2014年04月24日

サラリーマンに農業は無理なのか  No1

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「自然を相手にする仕事」という大きな壁  2013年9月13日   http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130911/253288/

農業再生の切り札として、企業参入が必要だという声がたくさんある。先進的な経営手法を持ち込めば、前近代的で非効率な農業を立て直せるはず、という発想だ。たしかに、日本の農業にとって企業的な経営センスはいまより必要だろう。だがここで立ち止まって考えたほうがいいことがある。そもそもサラリーマンに農業は可能なのだろうか――。

ネギのグループを目指す、こと京都の山田敏之社長
「あいつに会うと、嫌みばかり言ってる」。農業生産法人、こと京都(京都市)の社長、山田敏之はこう話す。「あいつ」とは、今年独立した元従業員の田中武史を指す。12年間、山田の右腕として働いた生産部門の責任者だ。「嫌み」はもちろん冗談。「あいつ、やめてから断然いいネギつくるようになった。腹立つなあ」とうれしそうに笑う。  こと京都は、アパレルメーカーを
やめて実家を継いだ山田が2002年に立ち上げた。

九条ネギを中心に生産から販売、加工まで手がける有力農業法人で、従業員は30人弱いる。九条ネギではライバルがほとんどない規模に成長したが、会社が大きくなるほど、気になってきたことがある。「社員は一生懸命働いてる。それなのに楽しそうじゃない」。

サラリーマンには難しい「農家の働き方」
理由を考えているうち、気づいた点がある。「農家の働き方は本来、ネギにも人にもいいはずだ。だがそれがサラリーマンには難しい」。例えば夏。朝は4時ごろ起きて仕事を始め、昼前に長めの休憩に入る。再開は午後3時ごろで、終わるのは夜8時。「暑い真昼に作業するのは、ネギにも人にもよくない」。だがこういう働き方を社員に求めるのは難しい。一方で、ふつうの会社員と同じ時間帯で仕事をすると「暑くてつらい」。

問題は社員のモチベーションにとどまらない。「農家の働き方」ができないから、どうしてもまわりのプロの農家に質で負けることがある。「早くうまくなれよ」と言ってはきたが、技術でカバーできる問題とも思えない。そこで山田が出した結論は「もう、おまえら独立させることにした」。独り立ちしたら、農家と同じように働くという読みだ。  実際、独立1号の田中は山田の期
待通りに成長した。もともと自分で農業をやりたいと思っていたが、こと京都で働くうち、「いろいろ見えてきて、無理だと思うようになっていた」。

農業で利益を出す難しさを知ったのだ。いつの間にか年も40代半ばになっていた。だが1年ほど前から「やっぱり挑戦してみたい」という気持ちがわいてきた。  以前はどちらかと言うと、線の細い印象
だった。いまは黒々と日焼けし、髪も長く伸びた。深夜2時過ぎに起きて準備を始め、4時から畑に出ることも珍しくない。「もうだれも助けてくれない。必死度は、こと京都に勤めていたときと比べ、正直言って違います」。見違えるほど精悍(せいかん)になった田中について、社長の山田は「ものをつくるのが好きだったんだ」と目を細める。

こと京都は日本のネギの最大勢力になることを目指し、経営規模を拡大してきた。九条ネギに代表される青ネギでみれば、いまは日本の消費量の100分の1で、年1000トン弱。山田はこれを関東が主産地の白ネギも含め、4万トンに増やすという目標を掲げている。
 だがこの目標を、1社で実現するのは非現実的。そこで山田が取り組んでいるのが農家のグループ化だ。社員の独立を後押しするのも、その一環。

 

 

posted by タマラオ at 06:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記