2014年02月01日

奨学金返済苦問題 No1

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DIAMOND 2014年1月24日 http://diamond.jp/articles/-/47631

小川たまか [編集・ライター/プレスラボ取締役]1980年生まれ。立教大学大学院文学研究科卒。大学院在学中からライター活動を開始。 フリーランスとして活動後、2008年から株式会社プレス
ラボ取締役。「日経トレンディネット」「サイゾー」などで執筆。

借りたカネを返さない若者は怠け者か時代の犠牲者か 批判を浴びる「奨学金返済苦問題」に潜む本質的課題
日本学生支援機構(旧日本育英会)が学生に支援する「奨学金」に関する問題が、話題となっている。産経新聞の取材によれば、奨学金返還訴訟は8年間でなんと約100倍(58件から6193件)にまで増えているというのだ。メディアで「奨学金を返せない」と嘆く学生・社会人の姿がたびたび報じられる一方で、若者に対して「自己責任では」「借りたものを返す自覚が足りないのでは」という厳しい声も上がる。「奨学金返済苦問題」の背景には、いったい何があるのか。

その背景をリサーチすると共に、本質的な問題を解決するための策を考えてみたい。(取材・文/プレスラボ・小川たまか)

「学費の返済なんて無理ですよ!」 奨学金返済苦に嘆く若者たちの声 最近、ネット上の一部で話題になった動画がある。 「無理ですよ!学費の返済無理ですよ!」 こんな声と共に、
奨学金問題についてデモを行う若者の姿を報じた、毎日放送のニュース番組だ。「奨学金は返せないのか、返さないのか」と冒頭で問いかけ、返せない若者の現実をリポートしたものである。

実は、この番組が放送されたのは数年前であり、YouTubeに違法アップされたのも2009年2月のこと。だが、今年1月になってこの動画をある動画サイトが紹介したことで拡散。サイト上で「『返せない…』滞納が生む負のスパイラル、そしてビジネス化していく奨学金制度」というタイトルがついたこの動画を、最近放送された番組だと思って見た人も多いだろう。そう思わされるほど、「奨学金返済苦問題」は最近も繰り返し報じられている。

特に、産経新聞が昨年11月に報じた内容はショッキングだった。2004年に58件だった奨学金返還をめぐる訴訟が、2012年には約100倍の6193件になったというのだ。 「奨学金返済難民」は、なぜこれほど増えている
のか。今回は、「奨学金返済苦」に陥る人々が増えている背景をリサーチすると共に、問題解決のための策を考えてみたい。

実は奨学金返還訴訟は増えているが奨学金の返済率は減っていない
まず、「奨学金滞納問題」の背景から説明しよう。前述の「2012年までに約100倍」というデータは、単純に返還しない人が激増したということではない。行政改革によって日本育英会が日本学生支援機構に引き継がれ、「金融事業」と位置づけられたため、回収を強化せざるを得なかったという見方がある。事実、ここ十数年で奨学金の未返還率が著しく増加しているというデータはない。

日本学生支援機構が2010年に発表した「奨学金返還回収状況について」によれば、1998年度の返還率は80.5%で、2008年度は79.7%(第一種奨学金と第二種奨学金の合計)。

 

 

posted by タマラオ at 06:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記