2014年02月13日

ハーバード大学に合格したウェイトレス   No2

060.JPG
教育機会の平等でも厳格に実現しようとしたら、大学は男女同数を入学させなければならないし、人種別の人口構成比で入学人数を調整しなければならない。 アメリカでもそこまでの平等は実現できてい
ない。人種によって知能が異なるとの説もあるし、親の教育への熱意も異なる。一流の大学になればなるほど授業料 は高い。親の資力も必要になる。現実には多くの障害があるのも拘
わらず、多くの大学では男女同数、人種人口比に一歩でも近づくように努力をしている。


伝統的なアイビーリーグの大学も例 外ではない。男女平等を実現するために、入学人数で極力男女同数に近づけようと努める。その結果女性の入学最低ラインが男性より低くなる。  この国では白人以外をマイノリ
ティー(少数派)と呼ぶ。白人人口は75%なので、非白人は25%もいる。日本人は日本ではマジョリティー(多数派)であ るが、この国に来るとマイノリティーに分類されてしまう。
マイノリティーの人たちへの入学許可に配慮している大学は多い。

ただどこまで優遇するかは、大学 によって異なる。この結果、マイノリティーの合格最低ラインは白人よりも低くなる。日本人女性は、女性であることとマイノリティーであることで、二重に受 け入れられやすくなってい
るのである。 こうした大学のポリシーに対する批判もある。ハーバード大学でも、白人の若い人たちが、奨学金が非白人に優先的に配分されるのは不平等であるとして、抗 議のデモを大学構内でやっているのを
テレビで見たことがある。人種逆差別であると言うのである。しかし男女平等がけしからんと言うデモは見たことがない。

大学が平等主義、或いは、マイノリティー優遇方針に基づいて入学者を決めるのと同様に、企業も採用にあたって人種、性別によって差別してはならないと法律で決められている。これを守らないと企業は訴えられてしまうのである。 だが同時に、この国は学歴主義の国でもある。学士と修士では給料水準が違うし、同じMBAでも出身校によって差がある。こうした要素が絡んでくるので、企業の採用レベルでの性別・人種による保護は教育機関よりも見えにくい。

男女平等を標榜するアメリカでも、女性の昇進・昇給が男性に比べて遅い実態はまだ存在する。目に見えないところに昇進・昇給の限界が存在することを“ガラスの天井”と呼ぶ。その上が透けて見えているのになぜか到達できないことを指す。 でも米国企業は日本企業よりははるかに男女平等の意識が高い。特にシリコンバレーには、著名企業のトップに女性経営者がいる。ヒューレットパッカードのカーリー・フィオリーナ社長、イーベイのメグ・ウイットマン社長らがその代表選手である。

A子さんは悩んだ末にハーバード大学3年生に編入手続きはするものの、一年間休学する道を選んだ。その間に学費・生活費を作る作戦である。B子さんは日 本に帰国後、MBAを生かして自分の会社を
作る決心をした。アメリカで平等の空気を吸い込んだ女性は、旧来型の日本企業に戻ることはない。新しい職業人と して自分を確立する道を選ぶ。その道は何か。それは日本の伝統的
企業風土から生まれて、日本人女性によってアメリカから逆輸入された新型の“外圧”であ る。

(NIKKEI NET「海外トレンド」 2004年5月17日掲載記事より転載)   *この記事は約10年前に掲載されているので授業料などは現在の金額と大分違うものと思われますが、何かの参考になればと思います。

 

 

posted by タマラオ at 04:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記