2014年02月12日

ハーバード大学に合格したウェイトレス   No1   

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パ ロアルト市はスタンフォード大学がある町として知られる。その目抜き通りから一本入った裏通りに“時代屋”という日本料理屋がある。決して高級レストラン とは言えず、むしろ居酒屋に近い。赤チョ
ウチンを連想させるネオンサインが夜の町に引き立つ。お客にはスタンフォードの関係者が多い。在学生のみならず、 日本から客員資格で短期滞在している研究者が頭を休めるところ
でもある。ビジネススクールの学生がグループで来ることもある。

そこでウェイトレスをしているA子さんは日本で地方の高校を卒業して、米国のコミュニティーカレッジ(公立の短大)に数年通っている20代後半の女性で ある。米国のコミュニティーカレッジには入学
試験はない。応募すれば誰でも入れる。生活費を稼ぐために昼間は店員をやり夜間にはウェイトレスをやってい る。授業の合間を縫ってアルバイトに忙しい毎日である。 その彼女
が4年制の大学の3年に編入する試験を受けた。コミュニティーカレッジの先生のアドバイスに従って一流大学ばかりに願書を出した。

最初に合格通知がきたのは名門大学として有名なハーバード大学からであった。その後ほかの一流大学からも続々と合格通知がきた。 なぜ受かったのかを聞いてみた。彼女曰く「アメリカの大学入学共通試験はやさしい。数学は中学生のレベルだし、英語ができれば簡単簡単」。確かに英語は うまい。だが、合格通知をもらったものの素直に喜べない。私
立大学の授業料が高いからである。授業料だけで年間に400万円近くかかる。

これに寮費、生活 費を加えると1年間に最低600万円はかかる。2年間で1200万円にもなる。これだけ支払う資力は彼女にも実家にもない。奨学金は出ないので自分で借金 をするしかない。 彼女の身の振り方
を巡って“時代屋”の常連客の間で喧喧諤諤の議論が起こった。こんな機会はまたとないのだから当然行くべしとする積極論。難しい科目を 避けて単位を取っていけば卒業はそんなに難しくない
と入れ知恵する人達。

ハーバードを卒業してしまえば、就職にも有利だし、その程度の借金はなんとかなる
とする楽観論。しかし、彼女は経済面を心配している。受かっても本当に卒業できるのか。卒業できなければ巨額の借金が残るだけだ。 “時代屋”には以前にもハーバードの卒業生がウェイトレスとして働いていた。不思議なレストランである。ハーバード経営学大学院でMBAを取ったB子さ んである。彼女は日本の私立大学を卒業して10年ほど日本の
証券会社に勤めた後、一念発起して私費でMBAを取得した30代後半の女性である。

多額の借金 を抱えていた。MBA取得後、米国東海岸で金融機関に就職しようと活動したが、うまく行かなかった。東海岸での就職を諦めてシリコンバレーに職探しにきた のである。 文科系の外国人がシリコ
ンバレーで職を見つけることは難しい。理工系でもITバブル破裂後には就職が難しかったところである。それでもなんとか中小コン サルタント会社に採用された。給料は高くなかった。その
後健康を崩し一年間療養生活を送った後、ビザが失効したので日本へ帰国することになった。

日本人女性にとって、アメリカの一流大学へ進学するのは夢のような話であろう。だが、なぜ日本人女性は入りやすいのだろうか。これにはアメリカ特有の事情がある。男女平等と人種問題である。 アメリカは自由・平等の国である。この平等は機会の平等を意味し、結果の平等を保証するものではない。結果は個人の努力によって当然のことながら変わってくる。だが、機会は平等に与えられなければならない。

 

 

posted by タマラオ at 05:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記