2014年03月06日

こんな人生の歩き方  No27

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新規開拓に向かって、女性社員が未経験のホームページづくり
次に麻美氏は新規開拓の必要を感じ、顧客を増やすために、まずリストを作って、これと思う企業に片端から電話作戦を開始していった。展示会ではブースへの出展費用がないため、名刺を持って、出展している企業の人たちに配って歩き、会社の名前を浸透させる作戦を続けた。こうした努力の甲斐があって、少しずつ新しいネットワークが広がっていった。日本では1995年頃からインターネットの商業活用が始まっていた。

麻美氏はディスクジョッキー時代にネットを使った情報収集の経験があったので、営業ツールとして自社のホームページを作って情報発信をしたいと考えた。ホームページの制作会社に見積もりを依頼すると約100万円という。とても払えない。この話を聞いたある女性社員のご主人が「会社にパソコンが2台あり、ドメインもあるのだから、自分たちで作ればいい」と。「いずれHPを作ろうと思い、それ以前に私がドメイン取得していました。

パソコンは他の業務で使っていましたが、ホームページを自分達で作れるとは思っていませんでした」社員平均年齢は50代である。彼らの多くがいまさらパソコン操作を習うのは無理と逃げ出してしまう。けれど、ここで麻美氏は諦めない。それならと女性社員に声をかけると、意欲ある女性社員が何人か集まってきた。やがて、パソコンの初歩操作の習得から始まって、少しずつステップアップしていき、ホームページづくりにチャレンジすることになった。パソコン操作トレーニングやホームページ制作の取り組みは、仕事終了の午後5時30分から9時までを使ってのことであった。

お金はなくても、知恵でできることをやる
会社案内を制作するため、写真が得意な人は自分のカメラを持参して、会社の建物や機械設備を撮影し、他のメンバーはコピー(文章)に頭をひねった。こうしてようやく初歩的なホームページが完成した。この取り組みの中で、あるメーカーが高性能のコピー機をお試し期間キャンペーンで、貸し出ししているという情報が飛び込んできた。早速このコピー機を借りて、パソコンに取り込んだ会社案内を使い、カラー印刷800枚の会社案内を制作した。

しかし、このコピー機の購入はできない。そこで期間内に返却したのだ。お金はなかったが、女性社員たちはたくましさと知恵を発揮して、不可能と思われることをクリアしていくので、とても頼りになる存在であった。

医療機器メーカーからメッキ依頼が飛び込む
実はこのホームページづくりの成功体験は大きかった。ホームページをみたある医療機器メーカーが、カテーテルのガイドワイヤーのメッキをやって欲しいと引き合いを送ってきた。しかし、精密な仕様の上、高度の品質が要求されるメッキで、ほとんどの社員ができないと尻込みをした。麻美氏は「そんなはずはない」と思った。自らの学生時代バスケットの選手として試合に負けそうになった時、チーム全員で粘って逆転に持ち込んだことや、難関といわれたラジオのディスクジョッキーのオーデションをパスした成功経験から、「やる前からできないというのはよそう。仮に3年かかってもいい。何とかやってみよう。ひとり一人がどうしたらできるのか、何とか工夫して欲しい」と必死に訴えた。

 

 

posted by タマラオ at 06:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記