看板の文字がはっきりと見えなくても、「2つ先の交差点にローソンがある」と察する人も多いだろう。それだけ、色は企業を表す重要な要素と言える。産業機器の業界でその効果を徹底的に利用したのが、ロボットや工作機械用のコンピューター(NC装置)で高い世界シェアを持つファナックだ。

BtoB(企業と消費者間)の企業なので、先に挙げた流通各社ほど一般に知られているわけではないが、ファナックに関わるモノはことごとく黄色い。 代表例が日産自動車やスズキ、いすゞ自動車の工場でクルマを組み立てているロボットだ。工場見学で見たことがある人もいるかもしれない。このほかにも、大田区や東大阪市の町工場には扉の黄色いファナック製の工作機械がよく置いてある。機械の修理にやってくるサービス員のクルマも黄色いし、本社で働く社員の制服も黄色い。山梨県忍野村にある工場群の外壁も鮮やかなまでに黄色いし、来客用のおしぼりや弁当の箸袋も黄色だ。

ファナック製工作機械の扉も黄色い  社屋も黄色い  制服も黄色い
こうした徹底ぶりにより、工場の生産技術者などモノ作りに携わる人は大抵、この色を見るだけでファナックという企業を思い浮かべるようになった。日本だけでなく、米国の自動車会社や欧州の機械メーカー、中国や台湾のEMS(電子機器の製造受託サービス)にとっても、「ファナックと言えば黄色」「黄色と言えばファナック」だ。どの国の機械見本市でも、黄色い方角を目指せばファナックのブースにたどり着く。

同社の関係者によれば、創業初期は黄色くない商品もあったが、今は食品工場向けの白い搬送ロボットなどを除けば黄色が徹底されているという。そして、約5000人の顧客を招いて毎年4月に本社で開く「新商品発表会」は、これらの黄色が一同に会する場だ。 しかし、今年は例年とは違った。

新製品発表会で異色のロボット
4月15日の新商品発表会で披露されたロボットが1台だけ、全く黄色くなかったのだ。「若竹色」というのがぴったりかもしれない。薄い緑色のロボットが、黄色いロボットと黄色い制服の社員が溢れる会場のなかで異色の存在感を放っていた。生産技術者や設備購買の担当者という「黄色」に慣れ親しんだ人ばかりが訪れる発表会というのも手伝い、緑色のロボットの周りは人垣で溢れ続けた。

4月に初公開したロボットは薄い緑色
記者も過去に4回ほどこの発表会を訪れているが、緑のロボットを見るのは初めてだった。なぜ、黄色くないのか。2014年中に量産化するという緑色のロボットを観察してみた。 緑色のロボットは黄色いロボットと形はほとんど同じだが、動きが緩慢だ。ファナックの説明員によると「最大でも秒速250ミリメートルに抑える」と言う。手で触れると鋳物の肌触りではなく、表面がやわらかいスポンジになっている。ロボットが動いているときに動線上に腕を伸ばしてぶつかっても大して痛くないし、内蔵した力センサーが反応してロボットも止まった。

 

 

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2014年05月11日

創意工夫がタクシー業を変えていく No8

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顧客との関係づくりから始まるサービス

国際ハイヤー教育指導統括責任者川中 敏弘 氏各国の要人やVIPの送迎に活用されるハイヤー。ホスピタリティという言葉はハイヤーにこそなじみがあるかもしれない。国際ハイヤーで24年間ドライバーを務めている川中敏弘さんは、その独特のサービスについてこう語る。 「ホテルマンやキャビンアテンダントに例えられることもありますが、
運転から環境づくりまで、すべてを1人のドライバーが担うという点において、分業で提供するサービスとは大きく違うと思います」

また、ハイヤーは顧客からの予約が前提のため、次も指名されるようなサービスを提供し続けないと成り立たない。顧客との関係づくりにも特別な姿勢が必要だと川中さんは言う。 「スピードや快適性、環境づくり
といった面で、そのお客さまが求める移動を柔軟に実現しなければなりません。これにゴールを求めず、常に問い続ける姿勢が重要だと思います」


行動と工夫の積み重ねがホスピタリティを生み出す
国際自動車企画・広報室李 斯慧 氏今年で入社3年目となる李斯慧(りしえい)さんは、この4月に新設された企画・広報室で、ホスピタリティという考え方を社内に周知することに取り組んでいる。 「私たちの考えるホス
ピタリティは、社員一人ひとりの感性を活かすことが基本です。『その時』『その場』『そのお客さま』さらに他の運転者、歩行者の方々に、最善と思われることをして差し上げることと定義しているのです」

現在、各営業所では、出庫前に、企業理念・経営方針・モットーを社員全員で唱和し、毎月一回ホスピタリティ・ブックを読み込み確認し合う取り組みが行われている。また、ドライバー同士がホスピタリティの実践についてのディスカッションを行うことも珍しくない。そのような行動の一つ一つが、グループ全体のホスピタリティレベルの向上につながっている。中国から日本に来て9年。自ら、バイリンガルサービスを拡充する施策に取り組み、国際自動車の「国際化」を進める。「英語を話せるドライバーは現在も500人ほど在籍していますが、今後は、中国語、
韓国語のサービスも充実させて、海外からのお客さまにもっとご利用いただけるようにしていきたいですね」

自ら期待値を上げ業界の変革を目指す
各現場の社員の話を聞いてみると、ホスピタリティのあり方に関する唯一の答えがあるわけではないことがよくわかる。それぞれの業務に求められるホスピタリティとは何か──。そう不断に問い続け、実践を続けることこそが、国際自動車のホスピタリティの内実である。そういってもいいかもしれない。 理念やマニュアルといった仕組みづくりが一方にあ
り、現場で臨機応変に顧客からの期待に応えていくことが一方にある。

その2点がバランスよく両立しているが故に、社員の一人ひとりがモチベーションを持って創意工夫に努めることができる。社員への期待値を上げ、会社への社会からの期待値を上げること。この取り組みによって、国際自動車は今、タクシー業そのものを変革しようとしている。

 

 

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2014年05月10日

創意工夫がタクシー業を変えていく No7

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車両への気配りが快適な運行を支える
国際自動車東雲工場工場長林 和人 氏乗客がタクシーに第一に求めるのは、安全な運行である。それを実現するには、車両を常にベストなコンディションに保っておくことが必要だ。つまり、ホスピタリティのベースをつくっているのが、国際自動車の社内工場のスタッフたちである。社内工場の一つ、東雲工場では、営業所のタクシー約170台とグループ会社のハイヤー約240台の定期点検、車検、一般整備が行われている。1日に扱う車両は、平均20台に上る。

「計画的整備を徹底しているのが当社の工場の特徴です。故障してから修理するのではなく、定期的に部品を交換していき、故障を未然に防ぐことをモットーとしています」そう話すのは、工場長の林和人さんだ。その取り組みの結果、営業運行中の路上故障は、毎年ほぼゼロを保っているという。車を安全に運行できる状態にし、ドライバーの快適な運転を実現する。それが結果として乗客へのホスピタリティにつながる、そう林さんは言う。

国際自動車のホスピタリティを目立たぬ場所で、しかし確実に支えているのが、工場のスタッフたちなのである。


ホテルの従業員のような接客を目指したい 現在、kmグループの女性タクシードライバーは計39人。今後も、女性を積極的に採用していく予定だという。国際自動車タクシードライバー御子柴 良美 氏御子柴良美さんは、
そんな女性ドライバーの一人。ドライバー歴は4年半ほどになる。 「正直、以前はタクシー会社に対するイメージはよくありませんでした。しかし、国際自動車の採用担当者と話し、社員への対応や顧客サービスに対する考え方がとてもしっかりしていることを知りました。

タクシー会社へのイメージが変わり、入社を決めました」勤務時間は、19時から5時まで。夜間、女性客にも安心して乗ってもらえるのが、女性ドライバーの利点であると話す。 「運転がソフトで乗り心地がいいと
もよく言っていただきます。お子さま連れのお客さまに、女性ドライバーでよかったと喜んでもらえることもありますね」いつも笑顔を絶やさず、ホテルの従業員のような接客を行うのが御子柴さんの流儀。女性ならではのきめ細かな応対が、乗客の満足度につながっている。

思いやりや感謝の気持ちがホスピタリティの基盤 観光バスのガイドは、乗客と長時間接する仕事だ。ガイド次第でツアーの満足度が大きく変わるという点では、最もホスピタリティが重要な仕事であるといってもいいだろう。
ケイエム観光バスバスガイド 落合 可奈 氏ケイエム観光バスのガイドとなって5年目となる落合可奈さんは、「何より大切なのは、人間的な触れ合い」と話す。 「できるだけ車内を回って、お客さま一人
ひとりにお声がけをするようにしています」

入社後に行われる1カ月半の研修で、ホスピタリティの心構えを徹底的に学んだ。
「言葉遣いや発声などももちろん重要ですが、何より人間性を重視するのが当社の特徴です。思いやりや感謝の気持ちこそがホスピタリティの基盤であると何度も教えられました」ホスピタリティへの取り組みは、バスに乗る前から始まる。ツアーの客層や訪問地に応じて、準備をしっかりして臨む。 「ツアーが終了したときに、お客さまから『ありがとう』
と言っていただけるのが、何よりの喜びですね」

 

 

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2014年05月09日

創意工夫がタクシー業を変えていく No6

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http://diamond.jp/articles/-/40529

タクシー業とは、サービス業である──。それが、国際自動車が掲げる理念だ。では、サービス業としてのタクシー会社に求められるホスピタリティとは何か。さまざまな局面でホスピタリティを求められる7人の社員に話を聞きながら、サービス業としてのタクシー業に求められるホスピタリティに迫る。タクシー業は、「目的地まで乗客を運ぶ」という点では、極めてシンプルなビジネスである。しかし、単に「乗客を運ぶ」のではなく、「安全で快適に移動してもらう」ことを追求するビジネスであると考えれば、タクシー業とは、ホテルなどと同様のホスピタリティ産業であると考えることもできる。

「km」のブランドで知られる国際自動車は、事業の目的の一つを「ホスピタリティの提供」にあると明確に定めて、グループ内の全社員に対して独自のホスピタリティ・ブックを配布している。多岐にわたるグループ全業務において、共通のホスピタリティの水準を実現するために、国際自動車はどのような取り組みを行っているのだろうか。また、それぞれの現場で働く社員にとって、ホスピタリティとはどのようなものと捉えられているのだろうか。

ホスピタリティはささいなことの積み重ね
国際自動車タクシードライバー齊藤 有一 氏 「ホスピタリティ・ドライビングkm」。国際自動車が掲げるモットーは、実は現場からの発案によるものだ。提案者のひとりが、タクシードライバーの齊藤有一さんだった。 「裏表のな
い、心のこもったサービスこそが重要であると考え、そのモットーを提案しました」現場におけるホスピタリティの実践とは、決して大げさなものではないと齊藤さんは言う。「雨の日に水たまりを避けて停車する、社内清掃を徹底する、お客さまに適切な声がけをする──。そんなささいなことの積み重ねにこそホスピタリティが生まれると私は考えています」入社してまだ1年半と日は浅い。ドライバーになって驚いたのは、空車のタクシーを
あえて何台も見送って、kmのタクシーが来るのを待っている乗客が少なくなかったことだという。 「ホスピタリティというモットーを掲げる前から、『お客さま第一』とい
う考え方が社内に徹底していたからこそ、そうしたお客さまがいらっしゃるのだと思います。私もその社風を受け継ぎながら、自分なりのホスピタリティを実践していきたいと考えています」

電話越しの接客」で 実現できること
国際自動車 kmコールセンター コールセンター長木田 宗一 氏国際自動車のコールセンターでは、顧客からの電話やメールでのオーダーに対応し、ドライバーを手配する。いわば、乗客とドライバーとの間に入って、適切なマッチングを行う役割である。最近、コールセンター長に就任した木田宗一さんは、コールセンターならではのホスピタリティを確立していきたいと話す。 「私たちコールセ
ンターは、お客さまとファーストコンタクトする場所、つまり“kmの顔”として重要な役割を担っています。

オペレーターの声と心のこもった対応で、お客さまの安心と信頼を創りあげていかなければなりません」就任後、全社用のホスピタリティ・ブックとは別に、オペレーター用の独自のマニュアルを利用し、講習を行っている。今後さらに講習の時間を増やしていく予定だという。 「ドライバーが背中越しに接客する仕事だとすれば、オペレーターは
電話越しに接客する仕事です。電話を通じて、個々のお客さまに最善と思われる臨機応変な対応をすることが私たちのホスピタリティだと考えます」

 

 

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2014年05月08日

創意工夫がタクシー業界を変えていく  No5

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【東京都助産師会】 妊産婦が利用できる「マイタクシー」
東京都助産師会会長石村あさ子 氏東京都助産師会は、東京都内に居住、あるいは勤務する助産師を組織する一般社団法人である。1000人の会員を擁するこの団体は、国際自動車と提携し、「マタニティ・マイタクシー」の普及活動を行っている。
「マタニティ・マイタクシー」は、国際自動車が提供する妊産婦向けのサービスである。住所、出産予定日、出産予定病院などを登録しておけば、出産時に電話1本で駆け付けてくれ、そのまま病院や助産院に運んでくれるという便利なサービスだ。

連絡を受けて到着するまでの時間は、利用場所や時間帯などにもよるが平均8分間とのことだ。 「従来は、陣痛が始まってからタクシーを呼んでもなかなか来なかったり、
路上で拾おうとしても見つからなかったりということが頻繁にありました。マタニティ・マイタクシーは、これまでにない、画期的なサービスと言っていいと思います」(東京都助産師会会長・石村あさ子氏)しかし、ドライバーにとっては、陣痛が始まった妊婦を乗せることは大変なプレッシャーである。

そのプレッシャーを軽減し、妊婦に対する適切な対応ができるようにするため、石村氏自らが、国際自動車のドライバーに対して定期的に講習を行っている。 「大切なのは、妊婦に対する心配りである
と、私はいつも申し上げています。優しい言葉、励ましの言葉をドライバーが妊婦にかけてくださるだけでスムーズな出産ができる可能性が高まるのです」移動時の「安心感」を提供するのが、このサービスにおけるドライバーの一番の役割だが、いざというときの備えがあるという点で、妊婦と出産施設の両者に対して事前の安心感を提供するという効果もあると石村氏は言う。

「このようなサービスがあることで、妊産婦への社会的な配慮が高まることを期待しています。妊産婦だけでなく、幼い子を連れたお母さんや、年配の方々がマイタクシーを持つという風潮も広まっていくといいですね」

ホスピタリティがタクシーの価値を変える
デパートの買い物客、病院の患者、高齢者、外国人、観光客、妊産婦──。それら多様な人々が持つニーズを、国際自動車はさまざまなサービスによって満たしていることがわかる。一方、そういった多様性に対応するサービスの全体を、1つの確かなコンセプトが貫いているのも確かだ。そのコンセプトをひと言で言うならば「ホスピタリティ」ということになるだろう。買い物客の高揚する気持ちを持続させ、ドアを開けて患者を車内に安全に招き入れ、観光の快適なインフラを提供し、妊産婦を健やかな出産に導く──。そのすべてを、「送迎」というシンプルな行為の中で実現させているのが国際自動車である。

その実現を可能にしているのが、顧客への気配りであり、安全・安心を守ろうとする使命感であり、顧客の満足度をどこまでも追求していこうという意志である。ホスピタリティとは、いわばそれらのマインドの総称であると言っていいだろう。
そう考えれば、タクシーとはまさしくサービス業以外の何ものでもない。しかし、これまでそのことについて真剣に考えられたことがどれだけあっただろうか。国際自動車の取り組みは、従来ほとんど言及されることがなかった「ホスピタリティ産業としてのタクシー」という視点を私たちに提供してくれている。

 

 

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2014年05月07日

創意工夫がタクシー業界を変えていく  No4

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伊勢丹と国際自動車のサービスに対する姿勢は、さまざまな場面で響き合っている。木村氏は、定期的に開かれる販売部長会で、国際自動車の接客マニュアルを紹介し、パートナー企業の中にも、これだけ顧客サービスを徹底している会社があると部長たちに告げたことがあったという。 「販売現場にもいい影響が出ました。サービスレベル向上という
点で相乗効果が生まれたことも、この契約の大きな成果だったと考えています」

【聖路加国際病院】 コンシェルジュが患者の乗降をサポート
聖路加国際メディカルセンター総務課マネージャー吉野彰造 氏東京都内を走るタクシーの車内が全面禁煙化されることになったのが、2008年1月。東京・築地の聖路加国際病院で、全車両を禁煙にしているタクシー会社と独占的な契約を結ぼうという話が持ち上がったのはちょうどその1年前だった。 「その時点で全車禁煙を実施していたのは、国際自動車だけで
した。また、すべてのドライバーが心肺蘇生の研修を受けているとも聞き、当院が契約する相手としてふさわしいタクシー会社であると考えました」

そう話すのは、聖路加国際メディカルセンター・総務課のマネージャー、吉野彰造氏である。同病院が、国際自動車が用意しているコンシェルジュサービスを導入したのも、ほぼ同じタイミングだった。これは、タクシー利用客の乗り降りをサポートするスタッフが契約先に常駐するというもの。「高齢の患者さんが多く、タクシー乗降時に車いすを利用する方が少なくない当院においては、まさにうってつけのサービスでした」と吉野氏は話す。

コンシェルジュスタッフは主に女性で、新人スタッフが入る場合は、必ず病院のオリエンテーションを受けることになっている。医療現場の内情をしっかり知った上で、患者に適切な対応をしてほしいという病院側のニーズを反映した仕組みだ。
導入後は患者からの評判もよく、安心してタクシーを利用できるという声が寄せられたという。また、コンシェルジュの存在によって、病院現場の労働負荷が軽減したのも大きな成果だった。

【ホテルインターコンチネンタル東京ベイ】 移動の動線をつくりホテルの可能性を引き出す
ホテル インターコンチネンタル東京ベイ運営本部長ホテル支配人清水尚之 氏施設や店舗が顧客に提供できる移動手段はタクシーだけではない。東京ベイエリアに面して立つホテル インターコンチネンタル 東京ベイ
では、11年にJR浜松町駅とホテルを結ぶ専用のシャトルバスを導入した。現在、1日33便。車両とドライバーをkmグループが提供している。同ホテルの支配人である清水尚之氏は話す。

「ホテルの運営体制が変わったのを機に、施設やサービス内容を一新しました。シャトルバスの導入は、その改革の一環でした」もともと、宴会場の多くが海に面していて、180度以上のベイサイドビューを楽しめるという、都内では他にないロケーションを誇るホテルである。数多くの婚礼客を動員できるポテンシャルがあったが、課題だったのが駅からの距離だった。 「ホテルまでは、浜松町
駅から歩いて7、8分かかります。歩くにはやや遠いけれど、タクシーを使うには近過ぎる。そんな微妙な距離の移動を解決する手段がホテルシャトルバスでした」

浜松町駅は、羽田空港からつながる東京モノレールの発着駅でもある。つまり、地方や海外から訪れる旅行客の東京への玄関口となるのが、浜松町駅ということだ。そことホテルをシャトルバスで結ぶことにより、観光客にとって理想的な動線が成立することとなった。kmグループと契約を結ぶ決め手となったのは、高いサービスレベルを目指すという企業理念が一致したこと、そして、車体をホテルのカラーにアレンジするというニーズに即座に対応してくれたことだったと清水氏は言う。

これによって、ホテルサービスと一体となった送迎車両が実現することとなった。サービス開始後の過失による事故は皆無。安全性という点でも満足のいくサービスとなっていると清水氏は話す。

 

 

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2014年05月06日

創意工夫がタクシー業界を変えていく  No3

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http://diamond.jp/articles/-/39612

タクシーを「困ったときの移動手段」から、「日常的に気軽に利用できる乗り物」に変えたい。kmグループ国際自動車のさまざまな取り組みの狙いは、その1点にある。では、それを実現するために必要とされることとは何か。百貨店、病院、ホテル、医療団体。国際自動車の提携事業の中から4事例をリポートし、「サービス業としてのタクシー」の本質を明らかにしていく。

困ったときの交通手段から日常的な移動の手段へ
他に移動手段がないときに利用する交通手段──。それが、従来のタクシーに対する一般的なイメージだった。急いでいるとき、雨が降っているとき、荷物が多いとき、終電がなくなったときに、いわば「やむを得ず」使う移動方法が、タクシーという乗り物であったと言っていい。そのイメージを大きく変えようとしているのが「km」のブランドで知られる国際自動車である。国際自動車のビジョンをひと言で言えば、「タクシーを日常の、ごく当たり前の生活移動手段としてもらうこと」である。

そのビジョンの背景には、人々のニーズの多様化がある。例えば東京では、この数年、高齢化によって年配のタクシー利用客が増え、一方ではグローバル化によって外国人の利用客も増えている。高齢者がタクシーに求めるものと、外国人がタクシーに求めるものはおのずと異なるだろう。そうした多様化に対応し、気軽で生活に根差した快適な乗り物に変えていくこと。それが、国際自動車の狙いだ。では、その「多様性への対応」は具体的にどのように行われているのだろうか。

4つの事例を見ながら、国際自動車が現在進めている取り組みの内容と意義を探ってみたい。
【伊勢丹 新宿本店】 タクシーの中もお買い物の時間

伊勢丹新宿本店総務部部長木村秀雄 氏伊勢丹新宿本店のタクシー乗り場がkmブランドに統一されたのは、昨年8月のことである。百貨店が1社のタクシー会社と契約を取り結ぶのは異例のことである。国際自動車と契約した理由を、伊勢丹新宿本店の木村秀雄・総務部部長は次のように説明する。 「以前は、お客さまを待つタクシーの数が多く、周辺の道路
に車両があふれていました。

公共空間である周辺道路にご迷惑をおかけしないようにし、かつ当店周辺の景観を改善するには、計画的に整然とタクシーが配車される仕組みが必要だと考えました。それを実現する手段が、1社との独占的な契約だったのです」

国際自動車が選ばれたのは、サービスに対する取り組みの姿勢が評価されたからだった。
「1人ひとりのドライバーに対し接客の教育を徹底していると聞き、実際にそのマニュアルも見せてもらいました。そのような強い意気込みで取り組んでいるのは国際自動車だけでした」百貨店を利用する顧客にとっては、購入してから自宅に帰って商品を開封するまでの一連の行動のすべてが「買い物」である。仮に、店を出て自宅に帰る途中で不快な思いをしたり、危険な目に遭ったりすれば、買い物という行為の喜びが大きく損なわれてしまうことになる。「タクシーは、いわば、百貨店の延長線上にある空間であると私たちは考えています」と木村氏は言う。その要求に応えたのが、国際自動車だった。

 

 

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2014年05月05日

創意工夫がタクシー業界を変えていく  No2

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ホスピタリティを追求しドライバーの「誇り」を醸成
──新卒ドライバーを採用するという取り組みで大変なことは。
藤森これまで、タクシーのドライバーは、いろいろな職業を転々としてきた後にたどり着く「最後の職業」であるというイメージが強いと思います。そのためか、私たちが新卒の採用を始めたとき、新入社員のご両親の多くはタクシー会社への就職を反対していました。それだけタクシードライバーの社会的評価は低かったということです。しかし今、そのご両親は、子どもがこの会社に就職して良かったと言ってくださいます。

ご両親もタクシーの仕事、kmが目指していること、そしてお子さまの成長する姿を目の当たりにし、以前のご理解から変化していることを実感しています。

──女性社員を増やしたいと考えているのはなぜですか。
藤森私たちは今年から、新たな企業理念に基づいたkmのサービスのモットー「ホスピタリティ・ドライビング」を発表しました。私たちの「ホスピタリティ」は、お客さまをはじめ歩行者、他の運転者など交通環境を取り巻くすべての方々に対して、私たち自身の感性を活かして、「その場」「その時」「そのお客さま」に最善と思われることをして差し上げること、と定義しています。マニュアルを超えた心のこもったサービス、歩行者や他の運転者、住民の方々に対して、誠実なマナーで仕事をさせていただく、この繰り返しこそが業界の社会的評価を変革していくと信じてやみません。

こうしたホスピタリティの実践に、より優れた力を発揮できるのが、女性だと考えています。相手の立場になって考え、細かな気づかいができる、これからは社会の中で、女性ならではの優しさや感性が発揮されるときを迎えていると感じています。そうしたことから、ドライバーに限らず、営業職や管理職に女性社員を増やしていきたいと考えています。

自らが考え行動できる社員はいかにして生まれるか
──新卒入社のドライバーが管理職になることは可能ですか。
藤森ドライバーから管理職へ、という道は常に開かれています。kmには、20余りのグループ会社がありますが、その社長のほとんどは、現場からの登用です。新卒社員の中にも、すでに管理部門の所属となり、管理職を目指している社員もいます。社会人になってからの3年間は吸収も早く最も成長する時期です。kmでは、この3年間で、「自らが考え」「自ら行動できる」自立した社員の育成に最も力を注いでいます。

管理職を目指す社員に対して、幅広い知識を習得できるよう、簿記、メンタルヘルス、安全衛生、語学講習などの多彩な研修プログラムが用意されています。また、管理者養成のプログラムも30年以上続けています。

──今後の目標を聞かせてください。
藤森東京のタクシーを世界一にすること。それが私たちの目標です。安全、安心、サービス、そのすべての要素を、世界でトップの水準にしたい、というのが私たちの強い決意です。そのためには、私たち一人ひとりがお客さまに「感謝」の気持ちを持つことです。その感謝の気持ちが、お客さまの笑顔に変わり、ドライバー自身の喜びとなる。その喜びが誇りとなり、業界変革していく力になると。ホスピタリティ・ドライビングの実践でお客さまに喜んでいただけることを思い描くだけで胸が高鳴ります。私たちの挑戦は、まだ始まったばかりです。

 

 

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2014年05月04日

創意工夫がタクシー業界を変えていく  No1

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東京のタクシーのサービスを世界一の水準に向上させたい DIAMOND
http://diamond.jp/articles/-/39076

タクシーの仕事は「人を運ぶ」ことである。しかし、私たち利用者がタクシーに求めることは、ただ単に「運ばれる」ことだろうか──。そんな問いに対し、タクシーをサービス業として捉え、ドライバーが誇りを持って利用者と向き合うための取り組みを続けているのが「km」のブランドで知られる国際自動車だ。藤森健悦社長に、「人」を軸とした戦略について聞いた。

国際自動車 代表取締役社長 東京ハイヤー・タクシー協会理事 藤森健悦 氏 昭和36年、三和銀行入行。平成7年にケイエムリーシング株式会社へ出向し、平成16年に国際自動車株式会社取締役に就任する。同22年に同社代表取締役社長に就任し、現在に至る。また、同25年からは一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会理事を務める。藤森大きな変革期にあると考えています。東京では、従来、法人客が多かったのですが、リーマンショック以降、法人の契約数が大幅に減少し、その半面、個人客の利用が増えています。

──タクシー業界の現状をどう見ていますか。
個人のお客さまは、どのようなときにタクシーをご利用になっているか。急いでいるとき、雨が降っているとき、荷物が多いとき、病院に行くとき──。つまり、「困ったとき」です。私たちの願いは、そのようなお客さまをはじめ、もっと気軽にタクシーを利用していただくことです。そのためにも、もっとお客さまに心を寄せていかなければいけないと考えています。近距離でご利用になるお客さまが、「近くて申し訳ありませんが……」と言われてご乗車になることがよくあります。

利用するお客さまが、サービスを提供する側に気を使われる、サービス業として考えられない現実です。こうした現実を変えていくために、会社自らが変わっていかなければなりません。

──変化の方向性とは。
藤森東京のタクシードライバーの平均年齢は、58歳です。業界の中では70歳を超えるドライバーもいます。私たちは、こうしたベテランのドライバーも大切にしながら、さらに、若い力、若い人を結集したい。若いドライバーの情熱と感性が、業界を活性化させる力になると信じています。そうした視点からkmでは、4年前より新卒ドライバー採用を業界に先駆けて始めました。1年目が1人、2年目が4人、3年目が10人と、年々採用数を増やし、4年目となる今年は40人採用しています。40人中2人は女性です。来年には、採用者数を150人まで増やし、うち30人を女性社員とする構想を描いています。

この4年間で計57人の新卒ドライバー採用をしましたが、これまでに会社を辞めた人は1人もいません。その理由ですが、一つには給与水準が高いということもありますが、何よりもお客さまに感謝のお言葉を頂ける仕事であるということ、お客さまのお役に立たせていただいているという誇りが、若い社員のやりがいやモチベーションにダイレクトにつながっているからなのです。

 

 

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2014年05月03日

超人気の純米大吟醸酒「獺祭」 No4

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改築中の本蔵が完成しても、その生産能力をフルに生かすためには課題があったのだ。 獺祭を作るために使っている酒造米、山田錦の供給量が足りないのだという。「課題はコメですよコメ。山田錦が足りない。もうずばり、これしかない」。悲鳴を上げるように、桜井社長は答えた。  生産能力を来年に3倍にできても、原料となる山田錦を、それだけ供給してもらえる状態にないのだという。旭酒造の生産能力が年間9000キロリットルになると、単純計算で約20万俵の山田錦が必要になるそうだ。

ただ、現在の全国における山田錦の生産量は約30万俵に過ぎないという。そうなると、全国生産の3分の2を、旭酒造が使うことになる。「生産量が限られるなかで、そんな量を調達できるわけがない」と桜井社長。 そこで、旭酒造は中長期で国内の山田錦の生産量を増やそうと、地道に全国の農家にお願いや啓蒙活動を続けている。「なんとか年間60万俵規模まで、全国での山田錦の生産量を増やしたい」(桜井社長)。

全国を回った効果は出ており、山田錦を作ってくれる農家は徐々に増えている。茨城や栃木、新潟県など、コメの主要生産地の農家で、今後2〜3年のうちに1万〜2万俵の規模で山田錦を生産してもらえるメドがたったという。 まだ小さな一歩ではあるが桜井社長は、山田錦の全国生産量が現状の2割増となる36万俵程度を超えるようになると、生産量の増加速度は自然に加速すると予測する。

山田錦を新たに作るようになった農家が旭酒造にそれを売って、「高級車が買えるようになった」、「年収が増えた」などの成功事例が出てくると考えるからだ。「そんな農家が出てくれば『じゃあうちも山田錦を作ろうか』となっていくはず。そんな事例をまず作るまで、なんとか頑張りたい」(桜井社長)。 見た目も語り口も温和な桜井社長だが、コメ余りといわれる中で山田錦が足りないという状況を生み出したのは、「生産調整を続けてきた農林水産省の失策」と手厳しい。

「今も、『TPP(環太平洋経済連携協定)で農家がつぶれる』とか言っているが、そんな暇があったら、一つでも多くの農家に、山田錦を作ってほしい。付加価値が高く、高く売れて、需要も確実にあるコメが山田錦だ。結局、これまでの農水省の政策が、志のある農家のやる気を奪って、現在の問題につながっている」。桜井社長は、こう指摘する。 和食屋で売り切れていたり、酒屋で品切れになっていたりすることが多い獺祭。これを、いつでも買えるようになり、好きなだけ飲みたいと考えている人は多いはず。

そのためには短期的な解決策はなく、山田錦の生産量を日本全体で増やすという、息の長い取り組みが必要になる。 「山口の山奥の小さな酒蔵」で聞いた話は、TPPというグローバルな話題や、日本の農業政策の在り方、農家の未来にもつながる、とても大きな課題だった。

 

 

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2014年05月02日

超人気の純米大吟醸酒「獺祭」 No3

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旭酒造では一部商品用に遠心分離技術を使った絞り機も導入。 このため、高級品を中心に、一部商品用に、この遠心分離技術を使った絞り機を使っている。 絞り出された酒は貯蔵タンクに一度入れられ、瓶詰めされていく。 瓶詰め作業が行われる1階に下りる。 残念ながら、取材日が日曜だったため、瓶詰めのラインは止まっていた。 第2蔵における瓶詰めラインは、1時間に一升瓶換算で1200本分くらいの瓶詰めが可能だという。

瓶詰め後、摂氏65度のお湯を瓶に掛けて殺菌処理をし、すぐに水をかけて瓶を冷やす。瓶詰めの品質チェックはシステムで  瓶詰め段階での基本的な品質チェックはシステムで管理する。異常があればアラートが上がり、人がかけつけて目視でチェックする仕組みだという。瓶詰めラインの隣の部屋には、出荷用の箱が積まれている  瓶詰めラインの部屋の横には、出荷用の箱詰め部屋が併設されている。 製品により、瓶詰め後にすぐ出荷されたり、一定期間の熟成期間を経てから出荷したりする。いずれの商品も、ここで箱詰めされて、発送されていく。

本来は、1フロアあたりの平米数を広くして、2階建てくらいの酒蔵の方が酒造りには適しており効率的だという。しかし、旭酒造の拠点である獺越は、峡谷のような場所で平らな土地が限られている。そのため、建物を横に広げられず上に伸ばすしかなく、このような4階建ての酒蔵ができあがったのだそうだ。 酒造りの工程を取材したあと、旭酒造の桜井博志社長にインタビューした。

先代社長だった父親の死を契機に1984年、桜井社長は旭酒造の社長に就任した。 それまでの普通酒の製造をやめて、高級な純米大吟醸に一本化。薄利多売のビジネスモデルから、高付加価値品でブランド化する戦略転換を決断したのが桜井社長である。 結果、獺祭は国内だけでなく、世界的な人気ブランドに育つ。売上高はこの30年間で、約40倍の39億円まで飛躍的に伸びた。営業利益率は約13%と他の酒造メーカーより高く、脱デフレ型経営をいち早く実践した、お手本のような企業が、旭酒造なのである。

その成功物語は、日経ビジネス4月7日号の巻頭特集「脱デフレで勝つ 〜高く売るための経営七策〜」で取り上げたので、ここでは割愛する。 その代わり、インタビューで印象に残ったが本誌では触れられなかった、獺祭の課題について取り上げたい。

2015年、生産能力は3倍に拡大
現在、「本蔵」を改築中で、2015年には、地上12階建てのビルとなる新しい本蔵が完成する。本蔵の改築が終わると、生産能力は2014年比で3倍となる年間9000キロリットルに拡大する 「獺祭を幻の酒にするつもりはない。この入手困難な状況は、忸怩たる思いがあるので早く改善したい」。桜井社長はこう語った。当然、生産能力拡大で、「買いたいときに買えて、飲みたいときに好きなだけ飲めるようになる」、そんなコメントを期待していたが、実際は違った。

 

 

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2014年05月01日

超人気の純米大吟醸酒「獺祭」 No2

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現在は合計約20カ国で獺祭を売る体制を整備。2014年中には、フランスのパリ中心部に海外初となる直営店も開く計画だ。旭酒造の本社近くに作られた獺祭の直売店には、ポルシェやBMWなど高級車に乗ってわざわざ買いに来る人もいた。入手困難な商品のためか、富裕層と思われる人たちが直営店まで買い付けにくるとは、獺祭の人気の高さを改めて感じる。 まず製造工程を見せてくれるというので、長靴をはき帽子をかぶり、酒蔵の中へ入った。

「第2蔵」と呼ぶ酒蔵の4階へエレベーターで上がる。そこでは、自社の精米所で磨かれたコメを洗い、吸水させ、蒸す作業が行われていた。水を吸わせる時間は15分くらい。これは人が管理する。吸水させて蒸せる状態にすると、一袋15kgのコメが、20kg程度に膨張するという。吸水時間は、目安は15分前後だが、米が固くなりすぎたり、柔らかすぎたりしてもダメなので細かな時間管理が重要。 15分ではなく14分50秒にするなど、その日の水温や湿度、米の状態などで秒単位の細かな判断が必要になる。水分の吸収度合が、酒の品質に大きく影響してくるからだ。

一度に700kgのコメを蒸す コメを蒸す作業。こしき1つで約700kgのコメを蒸すことができる 吸水が終わったコメは順次、蒸す工程へ移される。「こしき」と呼ぶコメを蒸すための大きな桶一つで、700kgものコメを蒸すことができるという。蒸す作業と、冷ます作業などを含め、トータルで1時間半くらいが「蒸米」の工程となる。 蒸されたコメは、仕込みが行われる3階へ送られる。 旭酒造の獺祭でも、日本酒の仕込みで一般的な「3段仕込み」が実施されている。旭酒造では、「そえ」、「なか」、「とめ」と3工程を呼んでいた。

3段階に分けて仕込みを行う理由は何か。 酒を造る工程に入る前に、酵母を培養して増殖させ「酒母(しゅぼ)」と呼ぶものを作る。 この酒母を基に酒を造るが、酒母に大量の水や麹、蒸したコメを一度に入れてしまうと、酒母の濃度が急激に薄まり過ぎて免疫力が低下してしまうのだという。免疫が下がると、雑菌に汚染されてしまう。このような雑菌汚染を防ぐために、3段階に分けて仕込みを行うのだ。

仕込み後、約1カ月かけて酒になる  3段階の仕込みが終わったあと約30〜35日間かけて発酵させると、酒ができあがる。だが、まだこの段階では酒と酒粕が混ざり合った状態にある。絞る工程は2階で行われる。蔵の2階に降りると、そこに設置された「絞り機」にかけられ、酒と酒粕に分離する作業が進められていた。

日本初、遠心分離技術で酒を絞る
ここで、旭酒造ならではの機械を発見した。通常の絞り機ではなく、特別に、遠心分離による絞り機も導入しているのだ。この機械を酒造りに導入しているのは、商業用ではおそらくここだけだろう、という。 ふつうの絞り機だと、ごく微量の雑味が入ってしまうが、遠心分離で絞ると、雑味はほぼ入らないのだそうだ。しかし、生産効率が通常より劣り、コストが高くなるのがデメリット。一日中稼働させても、通常の絞り機の1割程度の量しか酒を絞れない。

 

 

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