2014年04月10日

サイレントプアー(声無き女性の声)   No2

162.JPG
「あくまでも相対的貧困率であって、日本の貧困層は世界一裕福!」  「車を持ち、携帯を持っているような人たちの、どこが貧困なんだ!」  こうした批判が相次いだのである。  確かに、
「過去1年に十分なお金がないために食料を買えなかったことがあった人の割合」(絶対的貧困率)を聞いた国際調査では、「はい」と答えた人は日本では4%で、米国の15%、英国の11%、中国の18%、韓国の18%などと比べると劇的に低かった。

でも、だからといって「相対的貧困率」が世間を惑わすだけの指標なのか? というとそんなことはない。 だって、働いても、働いても、稼ぎが増えない人たちがいて、その割合
が年々増えていて、母子家庭では半数を上回っているということは、紛れもない事実だから。  そして、その必死に働いている女性たちが、生きづらさを感じているのも事
実だから。  そこで今回は、「貧困」について、考えてみようと思う。

心に突き刺さった母子家庭の学生のリポート
「河合先生は、ものすごく恵まれた人なんだと思います。組織に入ったり、自分でやったり、そうやっていろいろとできるのも、恵まれているからです。僕の母は、ずっとスーパーのレジで働いています。いろいろとやりたいこともあったんだと思います。でも、僕を育てるために安い時給のレジ打ちをやっています。好きなことなんか何もできていないし、やりたいことなんかやっていないと思う。でも、ずっとずっとレジ打ちをやっています。僕はそんな母を誇りに思います」

これはある学生が、授業のリポートに書いてきた一文である。この授業は2回だけ、特別にゲスト講師として行ったもので、「キャリアに関して学生たちに考えさせる授業なので、河合さんのこれまでのキャリアについて語ってほしい」と担当の教授から依頼を受けた。  私は、学生たちに「やりたい」という気持ちを大切にしてほしいという
こと、目の前のことを、自分にできることを、時には「石の上にも三年」だと思って、一生懸命やってほしいということ、そんなことを伝えたかった。

300人近くいる学生たちのほとんどは、「やりたいことをやっていいんだと分かって、ホッとした」とか、「就職したら、石の上にも三年ってことを思い出したい」、「先生の話を聞いていたら、勇気が出た」、「自分を信じて、できると信じて、頑張りたいと思った」といったことをリポートに書いていた。  そんな中、「先生は恵まれている。僕の母は、安い
時給でレジ打ちをしている。そんな母を僕は尊敬している」と、1人の学生が記したのである。 彼のリポートを読んだ時、胸が痛んだ。申し訳なく思った。彼の言葉は、重
かった。彼は母子家庭で育っていた。

やりたいと思って、やりたいことができる人は恵まれている人――。  やりたいと思っても、その機会すら得られない。すなわち、機会格差。そんな機会格差の壁を、彼は訴えていたのだろう。 日本における母子家庭の母
親の就業率は84.5%で、先進国の中でも高い。だが、平均年収は低い。背景にあるのが非正規雇用の拡大だ。 数カ月前に、働く人の3人に1人が非正規雇用となっていることが、総
務省の労働力調査で明らかになったが、男女別の比率を見ると女性の方が圧倒的に高い。

 

 

posted by タマラオ at 06:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記