2014年02月02日

奨学金返済苦問題 No2

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未返還額は10年間で267億4300万円から723億2900万円へ増えているが、これは要返還額(貸した額)が、1369億1900万円から3557億6200万円に増加しているからである。日本学生支援機構は、2011年度の「返還促進策等検証委員会報告書」で、2013年度までの目標返還率を82%以上と設定している。目標返還率は82%以上。これを高いと見るか低いと見るかは人によって異なるかもしれないが、返さない、もしくは返せない状況にある人もいることは事実である。

また、昔と違って正規雇用や終身雇用が減りつつある現代のなか、返済できない状況の人が増えることも考えられる。同じく日本学生支援機構の調査「奨学金の延滞者に関する属性調査結果(2010年度)」では、延滞者の71.4%が年収200万円未満であり、年収300万円以上での延滞者は10.8%だった。年収が300万円台に到達するか否かが、延滞者になるかどうかの分かれ目のようだ。

2012年10月に日本経済団体連合会が発表した「2012年3月卒新規学卒者決定初任給調査結果」によれば、大卒者(事務系)の平均初任給は20万7585円。賞与や2年目以降の伸び幅にもよるが、たとえば地方から上京して1人暮らし、年収300万円で親からの援助もない人のケースを考えると、月額2万円程度の返済であっても負担は大きいと想像できる。そして昔と違うことは、現代は「年次が上がるに連れて給料が右肩上がりになる」「定年までこの企業に勤めていれば安心」と簡単に信じられる時代ではないことだ。

2010年度の調査で、奨学金を受給している学生の割合は大学生(昼間部)で50.7%、大学院修士課程で59.5%、大学院博士課程で65.5%となっている。奨学金利用者は、決して少数派ではない。では、若者が返還できない状況に陥るのはなぜなのか、どうすれば返還率を今後上げていけるのか。

学生集めに苦心する大学のPR策 公表される「高い就職率」の裏側
『つまずかない大学選びのルール』(ディズカバー・トゥエンティワン)などの著書を持つNPO法人NEWVERYの理事長・山本繁氏は、自身のブログで「奨学金で人生を台無しにしない大学選び8つの鉄則」という記事を書いている。鉄則の5つ目に「就職実績を批判的に見る」という項目がある。なぜ、就職実績を批判的に見ることが重要なのか。たとえば、大学パンフレットに「就職率が95%以上」というデータが載っていたとしたら、多くの学生は「95%以上が就職できるなら、この大学に入った自分も、よほどのことがない限り就職できるだろう」と思うだろう。

ただしこの就職率の算出方法は、「卒業者数を母数にして算出した就職率」ではなく、「就職希望者数を母数にして算出した就職率」になっていることがあるという。 「大学側は『この大学に入れば安
心』『就職率の高い大学です』というアピールをしている」と山本氏。ここに受験生にとっての「落とし穴」がある。高い就職率をPRする大学に魅力を感じ、「就職できる」前提で奨学金を借りて、入学してしまう学生が多いのだ。

 

 

posted by タマラオ at 06:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記