2014年04月15日

ハウジングプアが深刻化、 No3

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無規制状態で急拡大 家賃保証会社の無法横行
「あのとき以来、自分の外出中、家族の身の安全がつねに心配となり、階段を上がってくる足音が聞こえただけで、警戒心を抱くようになった」。原告の一人の川崎肇さん(仮名、22)は憤る。派遣社員の川崎さんは18歳の内縁の妻と生後8カ月の長男の3人で暮らしていたが、不安定な仕事で収入が途絶え、家賃の支払いが滞ってしまった。訴状によると11月上旬、川崎さんの外出中に突然、家賃保証会社の日本賃貸保証の社員がやってきて、「今すぐ出て行ってください。今すぐ荷物をまとめてください」と妻に告げた。

強くせかされたため、妻が持ち出せたのは粉ミルクの缶と哺乳瓶、乳児の着替えだけ。妻と乳児を締め出すと、同社社員は別の鍵を付け、立ち去ったという。同社のような賃貸住宅入居時に借主の連帯保証を請け負う家賃保証会社で、現在トラブルが多発している。同業界には監督官庁がなく、宅地建物取引業法など業法も及ばず、業者数すら明らかではない。彼らは入居者が家賃を滞納すると、家主に立て替え払いをする仕組みなので、入居者からの家賃回収が損益に直結する。つまりは行き過ぎた実力行使に至りやすい構図となる。

実際原告の中には、賃料の未払いなどなかったにもかかわらず、家屋に立ち入るなどされ、即刻退去することを強要されたケースすらある(裁判で保証会社は「勘違いだった」と認めている)。同様に東京では、家賃支払いが一日でも遅れると無断で鍵を交換して居住者を締め出していた不動産会社スマイルサービスに対する集団提訴も行われている(週刊東洋経済08年10月25日号に詳述)。事態を重く見た国交省は2月にもガイドラインをまとめて業界に示す方針だ。

また類似のケースとして、保証人紹介業がある。「国内保証援助会」を利用した埼玉県の男性(35)は「保証人を一人紹介するにつき5万円を要求されたが、実際は紹介されず、この件を受けるにはさらに30万円必要だと言われた」と語る。同社に関しては消費生活センターに600件の苦情が寄せられている。非正社員がひとたび仕事を失い、寮を追い出されたら、安定した住居を獲得することすら困難な状況だ。実際、年越し派遣村の実行委員会が厚労省に対してまずもって要求しているのが、総合相談窓口を有するシェルターの確保だ。

公的施設も玉石混淆 住宅政策の再構築が急務
最後のセーフティネットである救護施設、更生施設など生活保護法を根拠とする保護施設はそれぞれ都内で10施設と少数で空きもない。他都市も同様で、名古屋市の更生施設笹島寮の自立支援部門には「派遣切りで住まいを失った人が3割を占める」(佐原正人寮長)に至り、満員だ。他方で目下急拡大してきたのが、無料低額宿泊所とも呼ばれる「第2種宿泊所」だ。保護施設と比較して法的規制が少なく、設置運営基準も緩い。

 

 

posted by タマラオ at 06:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記