2014年02月24日

こんな人生の歩き方  No17

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キャリアビジョンの検討には、仕事とその役割・成果期待があるべきだ。これが、明確にビジョンが描けない反面の主張だ。残念ながら、現場実務職の方を除き、元管理職系シニアの主張にほとんどの企業は応えられていないように思う。
現実に役定のシニアに、好待遇で期待の多い仕事をあてがうことなどほとんどの企業はできない。できないから、そのことを、シニア本人に自己活用の道を考えさせるなかで厳しい現実を理解させようとするのだろう。

結果、あてがわれる仕事での満足度は低く、頑張ってもそんなに評価されることもなく、割り切ってやるだけ、の社員が増えていく。今更頑張って何になるのか、もう退職まで3、4年、再雇用で残り頑張って5年。そんな頑張れるほどの仕事でもないのに…。何か、役定後も頑張って活躍してほしいという企業と、自分たちもそのように仕事意欲を失わず頑張るはずだったシニア個人の間に物言わぬ不信感が漂い、隙間風が吹いている。シニア活用の現状を本人たちはよくわかっているし、先輩たちの苦労する姿も見ているし、またそのぼやきもよく聞いている。

◇「蕎麦屋でもやれたらいいね」――シニアが見がちな夢
そんな現実を目の当たりにしながら、時々見る夢がある。役定者研修で、お互いの「今後の理想の仕事と生活=その夢を語ろう」がある。よく出る御三家は、蕎麦屋、田舎暮らし、趣味を生かした仕事。いい年になって満員電車で通勤、あくせく時間に追われての日々、自分らしい生き方や働き方を考えたとき、ふとこれらの仕事や生活は自分を取り戻せる仕事のように思えるのだろう。自分の工夫でおいしい蕎麦をうち、友人にでも堪能してもらえたらどんなに充実した日々だろうか。

田舎暮らしのスローライフ、趣味の釣りを活かした釣り舟屋……まあ、夢は広がるし話は弾む時間だ。だが、それを最後のキャリアビジョンに描く人はほとんどいない。退職金がまもなく入り、役職の責任からも解放される日が来る日を予感する頃、この先の人生をもっと充実した日々にするシニアの夢、それはこの時期特有の青い鳥症候群だ。現実そんな青い鳥を手に入れられる人は稀だが、役定・定年前後、企業との関係性が薄まり仕事の責任感から解放されていくこの時期、今までとは違った充実感や生きがい働きがいがほしくなる。表面はまだまだ現役を装うが、内面は気楽で自由な働き方に惹かれるのだ。

なぜ蕎麦屋があこがれの仕事に見えるのか 「将来のポスト志向」から「目先の幸せ志向」へ
なぜ蕎麦屋が定年後のあこがれになるのだろうか。少し斜に構えたものの見方になるが、自分が主役となって蕎麦を打ち、その働き方を人に見てもらえる、そして人との対話がある、それがこの蕎麦屋を志向する裏面のように思える。これは過去の役割の一山が終わり、役定後の働き方で、もはや昔のような存在感を示すこともできず、面白みもやりがいもない仕事に比べれば、なんと充実した仕事なんだ、そう見えるのだろう。

普通のビジネスマンなら、現実の蕎麦屋さんの経営が、そんな素人が参入できるほど甘いものものではないことは承知の上だ。突き詰めていえば、蕎麦屋の夢は、その日1日、1日の手ごたえと充実を得るための「仕事の夢探し」を託せる“青い鳥の仕事”なのかもしれない。

 

 

posted by タマラオ at 07:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記